監督・選手コメント

J2第12節 栃木vs湘南 試合後監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れさまでした。
今日は中2日の試合ということで、アウェイの水戸の激戦を制して戻ってきて、ほとんど2日間、ボールを使ったトレーニングをしない状態でゲームに臨みました。その休んだパワーをぜひ試合で使ってくれという話をしたんですけど。
今日、本当に最後まで応援してもらったサポーターとともに、前半は特に、少し戦術的なこととか、個人の集中力不足とかで、少し横着という言いかたが正しいか分からないですけども、少し我々らしくないようなプレーもありました。後半、ハーフタイムを挟んでからは、最後、シュートで終わって、ホイッスルが鳴ったと。
そういうふうなゲームにしたいと思ってたんですけど、しっかり後半の45分は戦いきってくれたんじゃないかと思います。

栃木さんが、ほんとに我々に対してずっとやってきた今シーズンの戦い方をそのままぶつけられたという印象があったんで、自分としては、栃木さんのそういうクリーンファイトにすごく苦しめられたなという印象がありました。
やっぱり、ああいうゲームになると、見てるお客さんは多分、すごく面白かったと思いますし、僕も指揮を執っていて、本当に栃木の選手も最後まで正々堂々と戦ってこられ、久しぶりに…久しぶりという言い方はおかしいですけど、ゲームの終わったあと、疲労感がすごくありました。
見ている人はどうだったでしょうか。面白い試合というか、スタンドの盛り上がりはけっこうあったんですけど、僕は本当に、喋るのもつらいなという、そんな気持ちです。

明日は休みにしましたけども、この連戦4試合、4回勝てたのは、選手たちの、今シーズンだけじゃなくて先シーズン、それからずっとやってきた彼らのサッカーに対するリスペクト感とかチームに対する帰属意識、そういうものを積み重ねてきたことで勝てたんだなと感じています。
ただそれは、本当に長年の歴史の中で、こういう風にたまたま今、勝ってるっていう状況が出ているだけだと思うので、この状況に満足せずに、次の熊本戦にまたリフレッシュして臨みたいと思います。

あとひとつ、つけ加えるとすれば、世の中的に連戦でやると選手を代えていくのかとかターンオーバーするのかとか、例えば連戦は省エネで戦わなきゃいけないのかとか、そういう風潮が日本のサッカー界の中にまだ僕はあると思っています。
スポーツ科学的に言うと、連戦というのは疲労感は強いと思います。
ただ、疲労感がある中での試合をしなければ、選手は多分成長しなくて、僕はとくにJ2のこのリーグで、1週間に2回試合をするとか、それこそ2週間で3回試合をするということは、どちらかと言うとそういうふうにしてもらいたいと思っているほうなんです。
なぜかというと、試合を重ねるごとに選手は成長していくものだと思っているので、その疲労感の中での試合がゲーム体力だったりとか判断だったりとか、疲れたときのプレーの質にこだわってくる。
それは本当に、手倉森さんが今リオ・オリンピックの監督されてますけど、そういうところに送り込む選手はタフじゃなきゃいけない。やっぱり代表チームで、いつもワールドカップが終わったあとに「タフさがなかった」みたいな分析がよくありますけど、それは現場の我々が、選手にタフになれということを求めない限り絶対に成立しないと思います。

そういう意味では、これは批判でもなんでもないんですけど、ノーマルフィジカルコンタクトがこの中であるということが、ファールなのかファールじゃないのか、僕にはよく分からないんですけども、いくつかノーマルフィジカルコンタクトで、正当なプレーで、僕の中では良いプレーだったのがファウルというのが2~3回ありました。
それこそ、チェアマンがみすぼらしいプレーというか、時間稼ぎだったり観客を欺くようなプレーをしないでくれという話がありましたが、そういうところで言うと、ビデオとかでも見て、ぜひ皆さんでも考えていただきたいなと思っています。

今日はドルトムントの話をして。ドルトムントは4月3日から17日間で6ゲームをやったんですね。チャンピオンズリーグとポカール、ブンデスリーガ。彼らはレアルに最初の試合負けて、そのあとの5試合を全部勝って5勝1敗で乗り切った。
今回、日本のJリーグの、J2の連戦というのは、15日間で5ゲーム。どっちがタフかどうかって分からないんですけども、そのうち8人がスターティングメンバー、5試合以上出ている。
だから、世の中、ヨーロッパの最先端、そういうリーグでは、ターンオーバーとか、疲労があるからというのは多分、そもそも存在しないと思うんですよね。ターンオーバーっていうのは、疲労を重ねてそれが怪我につながるとか、今、それこそ体の回復具合が間に合わなくて選手を代えるというのはあっても、ただ疲労しているから選手を代えるとか、そういうふうなことだけじゃ、さっきも言いましたけども、日本のサッカー界全体も強くなっていかないんじゃなと思っています。
今日、そういう話を選手たちにしました。ドルトムントの選手は平均年齢約27歳。僕たちは23歳台ですけども、4歳下回ってる我々がそれもできなければなんの未来もないという話を彼らにして、走力で絶対今日は上回れという話をして送り出しました。
90分+アディショナルの4分で、そういうところは後半見せられたかなと思っています。それがもう1 点、2点入れば一番よかったですけども、その部分は選手はよくやってくれたと思います。

