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イングランド プレミアリーグ ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC(ウルブス)とのパートナーシップ締結記者会見

2024年4月3日にレモンガススタジアム平塚で行われました、湘南ベルマーレとウルブスのパートナーシップ締結記者会見の模様をお届けします。

湘南ベルマーレ 代表取締役会長 眞壁潔


本日、湘南ベルマーレとウルヴァーハンプトン、ウルブスはパートナーシップを結びました。今後、若い世代の成長ですとか、当然トップチームも含めて、様々な交流をしながら次のステップに進んでいきたいと考えています。
私たちがいろいろなことを学ばせていただき、またウルブスも、現在フォワードが韓国人選手ですけれども、アジアのマーケットやアジアの情報に非常に興味を抱いているということで、いい関係を構築していきたいと思っています。
この話は2年ほど前から始まりまして、ひとつひとつ時間をかけて、お互いのシナジーが本当に合うのかどうかということを検証してまいりました。その結果、最終的にまず提携から始めて、この階段のステップを上がっていこうということになりました。今後メディアの皆さんにも、ぜひご取材などお願いしたいと思います。

湘南ベルマーレ 代表取締役社長 坂本紘司


皆さんこんにちは。まずはじめに、今日、このようなパートナーシップ締結の発表をできたことを大変嬉しく思っております。ウルブスは皆さんご存知のとおり、世界最高峰のプレミアリーグで世界のトップクラブと互角に日々戦っている、世界的なクラブのひとつだと思います。
そういったクラブとこういった提携を結ぶことによって、我々のクラブとしてもチームの強化、編成、それからスカウティング、またアカデミーの育成、そういったところの知見を多く学ばせていただきたい、そういった機会になれば大変嬉しく思っております。
我々は規模でいうとまだまだ追いつかないようなクラブでございますけども、いろいろな知見を得ながらこのパートナーシップによって我々の成長がより加速的に進んでいくことを願っております。また逆に、ウルブスの発展に我々のクラブが少しでも寄与できるように尽力してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

ウルブス アカデミー責任者 ハリー・フーマン氏


今日はどうもありがとうございます。とてもエキサイティングな気持ちです。湘南との締結において、前向きな発展を続ける方法を模索しながら、お互いにパートナーシップを締結し強化していきたいと思います。
今後、海外に出る機会も強化し、お互いにクラブの選手やコーチがトップレベルの経験を共有し、ベストプラクティスを交換しあうことを楽しみにしています。
両クラブのタレントプールに関する情報も共有できますし、アジアのエリート選手の育成に協力し、ヨーロッパのチームに連れていきたいと思っています。
湘南からしますと、我々のヨーロッパからのスカウティングの情報も得られるし、我々も日本の若い選手の情報も得られて、お互いに情報交換ができます。
ウルブスは大家族で、いつもウルブスの言い方で “Welcome to the pack”、要するに我々の家族にジョインしていただき、ようこそという気持ちです。ありがとうございました。

※パック=オオカミの群れのこと。ウルブスファミリーへようこそ!という意味です

フォースン・ジャパン エグゼクティブディレクター 白川和寛氏


本日のパートナーシップの契約締結に向けてご尽力いただいた皆様に感謝申し上げます。我々はフォースン・ジャパン、親会社がフォースングループ、香港で上場している事業会社の子会社の1社でございまして、ウルブスとは横並びというふうにお考えいただければと思います。
我々はフォースン・グループ全体の日本での事業の窓口になっております。とくに日本においてはコンテンツ事業、初めて行ったのがアニメ投資でございますけども、他には医療ツーリズムなどの実績があり、今回サッカー事業に進出するというところでございます。
とくに日本においてはメジャーな、グローバルで活躍する選手も昨今においては出てきておりますし、国際大会が東京で行われるということも増えておりますので、我々のグローバルなネットワークをしっかり活用しながらウルブスとベルマーレさんの今回のパートナーシップにしっかりコミットさせていただいて、お互いと日本のプロサッカー市場が成長できるように尽力していければと思っております。よろしくお願いいたします。

