監督・選手コメント

J2リーグ第20節 横浜FCvs湘南 試合後監督・選手コメント

監督コメント

曺監督 総括
曺監督

お疲れ様でした。
ミッドウィークに天皇杯を挟み、その中で我々のできるすべての準備をやってゲームに臨みました。横浜FCさんはここ最近3バックで戦っていたんですけれど、我々とのミスマッチを狙うというところもあったのか4-4-2のサイドを厚くしてサイドを崩してクロスという形は徹底されていましたし、球際とか空中戦も強かったので非常に苦しい試合でしたけれど、ただ我々の良さも存分に出たかなと思います。その中で2点目3点目を決められていれば内容的にあまり言うことがないのですが、イバ選手もしっかり抑えることができましたし、その中で、多少最後の試合の終わらせ方にバタバタしたところがありましたけれど、エネルギーが非常にピッチに出ていたと思います。それは横浜FCの選手も一緒だと思いますし、お互いに良さが出た、横浜のナイトゲームにふさわしい試合になったんじゃないかなと思います。
ピッチの中というのは、単純にひとつのボールを奪い合うサッカーという競技ですけれど、僕は今日も思ったんですが本当に人生そのものだと思います。大丈夫だと思って足を止めたら大丈夫じゃなかった、もうダメだと思ったらダメになる、でも諦めなければ何かが起こるというのは全部人生と同じだと思います。若くしてガンで亡くなった小林麻央さんを個人的に存じ上げていないのですけれど、生きたいと思って日々一生懸命暮らしている人でも病魔に襲われて亡くなってしまうというのがこの世の中の常だと思います。自分が頑張っていたから、自分が良くやっていたからずっと生きられるかどうかは誰もわからない。それは我々はサッカーというボールゲームを通じて何か世の中に、観客の人に、観ている人にメッセージを送ることができる。彼女がそういうふうに自分の命をかけて世の中に表現されたことは全世界に伝わっていると思いますし、その足元にも及ばないものですけれども、自分たちはサッカーというものを通じて、湘南はどういうチームなのか、何をやりたいのかということを伝えないと何も起きないという話を選手たちにしたので、そういう意味ではオウンゴールというラッキーな点ではありましたけれど、そういうサッカーの神様が我々にエネルギーを宿してくれたのかなと思います。
次は前期最終戦で去年J1で戦った名古屋さんとの試合がありますし、その前に明日は練習試合があります。風間さん(風間八宏 名古屋監督)とは本当に試合ごとにいろんな話をさせてもらって、僕が言うのもおこがましいですけれど本当に特徴のある個性のある監督さんとの試合が控えているので、我々らしい試合をして、BMWスタジアムでまたみなさんと喜びあえるようにしたいと思います。

曺監督 質疑応答

- イバ選手に対する守り方、島村毅選手の起用含めをどう考えていたか?

島村どうこうというよりも、うちには試合になかなか出られていない30代の選手が何人かいる中で、10代で彼より試合に出ている選手、(神谷)優太とか(杉岡)大暉とか(石原)広教とか(齊藤)未月とか、今日で言えば(表原)玄太もそこに含まれるかもしれませんが、「お前たちは今日出たら、シマの年になる10年後に、あの時に出たことがその時に繋がるプレーをしなきゃダメだと。だからシマに関してはあれくらいはできると十分わかっていましたし彼はそれを証明してくれました。でも彼は今年スタメンは2試合目ですけれど、ずっといろんなものを抱えて、前の試合であれば坪井(慶介)が3バックの真ん中でも11kmくらい走れて、そういうところが若い選手はやっぱり側にいて学んで行かなければならないですし、チームとはそうでなければならない。シマ自身の評価をここですることはできませんが、彼のプレーに若い選手が触発されたというのは間違いないと思います。(秋野)央樹も今年から来ましたけれど魂のこもった見違えるようなプレーを見せてくれるようになりましたし、そういうのを観ていて本当に嬉しいです。

- 杉岡大暉選手をウイングバックで起用したが、彼の成長をどう感じているか?

