ボイス

【ボイス:2016年10月11日】齊藤未月選手

一番近くて大きな目標は
ベルマーレから東京五輪へ

「将来は、A代表に絶対に入りたいって気持ちがありますし、海外、ヨーロッパでプレーしたい。近い目標は、東京オリンピックがありますからそこに選ばれて日本代表として戦いたい」
 
 各年代で世界大会はあっても、国内の注目度はさほど高くはない。そのなかでオリンピックは、23歳以下と年齢が制限されてはいるが、サッカー選手として日本全国から注目される初めての大舞台となる。齊藤選手にとっては、2020年に開催される東京オリンピックが一番身近で大きな目標だ。
 そこに繋がるのが、東京オリンピックの前年、2019年に開催されるFIFA U-20 ワールドカップ。二十歳以下の選手が出場するワールドカップだ。齋藤選手は、早生まれということもあってこの大会を目指す年代別代表に選ばれることが多い。
 
「来年チームの立ち上げがあって。優太(神谷)さんの代だと今ちょうどU-19に居て、そのまま東京オリンピックを目指すことになると思います」
 
 神谷選手は、東京オリンピックが開催される2020年にちょうど23歳を迎える最年長の年齢。2年ごとに開催されるFIFA U-20 ワールドカップは、2017年大会を目指す年代だ。齊藤選手は、年代別代表では一つ下のカテゴリー、2019年大会を目指す年代ということになる。
 
「オリンピックに出るためには、上のカテゴリーに入らないといけないです。でもこの前のリオでも、その世代が普通に多いわけじゃないですし、井手口(陽介選手:ガンバ大阪)選手は19歳で入ってますし、チャンスはあると思います」
 
 FIFA U-20 ワールドカップもむしろ、神谷選手と同じ来年を目指したいという思いもある。
 
「最終予選がもうちょっとで始まりますし、本大会もまだチャンスはあると思う。その年代は、だいたいプロサッカー選手だし、そこに入っていけるなら入った方が絶対自分のためになると思う」
 
 神谷選手が話題に上ると、齊藤選手の話に熱が帯びる。その理由はといえば、齊藤選手が最も意識しているのが神谷選手だからだろう。
 
「自分にとっては、ライバル。歳は1つ上だし、自分は前のポジションをやることもありますけど、2人ともボランチですし。ボランチとしても、先輩としても、一番のライバルです、やっぱり」
 
 相当刺激的な存在らしい。神谷選手が3月20日に開催された第4節の浦和レッズ戦でリーグ戦デビューを果たしたときは「先を越された!」という思いがあったという。
 
「全部を兼ね備えているっていうか、メンタルも強いですね。自分も何か、刺激されてモチベーションが上がるっていうか。やろうとしていることはできないことじゃないって、それを証明してくれていると思います。若いからとか、そういうことを言われたくないですし、自分も証明したい」
 
 証明したいことの一つはきっと、サッカー選手に年齢は関係ない、ということだろう。それは、二人が出場する試合で少しずつ証明されつつある。
 齊藤選手のプレーはまさに湘南スタイルの原点を思い起こさせるもの。そして、チームにさらなる深化をもたらすことを予感させる。未来へ。期待はふくらむばかりだ。

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取材・文 小西尚美
協力 森朝美