監督・選手コメント
J2第36節 東京Vvs湘南戦 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
アウェイの地にもかかわらず、今日4,000人近いサポーターの方が駆けつけてくれたと聞いたんですけど、本当にホームのような雰囲気で選手を後押ししてもらって、今日の試合だけではないですが心から感謝しています。
試合の内容を話すと、ヴェルディさんが勢いよく攻守にスタイルを原点に戻ってやられているということは、映像を見て分かっていました。ただ今日の試合は絶対に勝って優勝を決めようと強く言って出したので、そういうところからの、相手の予想以上に勢いに前半は少しのまれたかなという感じがしています。
全体的に、攻守において我々が大事にしていることの内容というのは、全部が全部悪かったわけじゃないのすが、試合的にはヴェルディさんの球際で負けない気持ちとか、我々の走力、相手が最後に身体を張るところなど、サッカーの醍醐味というゲームになったと思います。
ヴェルディさんがファイティングスピリットを前面に出されたことで、お互いにそういうところを出し合った試合になったと思います。
後期はおそらく15試合で勝点29、前期は21試合で60とったんですけど、数字だけ見ると、まだ試合は残っていますが、前期の60には到底及ばない勝点です。ただ、僕自身はこの後期の15試合で29というのは、かける2をとったら昇格と言われている中で、相手としては一度負けているという相手にもう一度勝つ、2勝するというハードルを選手たちが自然に超えていかなければいけない状況です。いま、21試合負けていないですが、最低でも勝点1をとるという力強さが出てきたと思います。
内容的にとか課題を言うといろいろなものはあるのですが、僕は彼らの監督なので、今日置かれた状況、僕が送り出した時のある意味プレッシャー、1位にいることでミスが3倍くらいの重圧がかかること。全部分かったうえでやっているので、今日の試合は、岡田のシュートが入っていればとか、ウェリントンのヘディングが…とかありますけど、最後まで勝つためにやること、今日だけでなくずっと続けてきたことが、6試合を残してチャンピオンになれたということだと思っています。
選手たちは、よく頑張ったと言ってあげたいです。
ミーティングでも話したんですけど、Jリーグができていま22年目だと思いますが、僕の計算が間違っていなければ、J2を優勝したチームは12チーム、J1は9チームあると思います。今年22年目のシーズンで、我々がチャンピオンになれば、22番目のチャンピオンだと。J1・J2合わせていま40チームありますが、ベルマーレの歴史としても僕自身も初めてのことです。
0-0で終わったので、選手も喜べないなって顔をしていましたけど、総合的に考えればこの前の愛媛の3-0と同じように、磐田にアウェイで勝った2-1の試合と同じように、松本さんにアウェイで4-1で勝った時と同じように、それがあったから今日があると思っているので、勝点1は勝点3には届かないですが、それくらいの価値はある。そういう日になったかなと思います。
湘南ベルマーレに所属する選手は、決して技術が高い、一芸に優れている。他をよせつけないものをそれぞれがたくさん持っているというチームでは間違いなくないです。
ただ、だからと言って、「お前は下手くそだからボールを蹴っていればいいんだ」とか「お前は走力がないから走らなくていいんだ」とか言ったことは1回もないです。
何度も言いますけど、選手である限り上を目指すということは普通のことだと思ってもらいたい。勝ったことでおごってもいけないし、負けたことで必要以上に頭を下げてもいけない。
その中で、技術、戦術、フィジカル、メンタルの全部が大事で、全部を上げれいかないとこの世界では絶対に上にはいけないという話をしました。
今日、ハーフタイムに洋平（大竹）に厳しいことを言ったのですが、送り出す時に、「お前がそれだけ背が小さくて、左利きの技術を持ってるけど、フィジカルが弱いとか走れないとかで、そういうふうな選手で終わらないで、いま一生懸命走っているということを自分の中で自信にしなければいけないんだよ」ということを話しました。
とかく大人だから自分が聞きたくないことは、無視すればいいのかもしれない。自分が嫌なことを言われて、いや自分は違うしという人もたくさんいる。でも僕が彼らをいいなと思うのは、彼らは自分ができないことをきちんと受け止めて、次に自分がチームのために何をしなければいけないのかということをずーっと一人ひとり、やってきている。それを、僕は毎日毎日見ています。
