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日本初のスタジアムでのワンセグ放送「ベルセグ」正式サービス化における記者発表


湘南ベルマーレ 代表取締役 眞壁潔 挨拶
皆さん、こんにちは。もうこちらにおいでいただいているプレスの皆さんには「ベルセグ」というワンセグ放送をご存知かと思います。
ちょうどJ1に昇格した2010年の9月から2011年11月まで、日立ソリューションズさんからの全面的なバックアップを受けてスタートいたしました。
これはホワイトスペース特区先行モデルという事で、簡単に言うと先行実証になります。今回、4月に事業者の申請をいたしまして正式にスタジアム内でのエリア放送を日本で初めて実施するため免許の許可をいただきました。
今日から正式サービスとしての「ベルセグ」がスタートしまして、広く、サポーター・支援者の方に愛されるように我々も努力していきたいと思います。と同時に、ベルマーレは、今Jリーグは40チームになりましたが、常にサッカーだけではなくて、サッカーとスポーツを通して地域ホームタウンのために出来ることをやっていくということを先導してやってまいりましたが、まさにこれはその大きな成功のひとつでございます。
一年前に東日本大震災がありました。その時、被災地の皆さんがお困りだった事は、情報が入らないということだったと思います。ようやく活字は人伝えで入るけれども、映像はなかなか見られない。おそらくもしこの地域で震災があると、この公園は完全な避難所になります。このスタジアムにはたくさんの人が避難をして、そして不安な夜を過ごさなければいけないかもしれない。
当然震災は起こってほしくないのですが、その時に、このエリアの中で情報を映像として見ることができれば、どれだけ被災地の人のプラスになるか、ということを考えますと、そのきっかけを作ったのはベルマーレであるということで、いつか評価される時代が来るのではないかと思っています。

日立ソリューションズ 映像ビジネス推進部 部長 柴田功一様 ご挨拶
日立ソリューションズの柴田と申します。本日はお忙しいところをありがとうございます。
我々日立ソリューションズは、エリアワンセグというものが生まれた当初から関わっておりまして、2007年から取り組んできました。湘南ベルマーレさんとは、2009年ベルマーレワンダーランドでのエリアワンセグ実験からお付き合いさせていただいています。
そして2010年から総務省さんがホワイトスペース事業の特区というものを募集いたしまして、それが認められ、2010年から常設サービスとしての実験をさせていただいているという事でございます。晴れて本日から本放送ということで、これから新しい位置づけの、まったく新しい形のエリアワンセグとして大きな可能性を秘めていると思います。
我々がエリアワンセグに着目した理由というのはまず一つは既に大変な数の端末を既に殆どのお客様がお持ちであるということ。それに対して同時に、例えばこのスタジアムに同時に何千人の人が入った時、情報を提供する手段として、非常に重要な物になるのであるのではないかと思います。
本放送という事で本当の地デジ放送ように全国に放送するような物ではございませんけど、その代わりに地域密着型の地域の広告メディアとしても使っていただけるような、特別な新しい展開という事で期待をしております。

質疑応答
Q.この事業というのは、湘南ベルマーレさんと日立ソリューションズさんが共同でやっているのですか?実際に費用もお互いに半々の負担という事になるんでしょうか?費用はどれくらいかかるものなのですか?

A.眞壁:日立さんにお世話になっています(笑)
A.柴田:費用に関しては、殆どは人件費になるかと思います。放送機材自体はそれほどかかるものではありません。後はむしろどれくらいお金をかけるかという事になります。

Q.今回の放送で今後、技術的な課題といいますか、改善点はあるのでしょうか?

A.柴田:正式サービスにあたり、新しく制度施行されたエリア放送の技術基準に対応しています。地上デジタル放送を行う一次事業者に影響を与えることのないよう、今までの実験局以上に厳格な基準が決められています。

Q.先ほど、眞壁さんが震災の時などに貢献できるということでしたが、このワンセグの場合に一番面倒なのは設定をしなければいけないということですがその辺りの問題っていうのはクリアできそうな感じですか?

A.眞壁:やはりやっていくという経験値の問題でもありますが…スタジアムに来ている方は地元の方の率が多いですから、そうするとやっぱりこの近隣でお住まいの方もスタジアムに来られていますので、こうやって使うんだよ、こうなんだよとか、まだ発信されてないみたいよとか、そういったやりとりが広がっていく気がします。元々、そういう事で行政とも、大きな災害の場合はどうしましょうということをこれから詰めていく所であります。行政側も「分かった」という事であれば、スタジアムに来れば、常に緊急時はこうなんですという事がどこかに表示出来るかもしれません。そのあたりは、現状ではまだ青写真しかないですけども、いずれにしろそう大きなハードルはないと思っています。
Q.関連して、技術的には設定問題は全部のエリアワンセグの大きな課題だと思うんですけれども、日立さんのほうで何か突破できる技術はないのでしょうか?

A.柴田:電波の使い方のプロトコルがどのように規定されているかというところで、それを変えようとすると端末から変えなければいけないと。そのコストというのは、今お持ちの端末で見られているのが最大のメリットですから、それを超えて何か(技術を投入するのは?)良いのかなと。今おっしゃっていただいたように、その場所場所で一回設定していただければ出来るものなので、地域密着という形を考えると、この位でもいいのかなと思います。

A:眞壁:たらればの話ですけれど、将来的にもしスタジアムを出て、公園内全てとか商店街みたいなところでエリアワンセグを行うという場合、平塚だけではなく各都市でそういうことが広まれば、その受信方法というのはいつの間にか、誰もが使い方を覚えている、という時代になってくれないかなと、個人的には考えています。

Q.他のスタジアムでやることは出来るんですか?

A.柴田:技術的なものですし、免許も必要ですけれども、可能です。
A.眞壁:かといって我々がベルマーレとして例えば日産スタジアムに乗り込んで商売が出来るわけではないのですが、彼らは彼らとしてそういった事をやるとなれば、私たちの方としては当然お手伝いはしますし、進めていただいて社会的な現象になるという事が大事だと思っています。だからもっと使えるようにしたらどうなるんだというと、やっぱり市民の声が上がらないと色んなことが評価されないと思います。

Q.地震が起きた場合の情報源は?

A.柴田:その場合例えばNHKさんですとかそれらの放送はされているんです。ただし、避難されている方がそれを受け取る手段が一時的に失われていると。例えばテレビを自宅に持っていても、電源が来ないという事によって。そうするとバッテリーで動いて情報を取る事ができる物というのは、こういうモバイルなどに限られますのでそれらは非常に重要な物になると思います。

Q.東北の地震の時に携帯が通じなくて全然情報が解らないという事がありましたが?

A.柴田:そうですね。携帯電話は通話は無理ですけれども、電波は受け取れます。通信は全然ダメでも一方的な放送というのは受けられるので活用できると思います。