ボイス

【ボイス:2020年10月30日】石原直樹選手

相手を上回るためにも
めざすはさらなるレベルアップ
 課題が先行するチームにおいて、それでも6得点を挙げている。とはいえ、満足できる状況ではない。

「得点はいいリズムで取れてきたので、継続していきたいなとは思います。あとはもうちょっとシュートを増やしていきたいのと、チャンスをもう少し作りたい」

 今シーズン、浮嶋監督が取り組んでいるのが攻撃面により厚みを加えること。これまで馴染んできたアグレッシブな守備とシームレスに切り替わる縦に速い攻撃を中心とした湘南スタイルをもう一段階レベルアップするべく指導が行われている。

「ハイプレスの部分など守備については元々の湘南スタイルと基本変わらない。ただ、守備に行くタイミングだったり、走る距離だったりは、昨年までとは少し変わったと思います。攻撃では、カウンター、勢いがあるのが湘南の良さのイメージだったけど、今年はプラス、ボールを保持する時間も大切にしている。そのために今年は僕だったり、何人かの経験のある選手が入って、ときによってボールをコントロールして、落ち着かせてという考えだと思います」

 思い描くものがあっても、サッカーは対戦相手があってのもの。しかも対戦相手もベルマーレに良さを出させないために研究している。超えなければならない壁は、自分たち自身と、対戦相手のブロックと、二重に張り巡らされている。

「勝つためにはさらにその上をいかなきゃいけない。だからもっと難しいんですよね。勝点を取れた試合は、修正点はあるけど、うまく行った部分もある。そうやって波だったり、ミスだったりを減らすことによってチームは安定していくのかなって思います」

 石原選手の得点は、ほとんどの場合、クロスを上げた選手、パスを出した選手にアシストがつく。つまり、技術の高さやセンスの良さはもちろんだが、それ以上に味方選手との呼吸の良さがあってこそのもの。同じ絵を描いたからこそ決められたゴールだ。こうして同じ絵を描く選手が増えることが今は目標だ。

「僕も答えを知っているわけではないので、どうなるかはわからないですけど、だんだん良くなっていっているという実感はあります。もちろん、さらに良くしていかないといけないという気持ちもあります」

 歩みは遅くても、確かな足跡をつけること。それがJ1を住処とするクラブの力となるはずだ。

>拍手に感じる心強い存在感 勝利にこだわって感謝を伝えたい