監督・選手コメント

J1第22節 湘南vs甲府戦 監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
おつかれさまでした。
ホームでなかなか、勝利を得られず、去年はホームで2回しか負けなかったんだけども、すでにその2~3倍くらい負けてるのかなという記憶ですけども。
今日も先週に引き続き、サポーターが声をからして我々をサポートしてくれたにもかかわらず、我々がやってはいけないミスというか失点をしてしまうことで、自分たちの首を絞めてしまったかなという試合だったと思います。
ただ、サッカーはすべて人生の一部だと思うので、90分の試合を34試合する中で、その90分がすべてが最良の形で終えられるというのは、多分人生と同じでありえないと思います。
こういう言いかたが正しいかどうかは分かりませんが、選手はもちろん100%勝つためにやってくれたと。その中で、皆さんが見て、評価していただく中で、今日は結果が出なかったというシンプルな1日だったかなと思います。
もちろん悔しいですし、何が足りなかったかなっていうふうに、自分の中でずっと、今歩きながら考えてましたけども。人生最悪の日だと思えば最悪だけども、これをきっかけに何かを変えていかなければいけないっていう、そういうエネルギーにする、それは本当に何度も何度もそうなんですけども。
自分たちがやられた失点、得点が取れなかった自分たちのまだまだの至らなさっていうのを、全員で向き合っていくしか、この状況を変えられるわけではない。
我々は逃げるわけにもいかないので、最後にサポーターにも話をしましたけど、明確に、この、今年、湘南ベルマーレが何をしなければいけないかというのは、サポーターも我々も選手もクラブも、みんな共通の目的を持っていると思っています。それに向かってあと12試合やるだけだと思います。
ファイティングポーズは今後、さらに取り続けなければいけない。ノックアウトされても、立って、10カウント内に立ち上がって次に進むしかないと思っています。
これが残り1試合2試合であれば、また別のコメントだと思いますけど、僕は全然諦めていないので、前向きにやっていきたいと思います。

●曺監督 質疑応答
–失点の内容については?

戦略的なもので狙っている形通りの守備ができなかった2シーンだと思いますが、90分のなかではああいうシチュエーションが絶対ないかと言えばそうではなくて、我々にそういうチャンスがなかったかと言えばそうではない。アウェイで甲府とやった時に1-0で凌いで勝った試合がありましたが、あそこはみんなで体を張って絶対やってはいけない失点だったと思っています。相手のクロスの精度や力が我々より上だったと認めざるを得ないと思うし、ミスはミスだが、ミスがゼロになるのはサッカーでは難しいですから、自分たちのやるなかで、そういうことが起きないような準備をしていかなければいけないと思います。

–久々の先発となった阿部選手については?

久しぶりの試合でしたが、堂々とプレーしてくれたと思います。シュートストップの場面はそんなにはなかったですけど、あの2点を止められれば言うことはなかったですが、それは酷かなと思いますので。5月25日からお前は時間が止まっているから頑張ってその時間を取り戻せという話をしましたが、よくやってくれたと思います。

–ステボ選手の見通しは?

合流して1週間なので、試合展開によって、コンディションが上がる中で我々のチームに貢献してくれると思っています。今日は使えなかったですが、もちろん我々の戦力として考えているので、ほかの選手もそうですが、しっかり考えていきたいと思います。

–後半19分から出場した大竹選手が流れを変えたと思うが、時間帯は相手の疲れを考えてのことか?

1-1で終わるつもりはまったくなかったので、2-1、3-1にするプランというか、勝点3だと選手にも伝えてあったので、自分のなかでそういう時間を長くするよりも仕掛けていこうというなかで洋平(大竹)を切ったということです。先週同様、彼の力を発揮してくれたところはありますが、たしか失点はあいつがロストした後に繋がれて福田君に入れられたような記憶があるので、まだ見返していないですが、それを責めるというわけではなくそういうところも含めてあいつもこの経験を次に活かしてもらいたいと思います。ただ、よくやってくれたと思います。

–大竹選手をもっと早い時間に投入することは?

もちろんそういう選択肢もあるし、ずっと切り札的にベンチに置いておくわけでもなく、先発で行く場合もあるでしょうし、調子が悪ければメンバーに入らない場合もあるでしょうし、大竹洋平のチームではないので、ただひとつのピースとして我々に力を与えてくれることは間違いないと思います。

–後半から島村選手を投入した意図は?

