監督・選手コメント

J1リーグ2ndステージ第17節 広島vs湘南 試合後監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
最終戦、遠い広島の地まで、いつもと変わらず本当にたくさんのサポーターに来ていただいて、負けたにもかかわらずいつも以上の声援を送ってくれた彼らには心の底から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
森保監督は同級生なのですが、選手の時も監督の時も、地道に素晴らしいチームを作っているなと感じたんですけど、要はフェアプレーで試合をやり切っていく姿勢も含めて、我々はまだまだ勉強しなければいけないなと感じていますし、彼には心の底からおめでとうという気持ちでいっぱいです。

我々はファーストステージ17試合、セカンドステージ17試合、その間にナビスコカップ、天皇杯がありましたが、ただの1回も、この試合は自分たちのやりたいことだけやって、相手にやられるのは仕方ないという言い方はしたことがなくて、勝つために全員がひとつの目的に向かって、チームとしてやろうとすることに向かって、歩み続けなければいけないという話はしたんですけど、今日も結果0-5で負けましたけど、結果的に全部悲観するような内容ではなかったと僕自身は思っています。
ただ、彼らのビルドアップのクオリティ、ゴール前の決定力の高さ、そこはやっぱり“個”に言及して解決するのではなくて、グループとかチームとかやれることを全部やった上で、ああいうところに追いついていかなければいけない。
選手も最近3連勝して、いけると思ってきたと思うんですけど、相手の優勝のかかったこういう場所で相手のクオリティを感じてもらって次に進んでもらいたいと思います。

最後、去年はJ2で勝って終わりましたけど、敗戦して、このような大敗を喫したことがチームとしてまた新しい一歩になると信じてやっていくしかないと思います。
選手、そして一緒に戦ってきたスタッフ含めて、監督として心の底から一年間お疲れ様と言ってあげたいと思います。

●曺監督 質疑応答
–湘南も素晴らしいコンセプトをお持ちだが、広島のコンセプトや今日、戦っての印象は?

得点を取るために自分たちの選手の特徴を活かして、こういうサッカーをするんだということが明確にあるチームだと思います。点を取られないために何をしなければいけないかということも明確にあると思っています。
それは我々のスタイルとは少し違うかもしれないですが、彼らのそういう、年月を経て培ってきた、選手が出たり入ったりしながらも脈々と流れる底力みたいなものは感じました。
広島のサポーターの熱さとか、期待値とか選手のサッカーに対する真摯な姿勢とか、それは2年前ももちろん感じたんですけど、そういったことをブレずにやり続けているチームだなということは、改めて印象に残りました。

–5失点となったが今日の試合の敗因とは?

立ち上がりに点を取られるまではそんなに悪い展開ではなくて、相手のストロングを抑えながら、自分たちでもボールを動かしてゴール前に迫っていこうという狙いはある程度できたと思います。その前に一度、征也(藤田)のクロスを薫(高山)がシュートロストみたいな感じになる決定機がありましたが、あそこで落ち着いてゴールに入れていればまた展開は変わったかもしれない。でも、サッカーに“たられば”は禁物なので。しっかりやってきたところでやられたところがありますし、ただそれは相手の質の高さも褒めなければいけないなという部分もあるので。
0-5で負けるより0-1で負けたほうがいいとは全然思っていないので、今日最終戦で、勝点1でも3でも持って帰ろうということでやったので、敗因というのは特に、探せばたくさんありますが。勝った時の、勝因というのもたくさんある中で、ひとつかふたつ、選手に伝えてきているので。
全部がダメだったから負けたのではなく、いいところもありながら、力が一歩二歩及ばなかったなと感じています。

–年間の順位は8位となったが、今季を通して感じたことは?

