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【ボイス】「サストレジャパン」プロジェクト立ち上げ記者会見

サストレジャパンプロジェクト立ち上げ記者会見1

2026年5月16日(土)、レモンガススタジアム平塚にて、「サストレジャパンプロジェクト立ち上げ記者会見」を開催しました。湘南ベルマーレ、茅ヶ崎市教育委員会、株式会社shikakeruの3者が登壇し、サステナトレセンのこれまでの取り組みと成果、そして全国展開に向けたサストレジャパンプロジェクトへの参画についてご報告しました。

会見に先立ち、湘南ベルマーレが茅ヶ崎で過去2年取り組んできた「サステナトレセン」の動画を上映しました。

湘南ベルマーレ 代表取締役社長 雲出哲也 挨拶

雲出哲也社長 挨拶

皆さんこんにちは。動画をご覧いただいて、どんな感想をお持ちいただいたでしょうか。学生さんもたくさんいらっしゃると思いますが、みんなの笑顔が印象的ではないでしょうか。ベルマーレのスローガン「たのしめてるか。」は、名刺やユニフォームにも刻まれている、非常に大切にしている言葉です。ひらがなで書いた、本当に優しい言葉ですが、クラブの存在価値や積み上げていきたいものが,このワードに込められています。

もちろん今日も勝利を目指して、J1復帰を目指して、チームは一生懸命戦いますし、そのために私たちもやっています。しかし、試合がある日というのは、1年間365日あるうちのたった50日ほどしかありません。試合のない約300日には、私たちはこの湘南地域にできるだけ貢献したい、スポーツを通じてお役に立てるような活動をしていきたいと思い、取り組んでいます。

約2年前から、本日ご一緒に会見をさせていただいている茅ヶ崎市さん、shikakeruさんとの出会いがあって、この楽しい笑顔が増える事業を推進することができるようになりました。今日はその事業について、ご紹介とさらなる展望を皆さんにお話しできればと思います。よろしくお願いいたします。

株式会社湘南ベルマーレ ブランド&メディア部長 風村ひかる

風村ひかる部長 報告

このプロジェクトに2024年度から2年間、そして2026年度も引き続き関わる担当者として、これまでの成果——主に2025年度についてになりますが——ご紹介いたします。まず、サステナトレセンについてです。まだご存じない方も多いと思いますので、プロジェクト自体のご説明からさせていただきます。

「サステナトレセン」は「トレセン」という言葉が入っているように、サッカーから派生したプログラムです。トレセン活動の最上位に位置するのが、昨日発表された日本代表ですが、遠藤航選手のような人材をサステナ界においても日本から輩出していくことを目的としています。サッカーのトレセンでは、例えば茅ヶ崎FAや藤沢FAといった地域の選手たちが湘南トレセンへ、そして神奈川トレセンへ、さらに日本代表へと進んでいきます。サステナトレセンもそのような仕組みを目指した取り組みです。

サステナビリティは非常に幅広い概念で、人権問題も環境問題もサステナビリティです。これらをまとめて考えるうえで、どのような「問い」を設定するかが、このサストレの核心になっています。その問いとして設定しているのが、「みんながこの街に住み続けたくなる○○って何?」というものです。道路の舗装が傷んでいるというような身近な問題、あるいはお店や海、スタジアムなど、さまざまなテーマでこの問いを立てながら進めています。

プロジェクトは4つのステップを通じて、学びを深め、実践へとつなげていく構成になっています。対象は小学4年生から6年生ですが、中心は5年生です。地域学習からサステナビリティの学習へとステップアップするタイミングに合わせ、まず私たちから湘南地域を中心としたサステナビリティの好事例をインプットします。それを子どもたち自身が噛み砕いて、「こんな楽しいことでサステナビリティをよくしたい」というアイデアを考えるのが、2つ目の「えがく」ステップです。各自が描いたアイデアを持ち寄り、ブラッシュアップしていきます。そこにベルマーレのスポンサー企業の皆さんにも加わっていただき、「これは今できる、これはまだできないがいずれできるかもしれない」といった対話を経て、アイデアをさらに磨いていきます。最後に、そのアイデアを実践してみます。実際にやってみると、できなかったことやもっとこうしたいという気づきがたくさん生まれますので、それを学びとして最終発表会に持っていく、という形で1年間が終わります。