相手の長いボールが増えていたのでそこの対処とセットプレーのことも考えながら切ったということですね。ただ我々の前半がそんなにいい流れではなかったので、前を切るよりも後ろを安定させて二次攻撃三次攻撃に繋げたかったのが交代の理由です。

–決定的なチャンスを決められなかった事実に対して監督はどのようにアプローチするか?

去年我々はJ2で一番点を取らせてもらって、J1になったら得点の数は今日で一番低くなったと思いますが、得点を増やすためには偶然ではなく必然の攻撃をしようというのが我々のコンセプトです。
相手より多く人数をかけて攻めて、一番嫌なペナ幅にボールを運んでフィニッシュに持っていく。それはクロスもワンツーも洋平が出したスルーパスもそう。そこは選手の判断に僕は委ねています。プロセス自体、やろうとしていること自体が成立して、あと入れるかどうか、でももしかしたら僕が過程の話をし過ぎてしまい、最後入れることが大事なんだよというメッセージを彼らに心底送り続けられてないのかなと、今の質問を受けてシンプルに感じました。
泥臭くと言いますが、最後ゴールにパスを送らないと得点は生まれない。
今日も何もできなかったわけではなくそういうチャンスが何回もあったなかで入れられない、それをプロセスがよかったからいいと言うのか、ここで外したらダメだよと言うのか、非常に難しいですが、そういう部分をさらに高めていかなければいけないと思います。実際、高山は自分で責任を感じて泣いてみんなに謝罪していましたが、その涙が次の彼の成長に繋がってもらいたいと思いますし、あそこまで行ったことを褒めてあげたいですが、もうあいつのレベルでいうと入れてナンボだよという話もしていかなければいけないかもしれないですね。

●城福監督 総括
今日の試合は34分の1ではありますが、我々と湘南の立ち位置を考えたら単なる1試合では終わらないというのはお互いが分かっていることでした。特に今年はナビスコカップと我々のホームでのリーグ戦で0-1で負けているので、そこの借りはどうしても返さなければいけないし、同じ昇格組ではありますが、ここで彼らに抜かれるわけにはいかないので、強い気持ちを持って、我々にできる万全の準備をして臨みました。
選手はセーフティにやるところと冒険するところを切り分けてチャレンジしてくれたと思います。もちろん前半のあのペースの中で1-1で終わるような試合運びの拙さは課題ではありますが、2-1になってからの選手の集中力や、3点目が取れればもちろんよかったがあのまま逃げ切れたという意味では、切り替えの速さやスペースの飛び出し、コンパクトさ、運動量など、今日の湘南を考えれば我々が勝点3を取れたことは自信にしていいと思います。
他のどのチームよりもプレッシャーは強かったし、そういうチームに少なくとも50%以上は試合をコントロールできたという意味では、これを自信にして次の試合に繋げたいと思います。
最後に、本当にアウェイで多くのサポーターが来てくれて、彼らと喜びあえたこの瞬間を大事にしたいし、また次もホームでこういう瞬間を迎えたいと思います。

●城福監督 質疑応答
–FC東京時代を知る湘南の大竹選手については?

僕が相手チームの選手の評論をする立場にはないです。ただひとつ言えるのは、彼が入ってきて中盤でボールを受けて前を向いた時には左足を相変わらず持っている。そこを抑えるべく我々の布陣を変えて対処したことは事実です。

–福田選手のゴールが決まったのは苦しい時間帯だったと思うが、あの1点をこじ開けることができた原動力は?

最終ラインから中盤にボールを入れられて、大竹選手から2回ぐらい際どいパスを出された。そこを抑えるべく3ボランチにして、そこからはゲームが落ち着いたと思います。オープンな展開になっているので、必ず我々がワイドに張っていれば相手は広がるので、最後のところでシュートを撃てるスペースは必ずできると思っていた。(大竹選手の)あのスルーパスが決められなくてよかったと思いますが、その後の3ボランチにしてからはゲームはある程度コントロールできたと思っています。

–福田選手に期待したことは?

彼はもともとサイドバックで去年も1年間出ていた選手ですが、ゲームを落ち着かせることができることと、キックを持っている、ずっとキッカーだったので。という意味でのサイドチェンジや、もちろんゴールを決めたようなミドルシュートは期待して今週も準備してきました。

–後半20分過ぎから何度か裏を取られたが、疲れや集中力が原因ですか?

