ボイス

2017.08.29

【ボイス:2017年8月25日】山田直輝選手

再出発を期しての移籍
ベルマーレで見つけた新しい自分
 2015年、プロ生活7年目のシーズンを迎えようとしていた山田選手がベルマーレへの移籍を決めたのは、再出発を期してのものだった。
 
「レッズでは出場機会が少なかったんで。試合に出られないとサッカー選手である意味がないというのは、感じていました。湘南に来ても試合に出られる保証はなかったですけど、新しい環境でもう一度サッカーに真剣に取り組みたいなと思ったんで」
 
 いくつかのオファーの中からベルマーレを選んだのは、曺監督の存在があったから。とはいえ、これまで接点はなかった。
 
「僕が浦和ユースで、曺さんがベルマーレユースの監督で、特に教わったことはなかったんですけど、その頃の僕の顔やプレーは知ってくれていたみたいで。その後、僕が怪我のリハビリをしているときに湘南が練習試合で来たんですけど、そのときに『楽しそうじゃない』と思ったらしくて、声をかけてくれたんです。それから1年くらい経ってようやく曺さんの元に行けたので。ずっと気にかけてくれたんだなって思いました」
 
 移籍を決意するにあたっては、周囲の人にアドバイスも聞いて回った。そのなかで「曺さんの元でやるのはおもしろいと思う」「試合に出る出ないにかかわらず、成長できる」と言った声を多く聞いたという。
 
「聞いていた通り、おもしろい監督だと思いました。僕が経験したプロの監督というより、どっちかというとユースやジュニアユースのときの監督に近いというか。ダメなところは叱ってくれるし、いいことはいいって言ってくれるし、もっとこうしたほうがいいとか、私生活のことまでアドバイスをくれる。プロの世界でそういうところに干渉してくれる人があまりいないんで、湘南に来て『ああ、こういう監督もいるんだ』と思いました」
 
 曺監督のもとで、改めてサッカー選手であることを見つめ直した。
 
「来たときに、その場にふさわしいチームだなと思いました。曺さんには、『昔の自分を追いかけるのをやめて、新しいお前を見つけろ』って言われてたんですけど、そういう意味で、新しい自分を見つけられているなって思うんで、再出発できているんだなと思います」
 
 ベルマーレで見つけたのは、当たり前のことにきちんと気づき、感謝を感じる、少し大人になった自分。
 
「自分だけですべてのことをやっているんじゃなくて、周りの人に支えてもらってるんだということだったり。サッカーがどうこう変わったというより、人間性が少し、培われたというか。やっと少し大人になれたかなっていうか。
 以前もそういうふうにはしていたんですけど、真剣にサッカーに取り組むように、前が100%じゃなかったというか、すべてにおいて真剣度が少しずつ足りなかった、そういうことに気づきました」
 
 山田選手にとってサッカーはかけがえのないもの。それまでも真剣に取り組んでいたつもりだった。ところが、どこか100%ではなかったことにベルマーレで気づいたという。
 
「楽しく過ごせればいいやって思っていたところから、プロとしての“仕事”であるということの真剣さが加わったっていう感じです」
 
 ベルマーレのクラブスローガンは、「たのしめてるか。」。楽しむという言葉は同じでも、以前の山田選手が使っていた言葉とは、意味に違いがある。
 
「以前は、自分が楽しければいいやって思っていたけど、今はチームメイトも、周りの人も自分も楽しくないと意味がないと思うようになった。湘南はやっぱりチームで、みんなで戦って勝つチームなんで、みんなが楽しめてないとダメだなって思いますね」
 
 今の山田選手なら、「たのしめてるか。」という問いに、100%の笑顔で応えてくれるはずだ。

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