U-20に選ばれていますけど、本当にその世代かというような表情をしていますし、そういうくらい吸収力は高いです。ひとつ間違いを犯した後に同じことを繰り返さないという。うちのアカデミー出身の選手はそういうところを結構2回も3回もやるようなところがあって…そういうところがあるのはすごく良いところだと思います。攻撃面では昔から良いものを持っていると思いますし、市立船橋で非常に良い指導を受けて来ている選手なので、スペースがあったら前に運ぶ、それもヘッドアップしながらパスもドリブルもできるような状況で運んでいけるので、高校3年の時点で良いものを身につけていたので、それがサイドなのか真ん中なのか、ボランチなんかもできるようになれば良い意味でのユーティリティプレーヤーになって、面白い選手になるかもしれないし、今はナショナルチームでもそういうことは求められていると思うので、そういうふうな選手に成長していってほしいと思います。

- 神奈川ダービー、お互いの良さが出た試合だと思うが試合の評価は?

まさにその通りだと思います。横浜FCさんも本当に正々堂々と言うか、負けないぞと言う気持ちで、2年前に比べても明らかにチーム力は上がっているなと思いました。そういうところも含めてやっていて面白い試合だったのは間違いないです。見ている人にとってもあっという間の90分だったんじゃないかと思います。ただ、得点を決められないのはいつものことなので…未月のシュートが入っていれば…彼の人生そのものですかね。

中田監督 総括

2位と3位の上位対決をホームの三ツ沢で、勝点3を狙って勝利を目指しましたけれども、実際は0-1で敗戦となりました。今日は雨の予報でしたけれども、多くのサポーターが湘南からも来て良い雰囲気の中で我々も戦わせていただけたのは本当にありがたいと思います。ただ我々のサポーターに勝利を届けられなかったことに申し訳ないと思っています。
ゲームは今節よりシステムを4バックに変えて、我々が当初スタートからやっていたシステムで、もう一度基本的なところに立ち返ってやっていこうという感じで一度リフレッシュして臨みました。練習でも少しやりましたけど、選手はある程度順応してくれていたので、これは問題ないなと。イメチェンじゃないですけれど、今までやって来た流れを変えたいなと思い切ってシステムを変えて臨みました。
内容的には守備も選手はすごく理解してくれてすんなり順応してくれましたし、今日のゲームのポイントとして、プレスをかける、カバーをするというところはできていたのかなと。ただ攻撃のところで奪ったボールを本来ならゴール前まですんなり持って行きたかったんで受けれども、ちょっとミスがあったり、ちょっとして判断のぶれでパスワークが噛み合わなかったりということがあったので、そこは次に向けてしっかり修正していけば良いかなと思います。修正すべき場所とできているものが明確に出ているので、そこを次のゲームに向けて修正しながらやって行きたいです。

中田監督 質疑応答

- 湘南に対するという点で4バックで臨んだ狙いは?

毎回そうなんですが、湘南だから4バックで臨んだということはそんなにないです。ただいまの湘南さんの攻撃はある程度スピードダウンしてくるところがあるので、そこのところはブロックを作ってしっかりマークができると判断したので、絶対的に湘南だから4バックに切り替えて臨んだということはないです。

- 内容的には素晴らしかったと思うが評価は?

まずは負けた監督が何を言っても負け惜しみになってしまいますが、内容的には湘南の良いところ、昨年J1でやっていた球際のところ、判断の早さというのはしっかり出ていたと思いますし、我々もそれに対ししっかり守備網を敷いて、守備網というのはプレスをかけてワンサイドで追いかけようと。展開されるとやっぱりきついので、そこはできたんじゃないかと思います。良い試合をしたから『良かったね」ではこの世界は終われません。僕自身も今日のゲームに関しては選手に対しても評価できるところは多くあるので、これは続けて行きたいと思います。ただ、負けて良い試合だとは言えないので、そこは感じ取ってもらえればと思います。

- イバ選手のところをうまく抑えられたと感じているか、他に原因があったと考えているか?