2025年度は、茅ヶ崎市立の浜須賀小学校と松浪小学校——どちらもマンモス校ですが——の合計9クラスで活動しました。スポンサー企業の皆さんを中心に、多くの方々にご参加いただきました。

4つのステップの活動の様子を写真でご紹介します。最初の「まなぶ」ステップでは、子どもたちがタブレットを使いながら自分たちで学んでいます。「えがく」ステップでは、学んだことをもとにやってみたいアイデアをシートに書き出し、互いに発表してフィードバックを交わしながらアイデアを深めていきます。「まざる」ステップでは、大人の方々に加わっていただき、思いついたことをデモする形で進めます。そして「うごく」ステップでは、ゴミの分別ゲームを作ったり、自分たちでビーチクリーンを実施したりと、アイデアを実際のアクションに移しました。

発表会は茅ヶ崎市民文化会館の大ホールに保護者の皆さんをお招きして開催しました。市長への提言が飛び出すなど、非常に盛り上がりました。9クラスからさまざまなアイデアが生まれましたが、2クラスをご紹介します。松浪小学校は茅ヶ崎市の農産物・小松菜のフードロス課題に取り組み、「こまつなみおにぎり」を開発して給食に提供しました。浜須賀小学校の5年4組は、地域に公衆トイレが少ないという課題に着目し、プロトタイプを制作しました。最後には修了書をお渡しして終了となりました。

学校内にとどまらず、アイデアはさらに広がっています。松浪小学校の5年生は、他の学年にも自分たちのサステナビリティのアイデアを伝えたいと、保護者を含む約1,000名が集まるイベントを自ら主催しました。アレルギー対策に取り組んだチームは、地産の小松菜を使ったメニューを茅ヶ崎のなんどき牧場さんに実現してもらい、スタジアムでも提供しました。また、ビーチクリーンをベルマーレと連携してイベント化し、ファンの皆さんにも参加を呼びかけたチームもありました。

最後に、この活動の社会的価値について、オフィシャルクラブパートナーであるコンサルティング会社のKPMGさんに算出していただきました。投資した金額に対してどれだけの社会的インパクトがあったかを金額として示すもので、子どもたちのアンケートでは「これからもサステナビリティに関わりたい」という非常に前向きな回答が多く得られました。将来的なインパクトも含め、この活動には3,000万円分の社会的インパクトがあると算出していただいています。算出のロジックの詳細は配布資料に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。私からの報告は以上でございます。

茅ヶ崎市教育委員会 教育長 青柳和富氏

青柳和富教育長 挨拶

皆様、こんにちは。よろしくお願いいたします。着座のまま失礼いたします。ご紹介いただきましたように、私はもともと教員出身です。浜須賀小学校に校長として着任した際に、サステナトレセンが手挙げ方式で実施校を募っており、19校のうち2校を選ぶというものでした。そこで、私の学校の教職員がぜひやりたいと手を挙げてくれました。2年目も同様に手を挙げてくれました。その後、昨年10月1日付で教育委員会に着任しましたので、以降は茅ヶ崎市全体として関わっているところです。

最初は「サステナブル」というと、子どもたちがどうしても「環境問題」のイメージに引っ張られてしまいがちですが、「住み続けたい街」というテーマを繰り返し提示する中で、徐々にそちらへと意識を向けていきました。

1年目の実践で特に印象に残っているのは、アレルギーのある子が「みんなと一緒に食事の時間を楽しみたい」という思いから、米粉クッキーを作ることに挑戦したことです。また別のグループは「食べられるお皿」を作りたいと、ライスペーパーと海苔を使ってお皿の形を作り上げました。「校長先生、できました」とペラペラとした皿を持ってきて、「食べてください」と言うので、「みんな食べたの?」と聞くと「まだです」というので、「じゃあ4つに切ってみんなで食べよう」と。そんな楽しい思い出があります。