質疑応答

今後、両クラブで行っていくことやビジョンを教えてください

眞壁
よくこういった提携の話は、どのリリースにも同じことがたくさん書いてあると思います。結局何をやるんだよ、という話なんですけど、書いてあることは嘘ではなくて、それに対してどこまで深く掘り下げてできるか、ということだと思います。
我々は外国人の補強という面で、入ってきてすぐに成長した、活躍したという選手が多くはいません。その中で、やはりそういった情報が必要です。代理人さんには大変お世話になっていますが、自分たちからも情報を持っているべき時代ではないかなと。今はご存知のようにトランスマーケットみたいな箱もあってですね、その中に出てくる情報というのはクラブも普通に見られるわけです。その中から本質のところでうちのサッカーに合うのか合わないのかとか、日本が合うのか合わないのか、そういったことはシーズン、来年に向けて夏から準備しましょうではなく、普段から完全に持っていなければいけない。我々はクラブとしての規模も小さいので、そこまでの規模ではないです。我々の独自でそういうものを持ちたいが、まだそうはできない。であれば、ウルブスさんには十数名のスカウトがいて、たとえウルブスの話でなくても非常に広くヨーロッパのリーグを見ていらっしゃる。
実は去年、グラスホッパーさん、現在はメインの株をお譲りになって、LAFCに売られていますが、川辺(駿)くんとか瀬古(歩夢)くんがいるときに訪問しました。
いろいろなフィロソフィーなどを聞いているときに、やはり普段からこういったキャッチボールが常になければ、なかなか世界に向かっていけないなということを感じました。
ウルブスさんから見ても、アジアの選手を使っていきたいということもありますので、そのあたりの情報提供もさせていただく。
(若月)大和がうちでプロ契約をして高卒でシオンというスイスのクラブに行きましたが帰ってきた。齊藤未月がロシアのチームに行って怪我もあり残念ながらやはり帰ってきた。ローザンヌでなんとか定着してきて成功したのは鈴木冬一。という中でいいますと、日本でレンタルに出すのであれば、いまの選手の状況がどうなのか、強化部同士の連絡もありますし、近くに行って見ることもできウォッチし続けることができる。ところがヨーロッパに出してしまうと、いまその選手がどういう状況なんだろう、何で試合に出られないんだろう、すごく良くなってるんだけど今どう考えてるんだろうということが逐一分かるわけではない。そういったことを、ウルブスさんと提携する中で一緒に情報共有をしていって、ウルブスがダメならこういうチームがあるじゃないか、こういうチームに出て少し勉強したらどうなんだろうと。あるいはそこを介さずにあるチームに行ったけど使われてないようなら、状況がこうだからこうしたほうがいいんじゃないか、といった話の可能性が広がります。
当然ですが、こういったことの成果が出るのは時間がかかるものだと思いますが、我々として大変ありがたい話です。

ウルブスではこういった提携は他の国の他のチームとも結んでいるのか?

フーマン氏
今回日本に注目する理由は、やはり成長している選手、マーケットでもありますし、いい選手もたくさんいらっしゃるので、ぜひ日本のいい選手をヨーロッパ、とくに我々イングランドのプレミアリーグに連れていきたい。
我々もヨーロッパのバックグラウンドがありますし、ぜひお互いに協力していきたいと思います。他の国のチームとの提携はなく、今回はこの経緯で日本に注目しています。

眞壁
少しフォローすると、ついこの前まではウルブスの下にグラスホッパーがありました。グラスホッパーは今LAFCにお譲りになったんですけど、今でもグラスホッパーの株はお持ちで関係は続いています。
提携という意味でいうと、私どもが初めてということです。大変歴史のあるチームなので、何十年も前は、と聞かれるとちょっと分からないですげ、現状はそういう認識です。

提携期間はひとまず1年ということですが、先程のお話を伺っていると長期での提携ということも視野に入っているんでしょうか?

眞壁
もともとはもっと長い期間だったんですけども、1年ずつしっかり確認をして次のステップに進んだほうがいいだろうと。当然、お互いいろいろなことをする中でお金の問題も出てきたりするので、それをひとつずつクリアしながら次のステップに進むということですね。
私どもからお願いして1年ずつですが、自動更新にはなるんですけども、長く契約をさせていただきたいということにしました。

なぜ湘南さんとウルブスさんが結びつくことになったのでしょうか?

眞壁
あるご縁だったんですけども、(ウルブスの)親会社のフォースンさん自体が日本のフットボールに興味を持っていて、いくつかのクラブに当たられたと聞いています。
2年ちょっと前に私どもも、当時の社長の水谷と私が初めてご縁をいただいて、いろんなお話を始めてですね。そこからよくクラブを見ていただいて、といった形で進みました。そういうご縁です。