両方あると思います。いまのイバ選手は得点ランク1位ですから、相手もそこにやってくるのはわかります。ただ僕がイバ選手に言っているのは抑えに来られるとは思うけれど規格外のパワーがあるのだからそれを大いに出しなさいと。それを周りでサポートしていくから、という話はしています。ただそうは言っても、本来の自分のプレーができないとイライラしてしまう部分がある。そこに「イライラしなくて良いよ」と、極端に言えば42試合あるわけで、今から言ってもまだ20試合あるわけだから、今日は湘南さんに止められたかもしれませんがそれ以上イバも力を出して来て入りるなと。そしてもうひとつはそこでのコンビネーション、もうちょっと近くにイバ選手の周りに2人、3人といてやれないと。どうしても我々はオーソドッスのクロスとか色々やっていますので、残り時間も10分以内になってサイドに人がよりすぎで中央でイバ選手しかいないという、そういうところは修正をして、もっとイバ選手の近くに選手を集めて、マークされればそれを引っ張る力も持っていますし、またどゴリ押しでいくりからも持っていますので、そこは彼の持ち味なので、また周りでサポートします。

- イバ選手の周囲に選手がいれば攻撃はもう少し変わったか?

そうですね、やはりイバ選手がいれてキープできたり、前を向いた時にはやはり相手はひきつけられる。相手が2人くらいかかった時にというのは考えていました。それも考えてやっているんですけれど、まだ成功した場面が少ないので、他の選手も本当にそれで良いかという不安はあるんだと思います。そこは来週のトレーニングからまた信頼してやっていこうと思います。

- チームが上位につける中、システムを変えていこうと思ったのはなぜか?

まずは3バックに変えたのがジェフ千葉戦、前半から後半に変えて千葉対策という形でやってそれがうまくはまって、そのあとの2試合を続けて4得点という、攻撃のイメージがすごく湧いたので、そこから形をとったのですが、少しずつの疲労と、メンバーが変わって来てそこのところの組み合わせが微妙にはズレていたのかなと思います。それがこの前に感じたことなので。あとはマンネリ化になってしまうとどうしても自分では100%を出していても実際には80%くらいに戻ってしまう。本当に上位対決ですし、やっぱりうちも切り替えなきゃいけないので、少しリフレッシュというか、戻るべきところはそこにあるぞと話しました。ただ戻ると言っても積み重ねて来たところの上を作っていく作業ですから、それを積み重ねようと。そこに今日はこうやるぞ、ということをプラスして、今日選手は割とすんなり受け入れてやってくれていたので、湘南さんの攻撃も、危ない場面はありましたけど、ボコボコにやられる場面はなかったですし、しっかり遅らすところは遅らせて、その辺は選手もまた次に積み重ねてくれるんじゃないかと思います。(3バックと4バックの併用は)もちろんできると思います。極端なこと言えば前半と後半で入れ替わっても選手はできると思います。今までは残り10分15分のところで点を取りに行くためにバタバタしながらやっていましたが、それは行き当たりばったりなところもある。そうではなくて、最初からそれを選手が感じ取ってやってくれれば、我々も優勝を目指していますし、J1に昇格したら常にそこに残ってやって行きたいと。だから単純に守って守ってカウンターのサッカーではいまのJ2からJ1に上がったチームは全部落ちていますから。それは私自身も前チームの徳島ヴォルティスの時も体感していますので、やっぱりいまのチームはそうじゃなくて、もっと力強くやれるように今はそういうやり方をとっています。

