ボイス

2019.03.01

【ボイス:2019年3月1日】坂 圭祐選手

ルヴァン杯優勝も通過点
昨シーズンの全てが糧に
 昨シーズンは、ルヴァン杯で優勝し、クラブとして24年ぶりのタイトルを獲得する一方で、J1残留を最終節まで争うこととなった。選手個々の戦いとは別に、チームとしての戦いも忘れられない。
シーズンを戦うなかで坂選手がチームとして手応えを感じた試合が、ルヴァンカップグループステージ第4節、アウェイで行われた鳥栖戦だ。「ベストメンバー規定に引っかかった試合なんですけど、あの試合は本当に若い選手が出たなかで、結局結果は引き分けでしたけど、ほぼ勝ちゲームのような試合ができたのは、チームとして自信になりました」

リーグ開幕戦とルヴァンカップのグループステージ初戦は勝利したものの、序盤はその後、なかなか勝ち星に恵まれない試合が続いた。チームとしても今一つかみ合わず、試合の内容ももどかしかった印象が残る。そんななか若手にチャンスが与えられ、リーグ戦メンバーを脅かすようなプレーを観せたのが鳥栖戦だった。
この試合、鳥栖もメンバーを入れ替えてきたが、それでも坂選手曰く、「リーグ戦とは違うメンバーでしたけど、僕らより全然有名な選手が多かった。普通の、リーグ戦も戦えるメンバーでした」。力のある相手との戦いに気合が入った。

「僕自身は、広島戦でリーグ戦を経験して鳥栖戦に出たので、良い意味で相手チームにリーグ戦とルヴァンの差を感じたというか。良い意味で余裕を持ってプレーできたというのがありました。広島戦は、チームとしては負けてなんとも言えない感じになったけど、個人的なにはプレーにおいては自信を掴めたのかなって思います」

若手が多く出た試合は、結果的にベストメンバー規定に違反することとなったが、坂選手を含めて選手たちはもちろんそんなことに思い至ることはなかった。ただ、同じ大卒ルーキーや、自分よりもさらに若い選手が多く名を連ねた試合だっただけに、チームへ貢献する気持ちをより強く持ったのは事実だ。

「メンバーを見て若いな、とは思いました。でも、後ろ3人がザキくん(岡﨑亮平選手:現FC琉球)とカズくん(大野和成)だったので、最悪、内容がダメであっても、俺らが最後を守れば良い、『守ってやろう』みたいな感じで思って試合に入りました」

そんな守備陣の思いに応えたのか、前線の選手が躍動し、ベテランが揃った鳥栖を相手に互角以上の内容を観せ、結果的に引き分けた。リーグ戦を中心に出場する選手を脅かすようなプレーと内容が伴った試合ができたことは、チーム全体のレベルアップを皆が実感する結果となり、大きな自信となった。
しかし、内容が良い試合を1つ戦っても、それだけでうまく回り出すわけではない。勝点3には届かなくても内容と結果が伴う試合が何試合か続いたにもかかわらず、ホームで戦ったベガルタ仙台戦、アウェイの清水エスパルス戦と結果よりも内容が気になる試合が続いた。

「仙台戦は出ていなかったのでロッカールームでのことはわからないですけど、次の週のミーティングでも曺さんには厳しく言われました。で、清水戦の時にまた負けて、曺さんからは『もうお前らで話をしろ』と。『言いたいことを言い合え』みたいな感じで」

昨シーズンの底を、このときに経験した。

「リーグ戦の中断前最後の試合が(ジュビロ)磐田戦だったんですけど、この1戦で勝てたのは大きかったと思います。みんなめちゃくちゃピリピリしてたし。負けていたら降格圏に落ちていたのかな? 天国か地獄か、ぐらいの勢いでした」

この試合で勢いに乗ったのか、ルヴァン杯のプレーオフステージも勝ち上がった。そのため、9月以降はリーグ戦の合間にルヴァン杯プライムステージが始まり、スケジュールはよりタイトになっていく。
しかし、選手にとって試合は成長のチャンス。多いに越したことはない。また、メンバーが代わってもリーグ戦もルヴァン杯も公式戦であることに変わりはなく、分けて考えることはない。特に坂選手は、意識することなく、常に次の1試合として捉えて試合に臨んだ。だからこそリーグ戦で結果が伴わなくてもルヴァン杯のプライムステージを勝ち進むことでチームが良い方向を向いていることには自信があった。

「リーグ戦は、内容に手応えを感じつつも結果、負けてる、みたいな試合もあったので、『なんで勝てない?』というのもありましたけど、ルヴァンでは勝ってるけどリーグ戦では勝ててないみたいな感覚じゃなく、普通に公式戦で勝ったり負けたりみたいな感じだったかもしれないです。変に悲観することもなく、調子に乗りすぎることもなく、みたいな感じだったんじゃないかと」

ルヴァン杯は、決勝まで駆け抜けた。

「最初の頃は、そんなこと全然考えてなかったし、まさか優勝できるとは、って感じですかね」

公式戦出場の最初のチャンスはルヴァン杯のグループステージだった。そこから数ヶ月の間にリーグ戦でのポジションも譲らない存在となり、ルヴァン杯はグループステージの2試合を除き、プレーオフステージ、プライムステージは全試合に出場した。ルーキーイヤーに取ったタイトルに、自分の貢献を実感できる選手は、それほど多くはないだろう。

「でも、(川崎)フロンターレだったら守田英正選手がリーグ戦を取ってるし、天皇杯だったら柴戸海選手(浦和レッズ)が、途中出場ですけど絡んで取ってるんで。大卒だから、年齢的にみたらチームの勝利に貢献しておかしくない年齢なので、ルーキーイヤーだから余計に、とかはない。まぁ、普通に、うれしかったです」

タイトルを取ったクラブに加入した大学時代のライバルの名前が、出場の状況も含めてすっと出てくるあたり、目指すところはさらに上、というところなのだろう。特に川崎の守田選手は、怪我で辞退となったが日本代表にも召集され、一歩リードを譲っている。

「ポジションは違うので、ライバル中のライバルという意感じではないですけど、刺激を受ける存在ではあります」

昨シーズンの経験をすべて糧にして、今シーズンもさらなる高みを目指す。

>コミュニケーションの良さがチームの成長の鍵