馬入日記

【馬入日記:9月5日】復帰戦で劇的ゴールを演出。山田直輝選手インタビュー

ホームで行われた熱き神奈川ダービー・川崎フロンターレとの一戦は、先制を許すも53分の町野選手のゴールと終了間際の阿部選手のゴールにより2-1で逆転勝利を果たしました。
サポーターの皆さんも含め、90分を通して一体感のある戦い。スタジアムは素晴らしい雰囲気でした。

この日、およそ3カ月ぶりのピッチに立ち、決勝点となる阿部選手のゴールをアシストした山田直輝選手に話を聞きました。

「久しぶりにメンバーに入って、バスでスタジアムに入る時や、アップの時にサポーターのところに挨拶に行く時の雰囲気はやっぱりいいなと感じました。期待してるという声をたくさんもらっていたので、しっかり結果で表現したいなと思っていました」

62分、交代出場でピッチに足を踏み入れた時には、スタンドからは鳥肌が立つような大きな拍手。アグレッシブに戦った平岡選手への労いと、待っていた湘南の10番への大きなエールでした。

「交代で入る時に智さん(山口監督)が引き分けでいいという感じではなくて、得点がほしいと僕に言ってくれたので、それはもう勝ちに行くんだということだと強く思えて、その気持ちに乗っかりました。首位相手でしたけど、それでも智さんは勝ちたいとう気持ちを僕に伝えてくれたのでやりやすかった。もし“やられないようにしてくれ”と言われていたらちょっと難しかったかもしれないけど、勝ちたいという気持ちを伝えてくれたので。そして、自分の特徴を分かってくれて、しっかりゲームを落ち着かせてほしいということも言われて、自分のプレーを出せればできることだなと思ったので、迷うことなく試合に入ることができました」

その復帰戦で、大仕事をしました。決勝点のシーンを細かく振り返ってもらいました。

「大暉(杉岡選手)が持った時、まずセンターバック間が空いていたので、そこに一発で裏にもらえればシュートまでいけるなと思って動き出して、でもそのタイミングが少しずれたので、今度は相手の山村選手の背後が空いてたので、そこに動き出しました。大暉は僕じゃなくて阿部ちゃんにパスを出したって言ってたけど、そこで阿部ちゃんが僕の動きを見てくれていてスルーしてくれた。そのあとはまず最初に左足でシュートを打とうと思ったんです。でも距離と角度的に確率が低いなと思って、中を見た時に昌生(池田選手)が走ってるのが見えてそこに出すということも一瞬考えたんですけど、左足だったしちょっとずれたら難しかったので、それよりは自分で打ったほうが確率が高いと思って自分で打とうとした時に阿部ちゃんが走ってきたのが見えた。これは自分で打つより阿部ちゃんにパスを出したほうがゴールの確率が高いなと思ったので出しました。そこの選択を正確にできたことがあの得点に繋がったと思います」

短い時間の中でこれだけのことを瞬間瞬間で考え、判断し、あのゴールが生まれているということです。(このコメントを踏まえてぜひDAZNで振り返り視聴していただくと面白いと思います!)

阿部選手とのコンビネーションはゴールシーンに関わらずワクワクするものがありました。

「練習試合でも阿部ちゃんと出ることが多くて、その時から話し合って、いいコンビネーションでできていました。見る方は初めてやった試合で、という感じかもしれないけど、練習や練習試合の中で“合うな”ということは分かっていたので、やってきたことが発揮できたという感じです」

そして、ピッチの中で周囲に声を掛け続ける姿にも山田選手らしさを感じました。

「相手は中2日だったので、こっちも消耗はしてましたけど、相手のほうが疲れているので絶対に気持ちで負けるなということは常に周りに伝えていました。ちょっと疲れてラインを上げるのが遅くなっている選手には積極的に声をかけるようには意識しました」

そして次なる戦いがすぐに待っています。
明後日水曜日には日産スタジアムで横浜F・マリノスとの神奈川ダービーが再び。

「やっぱり受けにまわらないで湘南らしさを90分通して出して行くのが一番勝率が上がると思っているので、真っ向勝負が一番いいと思っています。目の前の試合でしか勝点をとることはできないので、どこのチームも目の前の試合にフォーカスしていると思いますけど、ベルマーレは1試合にフォーカスするのはもちろんですけど、その試合でも成長したいというその気持ちが他のチームより強いと思う。今シーズンあと8試合ですけど、8試合の中でもどんどん成長していきたいとみんなが思っているので、そういうところがベルマーレの良さだと思います」

そして自身も…「3カ月迷惑かけてしまったので、しっかり最後8試合は自分の力で、辛い時にチームを助けられる選手になりたいと思っています。自分の出番が来た時にチームを助けられる準備を常にしていきたいと思います」と。

これまで様々な経験を積み重ねてきた山田選手。
残り試合が少なくなってきたいま、残留争いについて聞かれることもありますが、チームの雰囲気をどんな風に見ているでしょうか。

「いつもと変わらず、常に目の前の試合に全力で挑んでいるので、全然ネガティブな雰囲気はないですし、上に上にという雰囲気でやれていると思います。僕は残留争いに関しては、これからよりもこれまでが大事だと思っていて、これまでにどれだけチームのやり方、コンセプト、選手がそのやり方にフォーカスして練習してこれたかが最後の際に出ると思っています。そういう面で湘南はどこにも負けてないと思うので、それを信じてやるだけかなと思います」

もっとも選手たちは、山田選手の言葉通り「上に」という気持ちで戦っています。
残り8試合に、そしてまずは目の前の1試合にすべてを傾けて。
横浜F・マリノス戦はベルマーレにとっては今季初めての「声出し応援適用試合」となります。
アウェイゲームですが、ぜひたくさんのご声援をよろしくお願いします!