よく湘南がJ2からJ1に上がって、できるのかという話を折りにつけいろんなところから耳にしていましたが、我々だけがアグレッシブに戦っているのではないし、我々だけが走っているわけではなくて、サッカーというのは走ることがベースにある中で、お互いの攻守の戦いがあるスポーツだと思います。それを大きく見せたわけではないですし、ビビって穴にもぐってサッカーをやったわけでもない。そういう風にやった結果、年間順位が8位になったということだと思うので、そのことに対してよかったとも悪かったとも思っていないです。
例えばこれで降格が決まったとか、18位だったら全部がダメだったとは思わないですし、逆にもっと順位が上だったら全部がよかったかというと、そうではない。やっぱり我々は、ひとつひとつプロセスを踏んだうえでこの順位が最後にきたというのは、それが自分たちの力だと思いますし、その力を継続して、クラブとして全員で協力して上げていくということが必要なことじゃないかと強く思っています。

–上位のチームに対しての今後の課題は?

監督としては、我々に足りなくて彼らにあるものを学んでいくというだけですね。それは広島さんからもそうだし、他のチームからもそうだし、海外のチームからもそうです。もしかしたら、大学生、高校生のチームからもそうかもしれません。
常に我々は、謙虚に学び続けるという姿勢がないと、チームとして上に行けないと思っているので、今日出た課題を真摯に受け止めて学んでいく。逆に練習の中で、日々の中で学んでいってダメだなと思うことを改善することがチームにとって非常に大事だなと思っています。それは簡単なようですごく難しいことなんですね、実は。日々の中で向き合うというのは。その難しいことを地道にしっかりやっていくしかないと思います。

–準備の段階でいろいろなアプローチをしたと思うが、0-5という結果を受けて難しかったなと感じるか?

いや、それは特にないですね。優勝が懸かっている、お客さんもたくさん来る、広島さんが今季ナビスコとリーグ戦でどちらも勝点1で終わっているので、最後絶対に勝って終わろうという形でくることは分かっていたし、それに対して我々はビクついて懐に入っていかなかったわけではない。結果、0-5で負けたということがすべてで、そのプロセスとして最初に我々が相手をリスペクトしすぎてこの雰囲気にビビッてサッカーをやれなかったのであれば、もし仮に2-1で勝ったとしても私はそういう風に言わなければいけない。結果0-5で負けたことを、開始から最後の時間まで、我々らしい戦いができなかったとは思っていないです。こういう機会でやれた、選手たちの経験、目の前で優勝を決められたこと。非常に最後悔しい思いをして終わっていると思うので、そこをただ人のせいにするのではなくて、自分たちがやれることをやっていかなければいけないと思います。

●森保監督 総括
この試合は本当に難しい戦いでしたけど、ものにできて年間勝点1位と2ndステージ優勝を、我々の手でつかみ取れたことが良かったと思います。今日はエディオンスタジアム広島に入る前からサポーターの皆さんに雰囲気を作っていただき、選手が思い切ってプレーする環境を作っていただいたことで、勝利という結果がつかみ取れたと思っています。サポーターの皆さんに感謝したいと思います。
まだチャンピオンシップがあるので道半ばだと思っていますが、レギュラーシーズンの区切りということで、これまでわれわれを応援していただいたサポーターの皆さんに感謝したいと思っています。
試合の入りは少し硬いところもあったかもしれませんが、全体を通して選手は思い切ってプレーしてくれ、チームとしても連係、連動して、攻守にわたって我々らしいサッカーを展開してくれたと思います。今日の試合だけでなく、優勝争いをできるか、脱落してしまうかという節目の試合が何度かありましたが、選手は常にいい準備をして落ち着いて試合に臨んでくれました。もちろん相手があってのことですが、自分たちが何をしないといけないか、自分たちが力を出したか出さなかったか、というところに目を向けて最善の準備をしてくれ、プレッシャーの掛かった試合で力を発揮してくれた。選手は成長していると思います。

 【選手コメント】
●永木亮太
今日は一言で言って、完敗だと思います。自分たちの良さは出しましたけど、広島の選手は足元の技術はもちろんあるんですけど、最後のところの体の張り方だったり、パワーだったり、戦術などすべてにおいて、今日のゲームに関しては自分たちよりレベルの高いパフォーマンスを出していたと思います。
オープンな展開になって、相手はカウンターで仕留める力というのがあるので、そこでやられてしまった。
(一年を振り返って?)順位的には自分の目標としていた、一桁順位で終えられたので、一年間を通しての成績というのは悪くないと思います。また、自分もそうですけどチームのみ日々成長できていたと思いますし、この一年間すごくたくましくなっていったと思うので、シーズンを振り返ると本当にいい一年だったと思っています。

