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【ボイス:2015年7月8日】菊池大介選手 [3]

同じ相手に二度負けない 肝に命じて臨む2ndステージ

 今シーズンは菊池選手にとって曺監督とともに挑む、二度目のJ1だ。その1stステージが終了し、リーグ戦は6勝4分7敗という成績を残している。実際に戦うなかで、どのような手応えを感じているのだろうか?

「負けた試合でも勝った試合でも引き分けた試合でも、個人的なプレーもそうですし、チームとしてもそうなんですけど、『課題』だったり『良いところ』だったり、自分たちが『やれた』のか『やれなかった』のかということが、明確に、本当にはっきり出ている。それを練習に落としこんでいるので、毎日が充実してます。2年前、降格した年とはまったく比べ物にならないくらい毎日が濃いというか。
 2年前は、プレーはしてるけど、なにか『差は大きいな』っていうのをすごく感じてしまった。相手をリスペクトし過ぎたり、結果を受けて『ダメだな』って思っちゃうことも多かった。でも今年は、負けた試合でもそういう思いはあまりないですし、どっちかっていうと『ここをこうすれば勝てる相手だよね』とか、相手どうこうより自分たちに問題や責任があったと言える試合ばかり。だからこそ結果を残したいと思ってる。もっともっと勝ち星を増やしていきたいと思うし、勝ち点を積み重ねて、良い順位にいきたい」

 2年前とはまったく違う手応えを得ている。とはいえ、特にJ1にまだ慣れていなかったシーズン序盤に上位チームとの対戦が続き、連敗を喫した。

「やっぱり一瞬の隙とか、自分たちがチャンスを決めきれなかったりっていうところの差があったと思うんで、そこは反省すべきだし、悔しかった。
でも、全然やれていたと思います。本当にその『ちょっと』っていうのを練習のなかで克服したいって思った。浦和戦もそうですけど、FC東京とかガンバとか、試合はもう1回できるので次は本当に借りを返したいなって、逆に絶対やれるっていう自信は湧いてきましたね」

 チームとしてもまた、昨年のプロセスと結果がともに今シーズンの戦いへ大きな影響を与えている。

「去年は、自分たちもびっくりするくらい、特に最初なんてうまくいき過ぎたかなって思いますけど。
 選手一人ひとり、一昨年を経験した選手もそうだし、新たに加わった選手もそうですけど、原点に返ってというか、湘南スタイルをもう一回見つめ直してやるべきことはなんなのかということを再確認してやったことで、結果を残せたというのはすごく大きかったと思います」

 相手がどのチームであれ、自分たちのスタイルを貫くことを選択し続けたシーズンは、自分たち自身に向き合い、そのプレーにJ1の精度を求め続けた時間でもあった。

「J2を甘く見ているとかそういうわけではないんですけど、ミーティングで『J2でうまくいっても、こういうプレーはJ1では通用しないよ』とか、そういう話はいっぱいありました。自分自身も、さらに上の精度とか、スタイルの強みをもっともっと出していかなきゃていうのをすごく感じながら過ごしていたので、相手を抜いたシーンなんかでも、『今のはJ1だったら抜けないな』『ここだから通用している』とか、個人的にそういう意識はすごくありました」

 日々の練習を100%で臨んだうえで、公式戦を経験することによって成長の速度は飛躍的に増していく。開幕からここまでの試合を振り返っても、個々のプレーの精度、攻撃のバリエーション、守備への対応など、どのシーンを見てもチームとして成長が伺える。

「J1に居るんだから、チームとしてそこは最低限、上げなきゃいけないところ。試合に出る以上というか、出るためにはそういうところがないとダメだし。僕は、去年と比べても、よりチームっていうのを大事にするようになりました。ひとつのミスやひとりの選手がおかしなことをひとつしてしまっただけで、試合の流れが相手に行ってしまうレベルですから。そのワンプレーの責任で点を取られてしまったり、うまくいっていたのに相手に流れが行ってしまったり、そういうことが多く起こる。そこはみんな個人個人でも意識していると思うし、僕もそういうところはすごく意識して取り組んでいます」

 トップリーグの感覚に慣れないままに経験不足や試合運びの拙さから敗戦を喫した相手とは2ndステージで再び対戦が待っている。

「アウェイも嫌いじゃないし。サポーターも本当に多く来てくれますから、そんなにみんなイヤな感じはないと思う。まず、悔しい思いを味わったチームに同じように負けてしまっては成長が見られないと思うし、自分たちにとってもそれは非常に悔しいことなので、絶対に避けたい。逆に、そういう相手をアウェイで負かすっていうのはすごく気持ちが良いと思うから。まだまだこれから成長して、湘南スタイルを全面に出して勝ちたいなって思います」

 同じ相手に、二度は負けない。2ndステージへの思いも強い。