選手コメント

GK 1秋元 陽太
秋元 陽太

(イバ選手に対しては)ファールをせずにしっかり対応して、セカンドボールのところもしっかり反応できていたので本当に良かったと思います。ピンチらしいピンチも、ロングスローのところは少し危ない場面もありましたけれど、そこはまたしっかり修正をして、次まで1週間あるので名古屋戦に向けて良い準備ができればと思います。(1-0の試合が続いているが)そういう時期も大事だと思いますし、勝点を稼いでいくところではすごく大事な時間だと思う。ただ夏場に入ったら2点目3点目が必要になると思いますし、そこはチームとしても課題だと思います。意識高くやっていって、それをこの夏場で示せるようにやっていきたいと思います。(無失点が続いているが)あまり意識はしていないですけれど、ただ本当に毎試合毎試合みんなが必死に取り組んでいる結果が無失点につながっていると思います。

DF 36岡本 拓也
岡本 拓也

我慢の展開だったと思います。その中で良い時間帯に1点入って、そのあとも2点目取れていれば良かったですが、後半に入って前にいく、ゴールを狙う姿勢は最後まで出せたんじゃないかなと思います。取れるときに取らないときつくなってくると思いますし、最後押し込まれましたけど、後ろの人間としてはもう1点取らないとアクシデントで失点してしまうかもしれないし、今は後ろが集中して守れていますけど、追加点を狙っていく姿勢をしっかり点にすることがこれからは大事だと思います。イバ選手のところで起点を作られて、そこで時間を作られることはわかっていたので、そのあとのボールをしっかり処理しようと心がけていました。前半少し押し込まれたところがありましたけど、時間が経つにつれてみんな慣れていって、よく対処できていたんじゃないかと思います。

MF 5秋野 央樹
秋野 央樹

今日はたくさんのサポーターに来てもらって、みなさんの力があって、今日は難しい試合でしたけれど勝つことができたと思います。相手にボールを持たれる時間が長くて、耐える時間が長かったんですけれど、カウンターのチャンスを窺っていたので、そこで慌てず自分たちで崩れてスペースを与えてしまうんじゃなくて、しっかりカウンターを狙おうというのは随所に出ていたと思うので、それもやりつつ、自分たちがボールを持ったときに何ができるかだと思うので、そういうところをまた意識してやっていきたいと思います。

MF 13山根 視来
山根 視来

相手にやられた感じはすごく残っています。ボールを握られて圧力をかけられましたし、なかなか自分たちの時間を作ることができませんでした。そこでロングボールを放り込まれた時に自分がフリーなのにクリアしてしまったりとか、そこで自分がトラップして落ち着かせることができればみんなが攻撃する時間を作れたと思うので、今日は反省です。相手のシステムとがイメージと違ったりとか、マークの受け渡しとかで後手を踏んでしまうところがあったので、守備では正直、今回は無失点でしたけど満足いくものではないかなと思います。攻撃面は、自分の特徴として前に入っていくところがあるので、1試合の中で何回かはそこに入っていかないとと思っています。前半の得点はたまたまの部分もありましたし、後半もう少し押し込んで行かなきゃダメかなとも感じていたんで、少しギアを上げて入りました。

FW 9ジネイ
ジネイ

チームにできるだけ貢献したいと思っていましたし、今日のコンディションもすごく良かった。ただゴールを決められなかったというところが課題なので、今度はゴールを決めてチームに貢献したいと思っています。前半はすごく難しくて、やっぱり相手が前に大きなボールを入れて空中戦で戦ってくるチームだったので、そういった意味でもそこからなかなかボールを奪えなかったりだとかセカンドボールをなかなか拾えなかったりとかで、そこはすごく難しかったと思う。自分たちのボールになってもなかなかパスが繋がらなかったりとか、ゴール前に行く機会がなかなかなかったので、そう行った部分は非常に難しかったですし、自分なりにも色々考えて動いていたものの、相手の守備も堅いところがあって、空中戦でも負けてしまうところがあった。ただ後半になってこっちにもチャンスができてきて、そういったところをついていった結果がオウンゴールを生んだと思います。次の試合はこれまでの修正をして、良い結果をみなさんにお見せしたいですし、その目標に向けてなるべく早く達成できるようにしたいと思います。