ボイス

【ボイス:2020年12月7日】金子大毅選手

攻守ともにスイッチを入れる役割
全エリアに関わって1つでも多くの勝利を目指す

今シーズンのはじめに浮嶋敏監督が掲げたスローガンは、「前進-PROGRESSION-」。
ここにきて、その確かな歩みが見えてきた。
成果は勝点。
その要として活躍しているのが金子大毅選手。
ピッチ外のことに心を砕かなければならないタフなシーズンを
自身とチームの成長を見据えて過ごしている。

替えのきかない選手をめざして
今は責任を持ってプレーするだけ
 金子選手の今シーズンは、ケガで出遅れて始まった。ところが何が幸いするかはわからないもの。新型コロナウィルス感染症対応のために挟んだ中断期間にケガは癒え、再開に向けてコンディションを整える時間も十分に取れた。再開されて以降は多くの試合のメンバーに名を連ね、3節以降25試合連続出場、しかも6節以降は25試合すべてフルタイムを走り抜いている。

「たくさん試合に出させてもらって、フル出場もさせてもらっているからには、やっぱりチームを勝たせないといけない。試合に出させてもらうからには、責任を持って勝つためにプレーすることが大事だなと思っています」

 2カ月の中断期間を取らざるを得なかったリーグ戦の試合日程は再編され、2週間で3試合を消化するペースが延々と続く過密なものとなった。日程変更に伴い試合のレギュレーションも変わり、選手交代枠は5名まで、交代回数はハーフタイムを除き3回までとなっている。そのため、多くの選手が何試合も続けてフル出場することはない。そんななかだからこそ、金子選手の出場記録が際立つ。替えのきかない存在といっても過言ではない。

「もちろんそういう存在になりたいですし、試合に出続けることは大事だと思う。でも今、そういう選手かというとわからないです。だからそういう選手になりたいなと思ってプレーしてます」

 現在任されているポジションはアンカー。中盤の底、ディフェンスラインの一列前で攻守に渡って起点となるタスクを担う。

「3バックをカバーする必要がありますし、攻撃でも真ん中から始めた方がスムーズにいくと思うので、そういう意味で全エリアというか、全部に関わって行かなきゃいけないなと思っています」

 元々は守備意識の高い選手。「守備が特徴、守備は負けちゃいけない部分だと思う」というだけあって、3バックやサイドハーフの選手たちのカバーをしつつ、隙あらばインターセプトも狙う。

「特にボールを奪うっていうところにフォーカスしてプレーしているつもりです」

 最近は、攻撃の起点となる意識もより高くなりつつある。自陣からの大きなサイドチェンジのパスでチームが前への意識を高めるスイッチを入れ、自慢の豊富な運動量を武器に自身も前線に絡んでいき、フィニッシュへの仕掛けとなる縦パスも果敢に入れる。

「タイミングよく行けるときはゴール前に上がっていって得点に絡むことは必要だと思うし、シュートだけじゃなくてロングパスでもゴールに繋がるシーンは作れると思う。それに、効果的な縦パスを入れたいと思って練習で取り組んできましたし、そういう縦パスが入ることでチームも勢いよく攻撃できると思う。スイッチになる縦パスを入れられるようにしたい」

 攻撃を完結させるために意識しているのは、「次のプレーをイメージしてプレーすること」。攻撃のスイッチを入れるには、広い視野を確保し、パスを成功させることが大切だ。自分自身、成長を感じている感じている部分でもある。

「スムーズに次のプレーに移せるように、次のプレーを予想したり、イメージしたりしながらプレーすることが大事かなと思う。これはプロになってから意識するようになったこと。プロになった当初よりできる回数も増えていると思う。でももっともっと練習から意識して質を高めていかないと、と思ってます」

 今感じている課題はやはりゴールに関わるプレー。それは個人にとってもチームとしても同じ。

「もっとゴールを増やすこと、というよりはシュートチャンスを増やすことが大事かなと思います。個人的にも守備ではもっとボールを奪えると思うし、得点につながるプレーをしていかないといけない。アシストだったり、自分自身のシュートだったり、ゴールに直結するプレーをしていきたい」

 結果が出てくれば出た分だけ、さらなる向上心が芽生えてくる。尽きない意欲が勝利を呼び込んでいる。

>攻守にわたってスイッチ役に チーム浮上の鍵を握る