ボイス

【ボイス:2023年10月18日】田中聡選手

海外のレベルを体感
人間的にも成長できた海外移籍
 物心ついた頃からプロ選手を目指した田中選手。海外への憧れも同時に抱いた。

「やべっちFC、みんな見ていたと思うんですけど、そこで海外の映像が切り取られていて、そこでJリーグすごいな、でも海外は有名な選手もいるし、サポーターももっとすごいと感じて、海外でプレーしたいなって、ずっと思ってました」

 Jリーグで自分のプレーが通用することが確認できたときから、海外でプレーすることは夢ではなく、次の目標になっていった。

「どこでもいいわけじゃないけど、できるだけ早く行きたいなという思いはあって。でも実際にオファーが来たら、海外に行きたい行きたいって言ってた割に、まだ湘南でやった方がいいかなという不安も出てきて。そういう性格なんです。でもすごく迷ったんですけど、行きたい気持ちが勝って行きました」

 KVコルトレイクは、ベルギー1部リーグの下位が定位置のチームだったが、最初の頃は出場機会も多く与えられ、それだけで充実感が得られた。

「チームの成績は全然良くなくて、残留争いをするようなチームで、監督は3人替わったんですけど、1人目、2人目の監督のときはずっと使ってくれたので、勝てなくてもすごい充実してました。でも、監督が3人目になってからは全然出られなくなって、ベンチとベンチ外が続きました」

 ベルギーのリーグは上位と下位のチームでは力の差が大きかった。

「コルトレイクにはうまい選手もいましたけど、『意外と俺、やれんじゃん』みたいな。『試合に出られた』『スタメンだ』みたいな感じだったんで、最初の頃は『こんなものなのか』って思ってましたけど、強いチームと当たったら『あれ?』みたいな感じでした」

 上位のチームと対戦して、海外リーグでサッカーをしていることを実感した。

「上と下でチームの力の差がはっきりしているので、同じくらいの順位のチームが相手だとけっこう自分もやれる手応えがあったんですけど、上位のチームは全然歯が立たないなって感じ。フィジカルも技術も、強いしうまいし速いしで、それは衝撃を受けました。『すごっ』みたいな。『これが海外か!』って、そこで初めて思いました」

 今、振り返って思うのは、海外リーグの上位のチームを体感できたことが何よりの経験となっていること。プラスアルファ、人生経験も積めた。

「サッカー経験もいい経験になったし、サッカーだけじゃなくて人生的にもいい経験になった。楽しかったです。海外に1人で行くことなんてあんまりないから、1人でいい経験できてるなと思いました。サッカーでは全然達成感はなかったですけど、海外でスーパーに行ったり、自炊したり。いろいろ楽しかったです」

 今は、驚かされることなく海外リーグで戦い抜ける選手になるまで成長することが目標。まずはチームを助けられる選手になることで、未来の可能性を示したい。

>目指すべきは遠藤航選手 賢い選手に成長したい