ボイス

2015.12.22

【ボイス:2015年12月21日】永木亮太選手 [1]

ボイス 永木亮太選手

できたことも、できなかったことも、たくさんある。
それでも成長できたと言える1年だった。

2度の降格を経て、
J2を舞台に戦いながらJ1で戦える力を蓄えることに集中した2014年。
満を持して迎えた今シーズン、年間順位一桁をマークし、
初めて2シーズン続けてJ1で戦う権利を手にした。
トップリーグで「湘南スタイル」を貫いた経験は、
チームにとって、また選手にとってどんな成果をもたらしたのか。
1年間、湘南スタイルの要として中盤で存在感を放ち続けた
キャプテン・永木亮太選手が振り返った。

ピッチの内外で支えあったシーズン チームの姿勢も湘南スタイル

 「湘南スタイルがJ1で通用することを証明し、今年こそJ1に住み続ける」。過去2度の昇格と降格を経験し、足りなかった力を見極め育み、3度目の昇格を果たして臨んだ2015シーズン。1stステージは6勝7敗4分で10位、2ndステージは7勝5敗5分で9位、年間順位は8位と一桁に食い込んだ。また、クラブとしての目標の一つとして掲げた「来シーズンもJ1で戦う権利を勝ち取る」ことを選手たち自身の手で成し遂げた。

「始まる前に、自分の中では具体的な順位として一桁で終わりたいなっていう目標があったので、その最低ラインを数字上クリアできたというのは一つ達成感があります。その順位は、そこに至るまでにいろいろ充実感を得ていかなければ成し遂げられないということも分かっていたし、たくさん試合をするなかで1年間を通して成長できたなっていう充実感もあります。
 自分個人としては、ケガがありながらもたくさんの試合に関わることができたし、プレー面も成長できたと思っているので、チームとしても個人としてもすごく充実した1年だったと言える。それを踏まえて悪くなかったシーズンだったと思いますね」

 曺貴裁監督のもと、2度の昇格を経験している永木選手。プロとしては初めてのJ1への挑戦となった2013年からキャプテンを務めていることもあって、その年の降格の無念さは誰よりも痛感している。だからこそ2014年のシーズンは、自分にもチームメイトにも容赦なく高い要求を突きつけてきた。今シーズンは、その成果を試す1年だった。

「チームとしてレベルアップしたことは去年の段階から分かっていたんですけど、J1に戻ってきてどこまでできるかっていうのは、J1が初めての選手もいるし、始めからうまくはいかないだろうというのは予想通りというか。でも、経験の少ない選手も最初の頃は少し不安に思うこともあったけど試合を重ねるごとに良くなっていった。それは、薫(高山)が戻ってきたり、ツボさん(坪井慶介)やバイア(アンドレ バイア)が入ったりというチームとしてプラスになる要素が重なったからだと思う。日を追うごとにチームや個人の成長を感じながらプレーできたと思います。
 一昨年と一番違いが分かりやすいのはピッチの中でのフィーリング。対戦相手に対して『上手いな』『強いな』と思うことが減ったこと。で、『自分たちがゲームを支配できているな』とか、そう思えることが明らかに多くなった。結果としても今まで勝てなかった相手にたくさん勝てたし、勝てなかったチームもありましたけど、十何年ぶりに勝ち点を取れたという試合もあったし、そういう力は本当についてきたと思います」

 経験値が上がれば、同じピッチに立つ選手の精神状態も感じとれるようになる。昨年主力として戦いながらも今季初めてJ1を経験した選手たちがシーズン序盤からJ1のピッチに躊躇なく立てたわけではないことは分かっていた。だからこそ、気持ちの揺れを隠しきれない彼らをもカバーしながらリーグを戦い、そういった選手も含めて成長できた手応えは大きい。

「J2からJ1ってレベルが一段階上がるというより一気に二段階ぐらい上がるような感じがある。それに、自分もそうでしたけどずっと憧れて見てきた舞台なので気持ちの入り方とかがやっぱり普段と違う。フィジカルや技術はそれほど差はないと思いますけど、J1のピッチでの慣れや経験値の差はどうしても埋められないところが正直あるものなので。特にシーズンの最初の方は緊張感もあるし、プレッシャーの速さとか強さへの戸惑いもあったとは思います。特に俊(菊地俊介)はボランチを組む相手なので最初の頃はピリピリしてるなというのを間近に感じましたけど、自分も隣でお互い助け合いながらプレーして、試合を重ねるにつれていろんな経験を得て自信が増していくのが分かって頼もしかった。俊だったり三竿(雄斗)だったり、そういう選手がシーズンの最後の方は本当に堂々とやっていた印象があるんで、彼らにとってもすごくいい1年だったんじゃないかと思います」

 2013年に身をもって体験したJ1の舞台での心の揺れ。戸惑いを抱える若手を引っ張って行けるのも重ねてきた経験があればこそ。

「このチームの自分の立ち位置では、そういうところが求められているところだと思う。自分だったり薫だったり。薫は去年、(柏)レイソルっていうチームにいてずっとJ1でやってきた選手なので、そういう意味で今までと違った薫だったなって思うんです。特に最初の方、うまくいってないときにレイソルはずっとJ1にいるチームだし、経験のある選手がたくさんいて、その中で経験したことを薫もアドバイスしてくれたし。自分もそういう意見を聞いて、『あ、他のチームはこうしているんだ』って参考になった部分もあった。そういう要素はすごく良かったですね」

 みんなで補い支えあって乗り越えてきた。チームの姿勢も湘南スタイルを貫いている。