ボイス

【ボイス:2021年5月9日】高橋諒選手

松本山雅で再確認した
ハードワークの大切さ

 3シーズンぶりの復帰となった高橋選手。2018シーズン終了後に移籍した先は、ベルマーレでも指揮を執った反町康治元監督(現・日本サッカー協会技術委員長)が2019シーズンまで率いた松本山雅。2019シーズンはJ1、2020シーズンはJ2で戦った。

「ソリさんが率いた山雅は、湘南ベルマーレでやってきたこととすごく似ていて、守備の部分なら粘り強い守備であったり、最後まで身体を張るとか、あきらめない姿勢を大事にしていて、自分自身もプレーはやりやすかったし、自分の特徴を出しやすいチームだったのですんなり入れました」

 湘南スタイルの礎を築いた監督の一人。練習から100%のハードワークを求めるチームを作り上げた。

「当時からベルマーレの練習はけっこうきつかったんですけど、山雅はそんなの比じゃないくらいきつくて。上には上がありました(笑)。走りのメニューも、山雅は素走りも多くて。だから移籍した当初はけっこうきつかったですね」

 しかも、そのきつい練習を黙々とこなすベテランの存在も刺激になった。

「めちゃくちゃ走れる選手がいて。田中隼磨選手なんですけど。38歳とかなのに、走りのメニューとか一番だし、バケモノだと思いました(笑)。それと大然(前田選手:現横浜F・マリノス)。あいつもすごかったです。大然は足も速いのに、長い距離も走れる。めちゃくちゃ体力あるんですよ。両方を兼ね添えているからすごいなって思いました」

 そんな選手たちに刺激されながら過ごした2年間で、もっとも成長を感じたのは、そのハードワークと守備の部分。

「松本に行ったシーズンはJ1で戦わせてもらって、ほとんどの試合に出ることができた。そこで守備の部分であったり、サイドのハードワークとか、運動量っていう部分は成長できたと思います」

 2019シーズン、Shonan BMW平塚スタジアム(当時)での戦いが記憶に残る。

「久しぶりにBMWに帰ってきて、僕のモチベーションもすごく上がっていました。勝ちたいなっていう思いもありましたし、すごい楽しかった思い出がありますね」

 山雅で過ごした昨シーズンはJ2を戦った。

「毎月5連戦があったんですけど、そこで1回ケガをしちゃうとほぼその1カ月は試合に出られない。終盤は出られましたけど、ケガも多かったし、J1を経験しているとどうしてもレベルを比べてしまって、自分の成長につながっているのかなっていうのを考えることがあった。やっぱりJ1でやりたいなっていう気持ちがあったところで、オファーをいただいたので。前にいた時は不完全燃焼というか、自分らしさというのを出せずに移籍してしまったので、新しい気持ちを持って、湘南ベルマーレを勝利に導きたいと強い覚悟を持って帰ってきました」

 J2で戦った感覚が残る今だからこそ、J1で戦う喜びもひとしおだ。

「サイドは、攻撃だけじゃなくて守備もやらなきゃいけないポジションですし、J1のチームのサイドにはけっこう強力な選手がいるので、しっかり抑えなきゃいけないというのがあります。サイドのハードワークというのは山雅で鍛えられたかなと思うので、山雅で成長したところを今、見せられているんじゃないかなと思います」

 J1の舞台で戦い続けたい、その気持ちは今も強い。だからこそ、今シーズンにかける思いはひとしおだ。 

>チームの成長の鍵は信じてブレずに戦い抜くこと