試合情報

6月22日(土)FC東京戦「Bfesday」スペシャルOB対談 第1回

6月22日(土)ホーム FC東京戦は、肉とビールをテーマにした「Bfesday」として開催。
この対戦を盛り上げるべく、OBによる熱き前哨戦?!湘南ベルマーレOB 菊池大介、FC東京OB 石川直宏さんによる対談を全3回に渡ってお送りします。
現役時代の話からお互いのサポーターの話、フードパークやビールの話まで盛りだくさん。当日が楽しみになること間違いなしです!

第1回 対戦の記憶と現在の仕事、浮かび上がる2人の共通点

──現役時代、対戦した際のお互いの記憶はありますか?

石川 もちろんあります。僕は2017年をもって引退しましたが、最後のほうは怪我で離脱していたので、湘南と最後に試合をしたのはたぶん2015年じゃないかな。夏場に怪我をするまえに湘南のホームで対戦したんですよ。ヨッチ(武藤嘉紀)が決めて、1-0でうちが勝ったんですけど。

菊池 ああ、ありましたね!

石川 あのとき、同じサイドでバチバチにやったのを覚えてます。かなり気合い入ってる選手がいるなって(笑)。

菊池 すいません(笑)。

石川 でもほんとに、湘南のDNAというかプライドをいちばんピッチで感じたんですよ。爽やかな顔なのに闘志むき出しでいいなって。

菊池 僕は横浜生まれなので、石川さんがマリノスにいらした頃から見ていました。キュンキュンのドリブルが印象的で、速いし、キレキレだし。僕もドリブルでリズムをつくっていくタイプだったので、マネするのは難しいんですけど、すごいなって思っていました。

石川 2015年のあの試合はよく覚えていて、とくに最後1-0で勝っている状況で、うちは時間をつくりたいからサイドでキープするんだけど……。

菊池 いやあ、ありましたね。

石川 覚えてる?

菊池 武藤くんですよね。

石川 そう、相手が2,3人来てるのにガツっとキープして。

菊池 コーナーフラッグのところですよね。武藤くんがキープしているときに、僕と(菊地)俊介が2人でガっと行ったんだけど取れなくて。あのとき武藤くん無双状態だったから、そのシーンの写真がいろんなところで取り上げられて、すごく恥ずかしかったです。2人で行ってるのに取れてないみたいな(笑)。

石川 そう、あれはすごかった。ムキムキだった気がする。覚えてるよ。

菊池 懐かしいなあ。

石川 懐かしいね。

──サッカーを見るときは、アタッカーに目がいくものですか?

石川 やっぱりいちばん見ますね。最近で言うと、うちに俵積田(晃太)という選手がいて、すごいんですよ、ドリブルでキュンキュン仕掛けて。

菊池 いい選手ですよね。

石川 去年は悩んでいて、「ナオさん」って自分から聞きに来たので、ボールを受けるまえの動き出しで次の仕掛け方が変わってくるという話をしました。

菊池 石川さんのアドバイスがあったんですね。

石川 逆に聞きたいんだけど、いまの立場で、現場との距離感ってどんな感じ?

菊池 現場との繋がりは正直あまりないですね。だから石川さんのような経験豊富な方が選手にアドバイスできる環境はうらやましいと思いますし、そういう存在がベルマーレにも増えてくるといい。僕は強化の仕事にも興味があるので、それも視野に入れてチームを見るようにしています。

石川 素晴らしいですね。

──引退後もクラブに携わっているお2人ですが、現在どんなお仕事をされているのか教えてください。

石川 現役をやり切って次になにをしようかと考えたときに、僕はクラブの一体感をつくりたいという想いがいちばんに来たんですね。当時はチームの状況がよくなかったので、サッカーの現場とフロントの懸け橋になれるような仕事をしたいと、当時社長だった大金(直樹・現会長)に相談したところ、ぜひやってくれと言われ、「クラブコミュニケーター」として6年間務めました。
ゼロイチの状況から試行錯誤するなかで、ファン・サポーターの方々から、サッカーの応援だけでなく地域やクラブのためになることをしたいという声を聞きました。クラブのなかのマンパワーは限られているけど、FC東京のファミリーはたくさんいます。それならクラブのもとでコミュニティをつくり、さまざまなパワーを結集して、皆さんと一緒に地域社会の課題解決など新たなアクションを起こせないかと考えた。自分がその旗振り役として引っ張っていきたいという想いから、コミュニティを生成していくという意味を込めて、今年から「コミュニティジェネレーター」として活動しています。
僕は地域社会のほうをメインにしていて、事業系は羽生(直剛)がクラブナビゲーターとして取り組んでいますね。

