ボイス

【ボイス:2018年4月30日】杉岡 大暉選手

限界は置かない
与えられたポジションで結果を
 昨シーズンは3バックの左と1列前の左サイドハーフ、2つのポジションを行き来して担ったが、今シーズンはこれまでのところ左のサイドハーフを主戦場としている。

「試合で使ってもらえているのは積極的にやってることが評価されたのかなと思いますけど、ポジションを決めるのは曺さんなので任されたところをしっかりやろうということだけを思っています。自分は、日々上手くなるためにプレーしているので」

 成長のためには試合に出ることが一番であり、試合に出続けるためには与えられたポジションで結果を出すことが何より大切だ。一列上がればより攻撃に絡むことが求められる。

「後ろはミスが失点に繋がるポジションですが、守備をしっかりやりながらもチャレンジすることが求められます。一つ前は、ボールを失っていいということはないですけど、攻撃の回数が増えるのでより積極的にチャレンジしていくことが大事だなと思う。攻撃と守備の割合が変わりますね」

 力強い前への推進力は杉岡選手の特徴の一つ。加えて、昨シーズン後半からは縦への仕掛けのみならず、早いタイミングでクロスを上げたり、中央へ切り込んで行ったりと、自身の攻撃への関わり方を始め、チームとしてどう仕掛ていくかに変化を加えている。

「やっぱりやれることを増やした方が相手は嫌だと思うし、どれか一つでは今後はやっていけないと思うから。そこはすごく意識して練習はしています。周りを見ながら使い分けられれば」

 味方へのパスの種類も状況に応じて蹴り分ける。

「相手の位置とか味方の位置、スペースに蹴るのか、足元に蹴るのか。そういうことを時と場合によって意識してます。まだまだだとは思いますけど、ちょっとずつできてるのかなと思います」

 また、4月7日にホームで開催された第6節鹿島アントラーズ戦では、アクシデントによる采配ではあったが、後半からボランチにポジションを変えている。杉岡選手は、Jr.ユース年代を過ごしたFC東京のアカデミー時代に主にボランチを担っていた。高校時代にコンバートされてからはほとんど経験のないポジションだったが、ここで再び挑戦する機会を得た。

「僕自身、試合をやっていく中で自信を深めていくタイプなので、いきなり鹿島戦の舞台は、ちょっと自信はなかったのですが。でも曺さんが運動量を生かしてどんどんセカンドボールを拾ったり、相手の起点を潰しに行けとはっきりとした役割を与えてくれたのが良かった。結果的に守備の時間が多かったですけど、逆にやることがはっきりして良かったと思います」

 続く7節アウェイ開催の北海道コンサドーレ札幌戦もまたボランチで出場。その後、ホームに帰って戦った8節のサンフレッチェ広島戦では3バックの左サイドを担った。
 W杯イヤーである今シーズンは、5月半ばから長い中断期間が控えていることもあり、3月の最終週から中2日・中3日で試合が組まれ、タイトなスケジュールとなっている。選手にとってコンディションを維持するのは相当厳しい日程だ。こういうときこそ複数ポジションを担えるユーティリティーさは強みになる。

「どこのポジションでもできたら、それこそオリンピックも、森保(一U-21日本代表監督)さんにもそういうことは言われたので、有利になると思います。器用貧乏で終わりたくないという気持ちもありますが、できるに越したことはないので、自分に限界を置かないで何事にもチャレンジしていきたいと思います」

 複数ポジションをこなすことで広がる自分自身の幅。それがまた未来の選択肢を増やすことにつながっている。だからこそ今できるのは、与えられた役割を精一杯果たすこと。今日の頑張りが明日の道を拓くことを信じている。

>新たなチャレンジを重ねてチームとしての深化を図る