取り組みが広がるにつれ、不揃い野菜を使った給食や、キッチンカーのカレーショップさんとの連携販売なども実現しました。

2年目は取り組みがさらに細分化・深化しました。松浪小学校と小松菜——校名と食材の名前が似ていますね——のチームは、「こまつなみおにぎり」を地域の店舗で商品化し、給食でも提供されました。全校集会で他の学年に向けて発表するという取り組みも生まれました。この春のキッチンカーでは「ジャガポンボール」が登場しましたが、米粉をまぶして米油で揚げているため、アレルギーのある子もみんな食べられます。1年目のクッキーで実現できなかった「みんなが食べられるもの」が、2年目に形になったわけで、サステナの取り組みが時間をかけてつながっていくのがとても嬉しかった点です。

どれも選りすぐりのアイデアというわけではありませんが、5年生なりに考えた「住みやすい街」「住み続けたい街」というテーマが、ここにリアルな形であらわれています。

2年目に特によかったのは、エシカル協会さんに参加していただいたことです。企業さんとは違った視点で、「これを目指す」という方向性を示すだけでなく、子どもたちと一緒に試行錯誤しながら、子どもたちの思考を後押ししてくださいました。子どもたちとの心理的距離が非常に近く、子どもたちの発想と大人の視点がうまくかみ合ったことで、子どもたちの主体性が大きく引き出されました。

その結果、2年目の発表会では「失敗しない取り組みではなく、失敗を生かした取り組みをしていく——トライ&エラー」という言葉が子どもたちから自然に出てきました。どの発表会でも、子どもたちが自分の言葉で語っていたことが印象的でした。サステナトレセンの授業が終わった後も、「サステナプレイヤー」として街に出ていきたいという姿勢が子どもたちに根付いています。

なお、2年目の発表会に市長が出席した際、「給食の牛乳が余って困っています。市長さん、牛乳ではなくもっとおいしいものを給食に出してほしいです」という発言があり、会場が和やかな笑いに包まれる場面もありました。子どもらしいなと思いました。

この取り組みを通じて、私が捉えた大きな成果が2つあります。1点目は、子どもたちが「社会の役に立っている」という実感を持てたことです。現行の学習指導要領では、「より良い学校教育を通じてより良い社会を作る」という理念のもと、子どもたちが自分の力で人生や社会をより良くできると実感できる学びのあり方を追求しています。このサステナトレセンはまさにその理念に合致するものであり、発表会という形で子どもたちの学びを社会に向けて発信できる出口が用意されている点も、非常に効果的だと思います。

2点目は、子どもたちが「自分たちでも社会に参加できる」という社会参加意識——いわゆるシチズンシップ——を持てたことです。シチズンシップは、社会の一員として他の方と協働して社会変革や社会に参加をしていく権利を享受するだけじゃなくて、社会の一員としての義務と責任を担うことでもあります。発表を終えた子どもたちが「言うのは簡単だけど、やるのは本当に大変」と感じてくれたことは、とても大切な気づきだったと思っています。

子どもたちの社会参画を支えてくれるこの取り組みに心より感謝するとともに、子どもたちが自ら答えを導いていけるような活動に、これからも伴走していただけると大変ありがたく思っております。

株式会社shikakeru 代表取締役 上井雄太氏

上井雄太氏 挨拶

皆さん、初めまして。上井と申します。よろしくお願いいたします。簡単に自己紹介をしますと、2018年——8年前——からJリーグと社会連携プロジェクトをずっと一緒に進めてきました。そのご縁で湘南ベルマーレさんとも、ピッチの外での地域活動をご一緒させていただいています。3年前にshikakeruという会社を立ち上げました。スポーツの持つ力を生かして、みんなで「共創アクション」——地域をよくするアクションを仕掛けていこうという会社です。「共創」×「スポーツ」×「仕掛け」によって、地域を良くする「イノベーション」を起こしていく、そんな会社を経営しております。