菊池 すごいメンバーですね。

石川 いやいや(笑)。選手上がりはまだ少ないんですよ。大金会長も東京ガス時代に選手でしたけど、FC東京となってからは2人しかいないので。

菊池 うちはコバショー(古林将太)、島村(毅)、猪狩(佑貴)、中里(宏司)、吉野(智行)、あと社長の坂本(紘司)ですね。

石川 たくさんいるね。

菊池 けっこういますね。フロントの雰囲気はすごくいいです。僕自身はベルマーレのフットサルクラブで選手としてプレーしているので、基本的には毎朝練習があり、火木金は練習後にサッカーの営業、水曜がフットサルクラブのフロントスタッフの日、週末は自分の試合と、ベルマーレのホームゲームがあればその手伝いをしています。昨年はスクールのコーチもやらせていただきました。
やることは多いですが、クラブの将来のためにポジティブに関わっていきたいという想いがあるので、前向きにチャレンジできている。なによりベルマーレが好きという気持ちが根本にあるので、やりがいを感じています。フットサルも営業も覚えることがたくさんあるので、全部いちから教わり、すべてが新鮮で、自分にとってプラスでしかない。いまは選手のとき以上に「生きてるな」と実感しています。

──お2人に共通しているのはクラブ愛だと感じます。

石川 そうですね。僕はマリノスで約3年間、FC東京で15年余りプレーしました。出身はトリコロールですけど、いまは青赤に染まっているので、ほかの選手とは違う愛情をFC東京に対して持っていると思います。ただ、選手みんなに僕と同じ愛情を持ってもらいたいと思っているわけではありません。サッカー選手として生きていくうえで、よりよい評価を受けた場所でプレーするのは当然だと思う。ただ、うちに来てくれて仮に1年で離れたとしても、あるいはうちの育成出身でプロにはなれなかったとしても、心のどこかに「FC東京があったおかげで」という想いを持った選手が増えていけば、それがクラブの価値になる。ファン・サポーターも含めて、FC東京というクラブを通して得た経験が人生に活かされているひとたちが世の中に増えてほしいし、僕はその価値を高めていくきっかけをつくっていきたいと思っています。

菊池 僕はユースからこのクラブにお世話になっていて、理由は分からないですけど、とにかくベルマーレと湘南の街が好きなんですよ。移籍したときも、最後はベルマーレに帰って来て、ここで引退してクラブのためになにかしたいという想いでずっとプレーしていた。選手として戻ってくることは叶わなかったですけど、今後の人生を考えたときに、ベルマーレのためにできること、誰もしたことのないチャレンジをしたいと思い、いろんな方の協力を得て、いまの形でやらせていただけるようになりました。僕も石川さんと同じくクラブをよりよくしたいし、大きくしていきたい。その想いはひとより多いかなと思っています。

取材・文 隈元大吾

スペシャルOB対談 第2回はこちら

菊池大介

神奈川県出身。
2007シーズン 湘南ベルマーレユースからトップチームに昇格。その後 ザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)への期限付き移籍を経ながら、2016シーズンまで湘南ベルマーレに在籍。
2023シーズンにフットサルプレーヤーに転向し、湘南ベルマーレフットサルクラブへ移籍加入。現役フットサルプレーヤーとしてFリーグでのプレーを続けながら、営業部フロントスタッフとして「サポートコーポレーション」の営業を中心に日々活動している。

石川直宏

神奈川県出身。
2000シーズン 横浜F・マリノスユースからトップチームに昇格。その後 期限付き移籍期間を経てFC東京に完全移籍加入、2017シーズンまで在籍し、引退。
2018シーズンからは「FC東京クラブコミュニケーター」としてFC東京に関わるあらゆる方々とコミュニケーションを図り、クラブの発展のためにサポートする役割を担った。2024シーズンからは「コミュニティジェネレーター」としてそれまでに培った経験を活かし、地域社会のコミュニティ全体の成長をサポートすべく活動している。

取材協力:
渋谷ストリームホテル Bar TORRENT
東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム4F