ボイス

【ボイス:2018年5月31日】大野 和成選手

深化するサッカースタイル
新しい挑戦をここで
 曺貴裁監督が初めて指揮を執った2012年から2シーズン在籍し、そのサッカースタイルの確立を支えた選手の一人。ベルマーレへの復帰は5年ぶりとなるが、3バックの一角を埋める姿に違和感はない。

「縦に速くっていう大枠の部分は変わってない。ただそうは言っても、自分たちのスタイルを出して全部の試合が勝てるわけじゃない、相手によってはボールを持たれる時間も多く出てくるし、守るところは守らないといけないし。去年も湘南の試合を何試合か観ましたけど、粘り強さっていうのはすごくあると感じたので、基本的な部分に加えていろいろ臨機応変にやっていかなければならないと思ってます」

 加入にあたって、スタイルを経験していること自体が強みになるとは考えなかった。7シーズン目を迎えた曺監督のサッカーは深化し続け、相手チームの研究も進んで戦う環境は変わっているからだ。いかに自分の特徴を現在のベルマーレで生かして行くか、模索する日々が続く。

「選手が違えば特徴も違うし。以前と比べてどうこうという感覚は自分にはない。新しい気持ちで、1からと思ってきたんで。
 どこのチームでも、そのチームとしてやるサッカーがあって、選手はその中で自分の良さを出さないといけない。そういうところは、いろんな監督のもとでやってきて学んだ部分でもある。湘南には湘南のスタイル、サッカーがあって、その中でいかに自分の特徴を出すかだと思っている」

 ルーキーたちを含めて選手全員が横一線に並んでいることを自覚している。改めて大野選手自身のアピールポイントを聞いた。

「ディフェンダーなので、基本の1対1は負けない、そういう部分は大事だと思う。それプラス、湘南は走るチームなんで、走りつつ攻撃にも絡んでいかないと、と思う。それに、攻撃の精度をもっともっと高めていかないといけない、ミスも多いんで。自分としてはもっともっと成長できると思っているし、自分が成長できることを信じて、日々やってかなきゃと思ってる。だから、充実はしてます」

 選手間の競争の厳しさを実感する日々ではあるが、一時期、調子を落としたことから、その仲間の支えの大切さも身にしみている。

「練習から厳しい競争を促しているし、試合に出ていなくても、良い選手がいっぱいいますし。出るからにはそれなりのプレーをしないと、出てない人に納得してもらえないところもあるから責任を持ってやらないといけない。その点では、もっともっと自分の良さを成長させて出していかないといけない。本当にそういうことを色々考えるとまだまだだなと思う。もっともっと成長しないといけないと改めて思います」

 自分自身を焚きつけるように、「まだまだ」「もっともっと」という言葉が何度も何度も出てくる。

「貪欲というか、昔から曺さんに『現状維持は衰退だぞ』ってずっと言われていたから、日々成長しないと抜かれちゃうというか、置いていかれちゃうと思うんで。自分は、個人が成長することでチーム力は確実に上がると思うから。このチームにはスタイルはあるから、だからこそ個が大きくなればって思う。そういう思いがあるから自分としては個人にフォーカスしている。今は自分自身に重点を置いたほうがいいなと思っています」

 チームとしてもっともっと上へ。そのためにも個を高めて、チームの力に。成長を期す思いの奥にあるのは、チームを思う気持ちだ。

>実力不足を感じた昨シーズン 個の成長を促してチームの力に