今日が全部当てはまるかどうかは分からないが、僕らはスルーパスを出せるような距離でボールホルダーにプレッシャーに行けなくなるような状況に後半20分だとなってしまう。そこでヘッドアップされるとスキルの高い選手であればあのようにスルーパスを出す。そこで受け手も精度が高ければ点になるということだと思います。僕らはそれをJ1でずっと経験しているというか、1回もヘッドアップさせないことは特に夏場は難しいわけで、90分のなかで2回ヘッドアップをいい場所でされて、2回スキルの高い選手に走られたらやはり1点取られるのがJ1。あそこまで頑張ったのに、コントロールできたのに、プラン通りだったのに、と言っても、その時間帯でやられて沈んできた我々がいる。我々自身もそこで消耗しないように、そこまでの60分70分もっとスキルを上げて消耗しないようにしなければいけないことと、選手交代や立ち位置を変えて対処していくという、この両方で取り組んでいかなければいけないと思います。

【選手コメント】
●永木亮太
(同点弾FKについては?)のウェリントンがファーにいくという話をしていたので、そこを目がけて蹴ったらうまく得点に繋がったのでよかったです。
90分間を通してみても甲府のゲームだったかなと思います。決めるべきところを決め切らないとああいう形の試合になってしまうと感じました。
1失目は自分たちのセットプレー直後のケアのミスだったので、本当にとられてはいけない点だったと思います。2失点目もカウンターから、少し後手後手になってしまって、フリーで打たせてしまった。もう少し早く戻って準備していればあの失点はなかったと思います。

●大野和成
失点が続いてしまっているので、やはりディフェンスとしては無失点に抑える戦いをしたい。1失点しても2失点目はチームとして絶対に防がなければいけない。
(試合を決め切るには)決定力の差は大きいと思います。決めるところで決められないと厳しい。相手には1回のミスで決められてしまったので、そういうところの差かなと思います。
(いい部分も出たと思うが?)でも今は結果が大事なので、勝てたゲームだったと思うので、勝ち切らなけばもったいない。
すぐに連戦になるので、切り替えてやっていきたい。次の試合は絶対に負けられない。でも気持ちの部分が一番大事だと思うので、しっかりいい準備したいと思います。

●阿部伸行
前半、河本選手などを掴まえられず前を向かれたシーンが多かったんですけど、後半はシャドーのところでボランチを塞いで外に出てからというふうに徹底できた。ある意味、前半ダメだったところをすぐに修正できたのはよかったと思いますが、セットプレーでやられたのは完全に僕の責任で、そこはもう一度チームとしてGK中心に守らなけれ
ばいけないと反省しています。
僕がイニシアチブを取るという意味でのミスがあったかと思う。
(先制点を与える展開が続いているが?)そこのところは本当に、とくに今日はセットプレー絡みですし、オープンプレーでやられていいという意味ではなく、相手の対策ができるプレーでやられるのは守りの選手としては悔しいので、そういうところでやられるのはもう無くしたいです。
(試合勘については)練習や練習試合で日頃からできていたのでまったく問題はなかったし、プレー面よりメンタルの面でしっかり入れるようにしなければと思っていた。監督をはじめスタッフや周りの選手も気持ちを高めてくれて、いい状態で入れたと思っています。それでもやられたことは事実なので、またしっかり練習して自分の水準を上げていかなければいけない。どうしてもこのステージでやりたいので、下を向くことなく次の試合に向けて自分のスキルを上げていきたい。

●大竹洋平
ボールを受けて起点になってうまくチャンスは作れたと思うんですけど、得点に繋がっていないので、悔しいです。
パスの部分ではある程度チャンスが作れたと思うんですけど、あとはもう少し自分で仕掛けてシュートまでいきたい。シュートまでいく場面はなかったので、そういう場面をもっと作れるようにしたい。
ボールを持った時に、みんなうまく動き出してくれる。練習から僕が顔を上げるといい動き出しをしてくれるしだいぶ合わせられるようになってきた。それを本当にゴールに繋げられるようにやっていきたい。

●梶川諒太
3連戦の最初の試合ということで、絶対に勝点3がほしかったですし、ホームでの試合とうこともあってどうしても勝ちたいという気持ちが全員にあったと思います。
チャンスを作れているから、という状況ではないし、本当に決め切っていかないと勝点3はとれないので、そこは本当に厳しくやっていくしかないと思います。
個人個人が突き詰めてやるだけだと思う。誰かじゃなくて、自分自身がやるというつもりで、戦っていかなければいけないと思います。