2年前にベルマーレさんと茅ヶ崎さんとの間で始まったサステナトレセンが、今や全国の他クラブから「うちもやりたい」という声が上がり、現在5クラブに広がっています。今回「サステナトレセンジャパンプロジェクト」として、湘南から始まった活動がいよいよ日本全体へと展開されます。

この活動は全国に広がりを見せており、2030年のSDGs達成目標年に合わせて、年間1万人の子どもたちがこの取り組みに参加することを目指しています。

また、「子どもたちの姿がすごい、大人ももっと学びたい」という声を受け、大人向けのサステナトレセンも始まりました。オンラインの研修プログラムとして展開しています。今年は全国に広がりますので、来年2月には全国大会の開催も予定しています。茅ヶ崎の子どもたちが全国の晴れ舞台に立つことも目指していきたいと思います。

サストレジャパンプロジェクト 新ロゴ

最後に、サストレジャパンプロジェクトの新しいロゴをご紹介します。サッカーボールと地球を組み合わせたデザインで、サステナビリティ——持続可能——という意味とともに、この輪を全国・世界へと無限に広げていきたいという思いを込めた無限大のマークになっています。星の数は子どもたちの数を、星の色は現在サストレに参加してくださっているクラブのメインカラーを表しており、ど真ん中にベルマーレさんのカラーを置いています。この輪がどんどん広がるよう、引き続き湘南ベルマーレさん、茅ヶ崎さんと一緒に取り組んでまいります。なお、他の地域では大学生が企画運営側として参画するという動きも出てきており、大学との連携も今後進めていければと考えています。ご清聴ありがとうございました。

湘南ベルマーレ 代表取締役社長 雲出哲也

雲出哲也社長 総括

本日はご参加いただきありがとうございました。「サステナブル」という言葉は非常に難しく、何をすればよいのか分かりにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、まず自分にできることから、家族や学校、身の回りのさまざまな場面で少しずつ積み上げていき、持続可能な世界を「自分ごと」として考えるきっかけを作ることが、私たちの使命だと思っています。

2年前にスタートした取り組みが「ジャパン」へと広がり、これほどの展開になったことを大変嬉しく思います。この出発点に湘南がいるということは、クラブとして大きな誇りです。ベルマーレはもともと、新しいことに積極的にチャレンジするクラブだと自負しています。育成型クラブとして、地域の子どもたちを育て、地域から世界へ羽ばたく選手を生み出すことに価値を置いて活動してきました。昨日、ベルマーレ出身の選手が2人、日本代表に選ばれましたが、この活動を通じて,湘南からさらに未来へ羽ばたく選手が続いていくと、本当に嬉しく思います。ぜひ皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

関連情報

「サストレジャパンプロジェクト」とは、サッカークラブをハブに「企業・地域・教育」が連携し、次世代の「サステナプレイヤー(持続可能な地域社会の創り手)」を育成する「サストレ」を全国展開していくプロジェクトです。2030年までに「年間10,000人のサステナプレイヤー創出」を掲げ、子どもたちと大人が共に地域と未来を本気で考える「当事者」へと変わる社会の実現を目指します。

BELL-BEINGプロジェクトとは
BELL-BEINGプロジェクト ロードマップ

本プロジェクトでは、
・美しい海や自然を守る「環境」
・だれもが夢や目標を実現できる「教育」
・人生100年を輝かせる「健康」
・やさしく温かな社会をつくる「多様性・多文化交流」
・安全・安心をより身近にする「防災」
という“5つのマテリアリティ(重点領域)”と、 “9つのアウトカム指標”を策定いたしました。

満員のスタジアムにとどまらず、湘南の街や暮らしのなかで「ともに支え合い、課題を乗り越え、輪になって勝利のダンスを踊る」そんな未来をめざし、湘南ベルマーレはこの取り組みを地域、日本、そして世界へと広げてまいります。

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