●菊池大介
気持ちは入っていたんですけど、プレーで示すことができなくて悔しいです。自分のいいところはまったく出せなかったし、対面する相手にもほぼ負けていた。最終戦がこういう結果というのがすごく不甲斐ないです。
(いい立ち上がりだったが?)点を入れられるまでは悪くなかったと思います。狙いとしてやれていたんですけど、失点をすることでいろんなところに穴ができて、個々で最後の部分で責任を持って決め切ったり守り切ったりということができなかったことが残念です。
(シュートの意識が高かったが?)練習でも調子がよかったですし、なんとかチームを助けたいと思ってプレーしたつもりだったんですけど、なかなか枠に飛ばなかったですし、力になれなくて悔しいです。
今日、大敗したにもかかわらず、多分今シーズン戦ってきた自分たちを評価してくれて、試合後にああいう拍手だったり、来年頑張ろうという声をかけてくれたことは本当に有難いと思ったし、そういう声援に応えなければと改めて感じています。

●菊地俊介
すべての精度は首位にいるチームだと感じたし、特にワンタッチプレーの精度は見習わなければいけない部分もたくさんあると一番感じました。今年対戦したなかでいちばん強かったなと感じました。
入りは悪くなかったですし、点を取られるまでは自分たちがボールを握る時間もあったと思います。
こういう経験を来年以降に活かさなければいけないですし、自分としてもチームとしても来年もっともっと成長した姿を見せられるように、これからまたしっかり課題に向き合ってやっていきたいと思います。

●三竿雄斗
1失点したあとにすぐ2失点目を取られてしまい、相手にリズムを持って行かれた。そんなに内容は悪くなかったし、失点した場面がもったいなかった。0-5というスコアだけ見たら完敗です。
(1失点目から2失点目が早かったが)いままでだったら1失点したあとでも落ち着いてやれてたし、崩れることもなかった。久しぶりに失点して中途半端になってすぐ2点目を取られたという感じなので、そこはすごくもったいなかったと思います。ただ相手の2点目のミドルシュートなどは、いままであそこから入ることはあまりなかったし、やはりこのチームは技術が高いと思いました。
(ハーフタイムは)最後だし、失うものは何もないし、自分たちのやらなければいけないことは何対何だろうがやるしかないと思っていたので、変わらず落ちることなく入れたと思いますが、4点目5点目を取られて、力の差はあったと思います。
(今季を振り返って)最初はけっこう苦しくて、セカンドステージになって少し自分らしさを出せたと思うんですけど、今日勝って4連勝で終わって、少しオフに気が緩んで来シーズンに臨むよりは、こうやってチャンピオンチームに0-5というスコアで完璧にやられて、来シーズンに向けてやっていくのとでは違うと思うし、まだまだ甘いというのを、サッカーの神様じゃないですけど、広島さんが教えてくれたかなと思います。やり残したことばかりなので、また来年に向けてやっていきたいと思います。

●高山薫
結果的に力の差があるとたぶん言われると思うんですけど、そう言われるのはすごく悔しいし、僕はそんなことはないと思っています。その意味では結果的には何も言えないので、来年しっかり広島に勝ってリベンジしたい。
(2失点目について)あのとき僕がコバショウ(古林)とポジションがかぶってしまい、それがなければ最後シュートを打たれなかったかもしれないと思ってるんですけど、攻めに行った結果そういうふうになってしまったので…。ただ失点はよくなかったなと思います。
後半が始まる時も、最後だし切れないでやろうと円陣のときにみんなで入ったんですけど、広島も点を取ってると全然上がってこないし、逆に僕らが攻めなければという感じで行って、取られると逆にカウンターを食らうというなかなか難しい展開だった。それでやられたというのがあるので、シュートで終わり切れなかったり、そういう場面があったから失点してしまった部分もあると思うので、そこは改善しなければいけないと思います。