●曹監督 質疑応答
–中川選手をスタートに起用し、ウェリントン選手を後半途中から起用したのはゲームプラン通り?

そうですね、プラン通りです。後半になると展開がたぶんオープンになると思っていたので、そこでウェリントンを出したほうがいいと思っていたし、寛斗(中川)は寛斗で悪くて代えたわけではまったくないので。寛斗は155cmしかないですが、悔しさも踏まえて、今季の始めも熱を出したり怪我をしたりしてうまく入れなかったんですけど、2年目の選手でいつも練習をしっかりやってくれていて、チームのためにということを最近できるようになってきたので、チャンスを与えなければいけないと思って使いました。寛斗自身には何の不満もないです。よくやってくれたと思っています。

–セットプレーを蹴る選手が増えたが、練習の成果だと思うが?

そうですね、今日は亮太(永木)が入れましたが、このまえは丸(丸山)が入れたり、三竿とか征也(藤田)とか、いいキッカーがいることはひとつストロングポイントになります。
ただ、いつも言いますが、なんとなくもらったセットプレーでは入らないと僕は思っているので、そのまえにどういう攻撃をしてコーナーやフリーキックを取ったかというのが大事なので、その積み重ねでいいところでファウルをもらえればチャンスは増えるでしょうし。
やはり相手陣内、ペナルティエリア付近で何か危険なプレーを起こしていくことが我々のスタイルなので、その意味ではこういう連戦のなかでのセットプレーの得点は非常にチームを助けたかなと思います

●阪倉監督 総括
ゴールデンウィーク最後の試合ということで、お客さんもたくさん入っている中で、完全なアウェイですが、いまJ2で結果も内容も出している湘南さんにどれぐらいできるかということを思いきってチャレンジしようということで臨みました。
そのなかでとくに立ち上がり、すこし相手をリスペクトし過ぎたというか、ちょっと腰の引けるようなプレーがあったのかなと。そういうなかで1失点してしまい、それでちょっと目が覚めた状況になって、そこからリズムは戻したが、でもやはり90分間を通して球際などの厳しさは湘南さんのほうが上だったのではないかと思っています。
そういうところの積み重ねがいまの我々との差なのかなと思っています。もちろん戦術的なことやそれ以外にも色々問題はあったんだと思いますが、まずサッカーのベースの差が大きくあったんじゃないかと。
結果は1-2ですが、もうすこしやられていてもおかしくなかったと思いますし、なかなかチャンスもつくれなかったというのが今日の試合だったのかなと思います。選手も心に何か思ったことがあると思うので、それを大事にして次の試合に備えていきたいと思います。

●阪倉監督 質疑応答
–試合前、正面から行くか斜めに行くかという話をしていたが、正面から行くことを選んだ理由は?

結果はどうなるにしても、いまの自分たちの力を試す意味では、今後の残りのリーグ戦に向けて、本当の課題が出るのではないかと思ったので、正面から行ってどうなるかというところをしっかりと見て、結果は別として次に進めて行くためには正面から行くほうがいいと思いました。

–球際以外に感じた湘南との差や課題は?

局面ごとに色々あるし、逆にこちらもいいところはあったと思いますが、いまの湘南さんが出来あがってきている背景というのは、この1、2試合、1、2年の話ではなく、何年も積み重なっていまのスタイルが出来あがってきているんだろうなと。
いま私たちのチームは、今季新しく僕自身が監督になって、まだ伝え切れていない年月の差といいますか、そういうものが大きく差になっているんじゃないかなと思っています。それは戦術というよりはもっと奥の底から出る何か、多分湘南さんは何かを感じていまのスタイルになっていると思うし、我々にはまだそういうところの歴史などが足りないのかなと。そういうところかなと思うので、細かい点というよりもサッカーの奥底の差なのかなと思います。

