馬入日記

【馬入日記:3月18日】ホーム札幌戦、中村祐也選手がついに復帰!

先日の日曜日に行われたコンサドーレ札幌戦で、ついに中村祐也選手が復帰しました!!
85分、ウェリントン選手に代わってピッチに入った中村選手。実に617日ぶりとなる公式戦出場となりました。

ウォーミングアップをしていた中村選手がベンチから呼ばれ、ビブスを脱いだ時、スタジアム全体からものすごい大歓声と拍手、そして「ユウヤ、ユウヤ!」と大きな声援が送られました。
誰もが「待っていた」と、胸を熱くした瞬間でした。

「入る時は、冷静ではあったけどやっとここまでこれたんだなという気持ちが強かった。サポーターの声援がすごくて、本当にいい雰囲気を作ってくれて、復帰したんだと実感しました。あの雰囲気はなかなか経験することのできないものだったと思います」と中村選手。噛み締めるように、その瞬間を振り返りました。

2節の長崎戦では出場はなかったもののメンバー入り。サポーターの皆さんも、札幌戦での出場に期待を大きくしていました。
「勝利への花道」でも、中村選手がバスから出てくると大声援が響きました。

「試合に出ていなかったので、みんな覚えてるかなという気持ちが強くて(笑)。忘れられてるんじゃないかという感じでしたけど、花道で名前をコールしてもらって“あ、名前覚えててくれた”って思いました(笑)」と。

短い時間の出場ではありましたが、惜しいミドルシュートを放つシーンもありました。
「プレーは全然納得のいくものではありませんでした。でも常にゴールを狙いたいし、プレーで見せていきたいという気持ちが強かった」と。

プレシーズンでの練習試合の時もそうでしたが、試合勘など長く試合から遠ざかっていたとは思えない雰囲気でした。

「ゲーム感覚は多少落ちている部分はあるんですけど、そこまでは気にならなかった。それよりも、開幕前の練習試合では、自分が抱えているケガに対して、向き合いながらやっていかなければいけないということが少し大変でした。ケガを繰り返さないように気をつけながら、どうやって上げていけばいいのかというのはゲームの中でも確認しながらやっていました。そういうものを抱えている中でもちゃんとできるんだということを見せていかなければいけないし、カバーする何かを作らなければいけないと思う。今は、100%とは言い切れないけど、そこに近いくらい気にせずできてるというのはあります」

ケガをし復帰までの道のりが長かったことで、自分自身の身体とずっと向き合い続けてきました。

「もう向き合いすぎてよく分からないくらいですけど(笑)。身体の状態は日によっても違いますし。例えば連休の後は、身体を休ませすぎて逆にキツくなるとか。そういうことを含めて、自分の身体については、ケガをする以前よりも深く感じながらやらなければいけないと思っています」

家族のサポートも絶大でした。

「食事面は嫁さんがやってくれているので、自分はそれに従うだけというか、出してくれたものをしっかり食べると。でも本当にそれがなかったら、急によくなったということにも繋がらなかったと思う」

昨年の12月の中旬、急に状態が好転しました。

「食べるものを試行錯誤して変えてくれていました。食べ物もすぐに効果があるわけじゃなくて、3ヵ月周期で身体の中が変化するみたいなんですけど、ちょうど夏すぎくらいに変化を加えてくれたんです。もちろんそれだけじゃないかもしれないけど、ひとつひとつの要素でよくなっていったんだと思います」

振り返れば、2011年9月に足首の手術をし、2012年3月に復帰。2012年は8試合に出場し2得点を挙げました。
しかし、2012年の8月にアキレス腱断裂という厳しい試練。地道なリハビリを続けるも、苦しい状況が続きました。2013年の夏には、アキレス腱が部分断裂していることが分かりました。

「その時はけっこうきつかったです。何か手はないかと、小川さん(PT)がいろいろ調べてくれて、一緒に先生に会いにいってくれたりしました。本当にスタッフには、特にメディカルスタッフには、ずっと近くで見てきてもらったし、自分にずっと付き合ってくれた。本当に感謝しています。スタッフの存在がなければ、ここまで絶対にこれなかった」

常に中村選手に寄り添い、共に歩んできました。
メディカルスタッフにとっても、今回の復帰は言葉にできないほどの出来事だったでしょう。

曺監督も、試合後のインタビューで中村選手のことに触れると、言葉を詰まらせていました。

「曺さんにも、常に声をかけてもらっていたし、気にかけてもらっていました。一時はかける言葉もないくらいの状態までに自分がなってしまって…それでも言葉をかけてくれた。本当に迷惑をかけてしまった。だから自分は、絶対に復帰しなければいけない、このまま選手生命を終わりにしてはダメだと強く思っていました」

多くの人の支えをエネルギーに、不屈の精神で諦めることのなかった中村選手。
今後に向けては…

「日々の練習を大切にするということ。本当にそれだけです。点を取るというところで、練習から意識してできればと思います」と。

シンプルですが、練習を大切にすることに尽きるという言葉は、実に中村選手らしいものです。

最後にサポーターの皆さんへ。

「本当に長い間、迷惑をかけてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ただここから、しっかりチームの力になれるように頑張るので応援よろしくお願いします」

勝負はこれから。中村選手のこれからに、ぜひご期待下さい!