ボイス

【ボイス:2019年11月6日】岡本拓也選手

移籍1年目と同じ感覚を覚えた昨夏
ベルマーレで迎えた成長期第2章
 シーズンを重ねるごとにプレーが変化していく。それこそが成長の証。

「去年の後半戦、夏を過ぎたあたりくらいからの手応えがすごくありますね」

 ベルマーレで過ごした4年間のなかで、もっとも大きな変化を自分自身が感じたのが最初の2016シーズン。試合にも数多く出場し、チームのなかでも存在感を高めていった。それと同様の感覚を味わったのが2018シーズンの夏以降、再び成長曲線が急カーブを描いて上昇しているのを感じている。

「すごく走れるようになってるし、スプリント数も増えているし、攻撃面でのバリエーションも増えてきている。攻守に関われるようになってきているという実感があります。確かにこう、2016年の時と似たような、小さな成功体験を積み重ねていけたのかなと思います」

 成功体験自体は小さなものでも重ねることで大きな自信となっていく。何より、チャレンジする勇気が次の成功体験を生む。

「本当にちょっとしたことでもいいんですけど、自分が『これできたな』『じゃあもうちょっとこれを、次はこうしてみよう』とか、『あ、これもできた』って、どんどんどんどんいろんなことにチャレンジできるようになっていったっていう感じ。チャレンジしようと思えることが大事」

 きっかけとなったのは、いくつかの出会い。

「いろんな方との出会いがあって、自分の考えが少し変わったっていうか。以前は感覚的に、『あ、うまくいったな』『うまくいかないな』っていう感じだったのを、うまくいったときのプレーを、『どういったときにうまくいったのかな』って考えるようにしたんです。そうしたら『うまくいくときは、こういうことができているときだ』というのがちょっと言語化できた。それで『こういうことが大事なんだな』ってわかったんです」

 もう一つ大切にしているのが「意識」の持ち方。

「そのときそのときで、より良い状況判断ができるようには意識しています。サッカーってこう、いろんなところに意識を張り巡らさなきゃいけないスポーツだと思っていて。ボールに意識がいきすぎてもダメだし、相手に意識がいきすぎてもダメだし、っていう複雑なスポーツだと思うんです。だからなるべくいろんなところに意識がいくようにしています」

 ピッチ全体に自分の意識を広げていく、そんなイメージだろうか。

「そういう意識でやったらうまくいくことが増えたっていう感じ。去年の夏過ぎくらいからですね」

 サッカーをピッチ以外の場所でも突き詰めた成果が出たようだ。

「『こういうときにうまくいってないよね?』という話をしてもらって、『確かにそうだな』と思うところから入ったんですけど、意識の整理ができたということですかね」

 今シーズンの前半はケガが予想外に長引くアクシデントがあり、この曲線も一旦は角度を緩めたが…。

「ちょっとリセットされちゃった感はあるんですけど、その感覚を今、またちょっとずつ取り戻している最中かなとは思います」

 成長する時間は、まだまだ残されている。

>ゴリゴリのセンターバックから攻守に選択の幅のあるサイドハーフへ