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【レポート公開】9月4日(木)「スタジアム観戦体験向上のためのワークショップ」

「スタジアム観戦体験向上のためのワークショップ」が9月4日、平塚市内で開催された。先日のクラブカンファレンスで議題に上ったホームとアウェイのサポーター席の入れ替えについて理解を深めるための取り組みで、応募した40人のサポーターが参加した。

開会に先立ち、坂本紘司代表取締役社長は語った。
「先日クラブカンファレンスで話したとおり、次のシーズンが変わるタイミングでホームとアウェイのサポーター席の入れ替えを行ないたいと思っています。ただ、我々が気付かない課題や新たなアイデアもたくさんあると思いますし、皆さんにいろんな話をお聞かせいただき、いい形でこの件を前に進めたいと思っているので、忌憚なきご意見をいただければと思います」

参加者は8グループに分かれ、各グループにクラブのスタッフが加わりディスカッションを行なう。所定の時間が来たら意見を集約し、グループごとに発表して、アイデアを記した付箋をボードに貼っていく。

議題は大きく2つ。
①「サポーターの皆さんが感じているメリットとデメリット」②「いま感じているメリットをよりよくする、あるいはデメリットを克服するためのアイデア出し」だ。

①「サポーターの皆さんが感じているメリットとデメリット」について、多くに共通するメリットのひとつが風向きに関することだった。
「現状は風向きの関係でサポーターの声がピッチに届いていないと感じているひとが多いと思う。それが改善されるなら非常にいいこと」
「席を入れ替えれば、ホーム側のチャントが南風に乗って選手たちに強く届くのでは」

また、ビジョンを背にすることについても好意的な声が多く寄せられた。
「ビジョンを背負うことで、一体感がよりスタジアム全体に波及するのでは」
「勝利のダンスの際、選手が踊っている映像をビジョンに映し、テロップを出すことで、スタンドの皆さんもスタッフの方もそれぞれの場所で一緒に踊る。それこそが一体感」
「ビジョンと掛け合わせた演出をコールリーダーたちにつくってもらうことで、新規のお客さんがもう1回来たいと思ってくれることを期待している」

平塚駅やキングベルパークからのアクセスの向上についても前向きな意見が多数を占めた。
「総合公園の入り口からフードパークやショップにまっすぐ行くことができる。アウェイサポーターとの混在も減るのでは」
「5ゲートはキングベルパークから近く感じてすごく便利。勝利への花道が終わったあとに食べ物も調達しやすい」
「勝利への花道を長くできるし、行きやすくなる」

そのほか、「7ゲートあたりから正面を向いたときに富士山がとても綺麗。6ゲートからはどう見えるか」などの声も挙がった。

一方、デメリットについても、日頃から観戦しているサポーターならではの気付きが多く示された。
「子どもを連れて観戦しているとぐずって中座することがある。7ゲートの後ろには遊具があり、遊ばせて間を持たせることができる」
「ビジョンが見えにくくなることで、コール&レスポンスなど、まだ名前を覚えていない方が一緒にコールしづらい」
「太鼓の達人の手拍子が取りにくくなるのではないか」
「スタジアムが古いため、音響が聞く場所によってだいぶ違う。一体感のある演出をするためにはタイムラグなどが課題」
「アウェイの観客数は営業にも影響するので、アウェイの方にとっても使いやすいという視点も必要ではないか」

続いて②「いま感じているメリットをよりよくする、あるいはデメリットを克服するためのアイデア出し」について、こちらもさまざまなアイデアが集まった。

まずビジョンの課題解決について。
「ゴール裏の方はビジョンが見えなくなるので、ミニビジョンの設置をお願いしたい」
「ゴール裏の前にランプを置いて光らせ、三村ロンドさんに音頭を取ってもらい、光に合わせて手を叩くなどすればズレはなくなるのではないか」
「ビジョンを使うのは最初だけでなく、選手がいいプレーをしたときに拍手を促すなどすることで、勝率を高めるきっかけをつくれるのでは」
「ほかのスタジアムや野球のように、ビジョンを使った演出をスタジアム全体に広げていく応援の先導の仕方があるはず。ただ、8ゲートの応援はコールリーダーを中心に波及して広がっていく流れなので、ビジョンを見ながら合わせるのではなく、コールリーダーの発声に合わせてビジョンが連動していく流れを基本とすれば応援の伝統も残していけるのではないか」
「サブビジョン以外にもスマホ等で画面と連動すれば見づらさも改善できる。歌詞カードのような感覚でそれによって大きな声を出せるなら取り入れてもいいのでは」
「ビジョンの映像をスマホで同時配信する。Wi-Fiを強化してもらえれば固まって動かない問題も解決できる」
「エキサイトシートのまえに横長のビジョンを常設してもらえれば見づらい問題も解消できるのでは。太鼓の達人や選手紹介にも対応できるし、CMを流して収益化も図れる」

また、小さいお子さん連れのファミリーに寄り添うアイデアも数多く寄せられた。
「いったんゲートを出て試合を観られないとストレスになるので、キッズエリアをつくっていただけたら。子どもたちも飽きずに試合を観られてチャントも歌えるようになる」
「コンコースに乳児向けの積み木やおもちゃを置き、モニターを設置して試合を観られればよりよくなるのでは」
「コンコースにモニターを増設してもらえれば、子どもをあやしたり、買い物をしたりしているときに試合が動く心配も解消される」
「試合中だけでいいので小さいキッズパークをつくってもらうのがいいのではないか」
「キッズゾーンは子どもたちも試合を観に来た親も楽しめる場所」

そのほか、「各ゲートともトイレに行くボトルネックが解消されないと、ハーフタイムに売店やフードパークに行くのはなかなか難しい。短時間で商品をサーブしてもらうクイックレーンができると需要も増すのではないか」「アウェイの待機列がバスケットコートのほうに出ると思うが、ゾーニングをしっかりすれば公園の利用者に不快な想いをさせずに運営できるのではないか」などの意見が挙がった。

閉会に際し、大多和亮介代表取締役副社長は語った。
「サポーター席をただ入れ替えるのではなく、プロセスにもこだわって皆さんと一緒に考えることがベルマーレらしさだと思っています。今日いただいたいろんなご意見や気付き、アイデアをひとつ残らずかみ砕かせていただき、しっかり準備してまいりたい。私は勝利のダンスをゴール裏だけでなくスタジアム全体で一体となる絵をこのクラブで成し遂げたいと強く思っています。この入れ替えについても、皆さんと一緒にいい形で変えていければと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします」

活発な議論とともに、1時間半のワークショップはあっという間に幕を閉じた。クラブにとっても多くの気付きがあったことだろう。
今後クラブ内でのさらなる精査を経て、発表は10月下旬に予定されている。

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