馬入日記

【馬入日記:9月22日】特別なことはない

DSC_6832先週末の讃岐戦、1点をもぎ取り勝利を収めた試合のピッチには神谷優太選手の姿がありました。リーグ戦での試合出場は第17節の長崎戦での途中出場以来。必然的に意気は高まり「90分持たせようともしていませんでした」と積極果敢にプレー。72分で御役御免となりましたが、その積極性の裏側には仲間への信頼がありました。

「どうしても気合が入りすぎてしまった部分はありましたけど、湘南はサブに入る選手もスタメンで出る選手も実力に差があるとは思っていないですし、だからこそ本当に安心して最初から飛ばしてプレーできる。逆に最初を抑えて抑えてとプレーするより、飛ばしていった方がチームの力になると思っていました」

天皇杯3回戦での出場はあったものの、長らくリーグ戦からは遠ざかっていた神谷選手。「全てが足りていないから出られていなかった」他に理由を求めるのでなく、自分自身に矢印を向けることはその間も絶やすことはありませんでした。日々のトレーニングに100%を注ぎ、目の前に表れる課題としぶとく付き合い続けました。

「別に何か特別なことはしていなくて、チームの厳しい練習に取り組んで、そのなかで考えるということをしていたから自然と、少しずつだけど良くなって行ったのかなと自分のなかでは考えています。その時自分がおかれて入る状況がベストなんだと考えて取り組んでいましたし、いつチャンスが来るかもわからないなかで、いつ試合に出ても良いように、というふうには思ってやっていました」

再びのピッチに向かうため、費やした時間は練習時間だけではありません。仲間がピッチで戦うなか、その戦況を常に自分ごととして捉える作業を繰り返しました。

「自分が出ていたらこうするな、とか、中では見えないことがあるからこういうプレーになるんだろうな、とか。そういう見方はいつもしていました。チームとしても今よりもっと上のサッカーを目指していますし、これじゃダメだという想いをみんな持っている。そういう姿勢が勝点につながっていると思いますし、連敗がない要因なんだと思います」

完璧とは程遠いですよと、改めて讃岐戦の自身を思い返します。試合に出ようと出まいと、課題は毎日やって来る。誰よりも知る自身の足りない部分から目をそらさず、神谷選手はそれを迎え入れます。「常日頃から向上心を持って」踏み出した再びの一歩に続き、絶やすことなくその歩みを続けていきます。