馬入日記

【馬入日記:1月12日】感謝の気持ち。馬場賢治選手が水戸へ期限付き移籍。

先日、馬場選手が水戸ホーリーホックへ期限付き移籍することを発表しました。
平塚出身の七夕生まれ、ベルマーレ愛に満ちた「平塚の男」が一旦チームを離れることになりました。

リリースにあたり、長いコメントを寄せてくれてもなお、「これでも書き足りないくらい」と話していた馬場選手に、改めて今の心境を聞きました。

「去年、なかなか試合に出られずチームに貢献できないままシーズンが終わって、2014年がこれからのサッカー人生にとっても本当に大事な年になると思っていました。ベルマーレからも、2014年もチームにいられるという話はもらったんだけど、新しいチームからもオファーをもらって、全く知らないところで、新人じゃないけどそういう気持ちでもう一度やって、自分ができるのか、できないかということにチャレンジするのが、今の自分の中ではベストなのかなと思って決断しました」

チームを離れることへの寂しさも当然抱いています。

「出たくないという気持ちはありました。神戸を解雇になって、ベルマーレでこのままずっとやれればいいなと思っていました。でもそれは理想であって、そんなにサッカー人生はうまくいかないもの。逆に、新しいチームでもう一度頑張れれば自信にもなると思うし、そうすればまた道は見えてくると思う。そういう意味では、間違ってなかったと思えるような移籍にしたい。今年はすべてをポジティブに変えられるように、人間的にも成長したいという想いもあります。自分自身がベルマーレを離れるということがどれだけ重い決断であるかということを、水戸に行って結果で表せればいいのかなと思っています」

とにかく2014年に懸ける想いは、人一倍です。

「曺さんに教わって、考えがすごく変わったし、新しいこともたくさん学ぶことができました。ベルマーレでは曺さんと反さんに指導してもらってきましたが、また新しい指導者に教えてもらえるので、それは絶対にプラスになると思っています。柱谷さんは選手としてもいろいろな経験をされている方なので、心の持ち方なども含め、たくさん吸収したいと思っています。きっと鍛えられると思うので、すごく楽しみにしています。そして、やるからには、ベルマーレと肩を並べられるようなチームにしたい。今までの成績を見れば水戸は少し順位は低かったかもしれないけど、少しずつでもチームとしてレベルアップできるように僕自身も貢献しなければいけない。湘南と同じくらい可能性を秘めているチームだと思うので、頑張っていきたいです」

2010年も含め、3年間で印象に残っていることは?と聞くと…。

「2つあって、まずは2010年に初めて平塚競技場のピッチに立った時。試合前なのにうるっときちゃって(笑)。やらなければと思いながら泣きそうになってしまったのは、今でも忘れられないです。あとは2012年のアウェイの松本山雅戦の時。いい思い出とは言えないけど、でもすごく、ベルマーレに来てよかったなって思った試合でした。あの試合は、曺さんがすごく勝ちたそうで、それに応えたくて、本当に本当に勝ちたかった。なかなか勝てない時期で、勝たなければいけない試合だった。それなのに自分のミスから失点して、自分で取り返しはしたけど勝つことはできなかった。あの時、サポーターもたくさん来てくれて、自分としては取り返したけど申し訳ない思いでいっぱいで。でも試合が終わって、あれだけの声援をもらったことは、本当に忘れられない」と。

この話をしている時、馬場選手の目から涙がポロポロとこぼれてきました。
溢れて止まらない、その涙の理由を聞くと…

「またベルマーレがいいクラブだなって再確認した。こんなに泣くつもりもなかったけど、こんなになってしまうくらい、いいクラブなんだなと思った。こんなことはなかなかないと思う。レンタルだし、車で割とすぐの距離なのにね(笑)。でも年を越して、引っ越しとかが迫ってくるごとに、心の中ではすごい寂しさがぐいぐいくるな、と。これはベルマーレじゃなかったらないだろうなと思います。クラブもそうだし、街もそうだし、やっぱり特別だから」と。

でも、強い意思を持って決断したこと。しっかりとした気持ちを抱き、新天地へ向かいます。

「先のことは考えないようにしてるけど、今年、自信をもって戦って、しっかり結果を出して、また戻ってきてくれと言われるように成長したい。でもそういう想いは表立って出すものではないと思うし、水戸に行くわけだから水戸のために、明日からはしっかり気持ちを切り替えてやろうと思います。ベルマーレへの気持ちは、また小さい頃のように、サポーターの一員として。今は水戸で活躍して結果を出さなければいけないという気持ちです」

最後に、サポーターの皆さんへの熱いメッセージを。

「直接みんなの前にいって、一人ひとりに挨拶したいくらいなんだけど…。前向きにサッカーをやり続けられたのは、いつも熱く応援してくれたサポーターの皆さんのお陰です。体力がきつくて、もう走れないと思ったその絶妙なタイミングで、いつもすごい応援が聞こえて、もっと走らなきゃと思って走れたことも何度もあったし、負けても“次だ!”と言ってくれて、次はサポーターのために勝とうと何度も思った。サポーターと選手ってもしかしたら距離のあるものなのかもしれないけど、自分がサポーターから始まっただけに、僕自身は本当に仲間だと思っているし、一緒に戦ってくれてるチームの一員だと思っています。一緒に戦えたことを、本当に感謝しています。J2からJ1に昇格した時に、ケガでピッチに立てなくて、僕としてはもっともっと貢献したかったという想いがあった。去年はJ1に残留できず、自分もなかなか試合に出られずに、みんなに“ピッチで待ってるよ”って言ってもらったことも励まされました。もっともっとベルマーレに貢献してサポーターの皆さんに、喜びとか感動を味わってもらいたかった。あれだけ応援してくれて、それができなかったことを申し訳なく思ってるし、自分の力不足を感じています。でも、最後の大宮戦まで、全力で応援してくれたサポーターの素晴らしさを強く感じています。だから、今年またメンバーが代わったり、J2からのスタートになるけど、本当にいつもと変わらない応援を、新しいメンバーにもしてほしいし、いつ見ても、ベルマーレのサポーターは選手と共に熱く戦ってるなという、そういう関係であってほしいと思っています。今年もすごく若いチームになるけど、湘南スタイルはサポーターの熱い声援があってこそさらに頑張れるものだと思うので、変わらない後押しをお願いしたいと思います。それが、一番お願いしたいことです。本当に応援してほしい、みんないいヤツだから」

とてもとても、馬場選手らしいメッセージ。
様々な想いを胸に、新天地へと向かいます。
引き続きのご声援、よろしくお願いします!