【選手コメント】
●藤田征也
(ゴールについて)結果を早く出したいという気持ちもありましたし、それをホームで決められて本当によかったと思います。
こぼれそうな感じはあったし、相手も全然ついてきていなかったので、振り抜いたらうまく入ってくれました。
ただ、早い時間に点がとれたことはよかったんですけど、その後、もう少し攻撃の部分でボールを動かしながらやれればよかったかなと思います。攻撃面では改善すべきところがあると感じています。なかなかいいリズムでできていなかったので、もう少し落ち着いてボールを動かせればもっとよかったのかなと思います。

●遠藤航
前半、いい時間帯で点がとれたんですけど、その後は少しボールを簡単になくしてしまうことが多かった。その後1点とられてしまったんですけど、あそこでしっかり締めて守らなければいけないと感じました。あの失点があったから、ゲームを難しくしてしまったかなと思います。
失点をするということより、失点の仕方が今日は悪かったかなと思います。J1やもっと上を目指していく中では、ボールを動かしながら簡単になくさないとか、そういうところをもっとやっていかなければいけないと思ってます。
後半は相手のバイタルエリアや中盤でスペースがあったので、そういうところをうまく突きながらプレーできていたと思うんですけど、ああいう形をもっと前半から作っていければと思います。
後半は相手の運動量も落ちたしラインも下がったところがあったのですぐあ、前半のもっとプレッシャーがある中でもできなければいけないのかなと思います。

●秋元陽太
相手の1本すごくいいシュートで1失点しましたけど、その後亮太(永木)がいい時間帯にとってくれて、チームもそこから引き締まりましたし、代わった選手もアグレッシブにやってくれたので、それがチームにいい影響を与えてくれたと思います。
(自身のプレーは?)最近クロスボールに対する意識というのが落ちていたので、本当に自分の中で意識してやっていました。ポジショニングなども意識していたので、その部分はよかったと思いますけど、まだ課題があるので、次の試合まで少し時間があるので、また自分と向き合っていきたいと思います。
まずこの連戦を勝ち切ったということは大きいし、チームが少しタフになったという印象を持っています。

●永木亮太
(フリーキックの得点について)いちばん自信がある人がだいたい最初に蹴りたいと言うので、あの場面では自分が最初に言って、ふたり(藤田、丸山)が譲ってくれました。
セットしてニアかファーかちょっと悩んだんですけど、ニアが空いていたのでチャンスはあるなと思って蹴りました。J1ではなかなかあそこでファウルをもらえなかったんですけど、今年はフリーキックのチャンスが訪れるようになり、蹴らせてもらっていたんですけど、ふかしてばかりいたので、丸(丸山)も2点決めてますし、そろそろ自分も決めたいと思っていたので、今日決められてよかったです。
(前半の攻撃について)栃木の中盤もすごく球際に激しく来ていたし、自分たちのところにも前からプレッシャーに来ていたので、なかなかスムーズに行かなかった。そこは反省ですが、大槻のシュートがバーに当たったところだったり、後半は相手が前がかりになってきたのでチャンスもたくさんありました。ただ、そういうところを決め切りたいという思いはあります。ここ最近、ひとつのパスミスやボールロストがちょっと多くなってきているのが気になっています。そういうところを自分も含めてみんなが少しずつ意識していけば無くなってくると思う。
いま連勝しているので、相手もうちの対策をして、気持ちを入れてディフェンスをしてくるのでなかなか難しいところはありますが、さらにその上を目指すためにそういうところは意識しながらやっていきたい。一昨年は連戦で勝ち続けられなかったので、そのときよりは成長していると思いますが、まだまだ自分たちはうまいチームではない。走れるようにはなってきているので、もう少しうまいチームになっていきたいと思います。
(連戦について)コンディションは問題ないですし、集中を切ることなく、今回は中4日あるので、ゆっくりケアして体調を整えてまたやっていきたいと思います。

●中川寛斗
久々にこのスタジアムで試合をしましたが、緊張は全然なく、今までの練習試合や練習と同じテンションで試合に入れました。
自分のところでタメはできたと思いますが、もっとゴールを意識したプレーが必要だったかなと思うし、ワンタッチしてリズムを変えられればよかった。
交代は曹さんの意図があると思っているので、下を向かないで、常に先があるのでそこを見ながら、ひたむきに謙虚にやってまたチャンスを掴み取れればと思います。
(シャドーの位置でのプレーだったが?)今年になってシャドーを多くやらせてもらっていて、シャドーはゴールに直結するプレーが大切なので、もっとボールを動かしたほうがいいとか、人と人の関わりの間に自分がいられるようにということを意識してピッチに入りました。リズムは悪くはなかったと思いますが、シュートを意識したプレーがもっと出せればよかったと思っています。
課題はつきものなので、日々の練習の中でも、それに早く気づいて今後に繋げていければと思っています。