8DFOHNO KAZUNARI

「湘南に来てよかった」~My Turning Point~

僕がプロに入ったとき、30歳の先輩たちを見て、すごいなと思っていました。
厳しい世界だと感じていたし、俺は生き残れるんだろうかと思っていたから、いま37歳の自分を思うと、人生ってわからないものだなと思います。

プロ19年を振り返ると、いろんなポイントがあったと思います。
ただそのなかでも、2012年に湘南に来たことは自分にとって大きかったなって、それはすごく思いますね。
じつは、僕は当初ほかのチームに行くことを考えていて、よくよく聞いてみると、湘南もべつの選手を取りたいと思っていたそうです。
でも曺(貴裁)さんが、当時僕が在籍していた愛媛FCの映像を見て、「大野のほうが欲しい」と言ってくれて、僕にオファーが来た。
試合に出て、対戦したチームから声をかけてもらうことはあったんですけど、僕は湘南戦だけ出ていなかったので、オファーの話を聞いたときに、「え、なんで湘南?」と思いました。
チームのイメージもまったくなかったし、監督になる曺さんのことも当然知らなかった。
でも、もう1回イチから勝負したい、チーム内の競争を勝ち抜いて試合に出たほうが成長できると思い、湘南への移籍を決めました。

湘南に加入して、いまでも忘れられないのが2012年の開幕戦のときのことです。
相手は2011年の天皇杯で準優勝した京都で、当時強化部長だった大倉(智)さんが試合前に、「うちが勝つなんて誰も思ってない。でもおまえらはやれる」と言ってくれて、実際勝つことができた。
試合もすごく楽しくて、湘南に来てよかったなって、ほんとに思いました。
クラブの規模はまだ小さかったけど、部活みたいに一生懸命みんなで切磋琢磨し、1年間戦って、J1に昇格することができた。
すごく充実したシーズンでした。

そういう、ひととの出会いとか、タイミングのおかげでいまがあると思っています。
自分に実力があってここまでやれているとは微塵も思っていないので、だからもし人生を最初からもう1回やったら、たぶん19年も現役をやれていないだろうなと思います。

「試合に出て勝つ」~My“ALL IN”~

今季はまだリーグ戦に出場できていません。
試合に出ればやれる自信はあるから、まずはその土俵に立つために、徹さん(長澤監督)が求めることをもっとやらなければいけないと思っています。

同い年のオックン(奥埜博亮)が大事なポイントでしっかり活躍するのはさすがだなと思います。
僕もここ数年は、出番が回ってきたタイミングで勝ったり、そうやって生き残ってきた自負もあるから、その機会を虎視眈々と狙っています。

J1の試合を見ると、すごく華やかだし、ほんとに素敵な恵まれた環境でサッカーをやらせてもらっていたんだなって、あらためて思います。

これまでいろんなひとたちが頑張ってくれて、J1に残ってきた湘南を去年J2に落としてしまいました。
俺はこのクラブに長くいるので、ほかのひとより危機感がある。
だからJ1に行きたいという想いしかないし、J1に上がるために、自分が試合に出て勝つ、それしかない。
選手である以上、試合に出ることを目標にしないと終わってしまうと思うし、競争に挑まなければダメだと思う。
クラブに長く在籍しているぶん、たしかにやれることはほかの選手よりあると思うけど、まずはいち選手として試合に出たいし、活躍したいし、勝ちたい。
つねにそう思っています。