あまり褒めないですし、あまりいいことも言ってあげられないですけど、そういったことだけは、僕が彼らとの付き合いの中では自信を持って言えることです。
そういうことはなかなか表に出ないというのは残念ですが、ぜひ皆さんも我々のチームの、見栄えはよくないですけど、芯があるような、そういう精神、マインドを世の中に広く書いていただいたり、話していただけたら、少しは彼らも救われるのかなと思います。
●曺監督 質疑応答
–胴上げされた時の気持ちは？
う～ん…。今日も、もちろん嬉しいですが、本当に嬉しいなと思った瞬間って、このチームにかかわらせてもらって何回もあったので、それに比べて極端に嬉しいということではないです。
ただ、そういうことが自分の中で嬉しくなくなったりとか、選手があんまり「喜びたいけど、今日ちょっと内容がもうちょっとだから喜べないな」と思っていること自体が彼らの成長意欲だと思っています。
冷静に今、考えると、胴上げしてもらって…というか、よくわからないですけど（笑)なんか、すごく嬉しかったというか。今、考えると、そんなこともないんですよね。喜びます。すみません（笑）
–今年一年、人に言えない苦労があったと思うが？
苦労って、誰が大きくて誰が小さくてって、僕もみなさんも選手も、苦労していない人はいないと思います。
ただ、自分で思うのが、いま僕が一緒に働いているフロント、スタッフ、育成の人たちも含めて、もっというと選手ですね。
選手に助けられたことはたくさんありましたね。去年ここで会見して、降格が決まった時も、あいつらの顔を見るのが本当に辛くて、情けない話ですけど、でもそこで、ここで残って頑張った奴に100％助けられたという思いしかないですね。良い選手たちだと思います。
●冨樫監督 総括
ベルマーレさんに優勝を渡してしまって、残念とともにおめでとうと。自分たちは今まで積み上げてきたもの、トレーニングしてきたものを、精一杯出して最後まで戦って、ボールを奪って、ゴールを目指す戦いが出来たんですけど最後のところ、やっぱり点が取れなかったところは自分の中でも、トレーニングでそこまで構築できていないところで、点をとれなかったのは自分の采配のところなので、選手は精一杯やってくれたので、胸を張って次のゲームで勝点3を目指してトレーニングしていきたいと思います。
●冨樫監督 質疑応答
–試合の中でトレーニングの成果が一番出ている部分はどこか？
今日、選手たちにも走るというところがポイントに上げていた中で、うちの両サイド、ディフェンスを含めて、サイドハーフも含めて、相手の深い位置に入っていく。また戻ってくる。アップダウンを激しく繰り返してくれたことによって、相手のストロングな部分が少なくなっていったと思っています。
–今年のベルマーレは歴史に残るチームだと思うが、今、差を感じているところや学んでいきたいところは？
平均年齢も変わらなかったし、自分たちがやるべきサッカーの部分で言えば、単純にボールを奪って、走ってっていうところで言えば、積み重ねが見えるチームで自分たちはまだまだ、積み重ねが少ない、ただ今までの今日までの試合と、またこれからの6試合で自分たちは少ない日数で試合でありながらも、トレーニングの中で密度を濃くしていこうと話しているので、早く追い付かなくてはいけないなと。選手たちにトレーニングをしてきて、戦って、勝ってきたっていう余裕を感じのが、今の自分たちに足りないという風には思うし、自分たちがそこにいけるんじゃないかという手応えも感じています。
–湘南に対して何か対策をしていた部分はありますか？
そこの部分でいったら湘南戦ということではなくて、自分たちが前へ選択する、「前へ」っていうキーワードの中で、攻撃方向であったり、守備であったらインターセプトから入るとか、自由を奪うというところのスタートの中で選手たちはしっかりやってくれていたなと。ボールを奪う部分でいったら、どこから誰に誘導させてどこで奪うっていうことはそれぞれのチームの中で、今日もベルマーレさんに対しては少し分析して、選手たちと話しをして、そういう狙いどころはあったかなと思っていますし、まだまだ自分たちは相手のストロングを消して、そこから自分のストロングを出すよりも、自分たちが出来ることを精一杯やる中で、相手が自分たちを意識して変えてくれるようになりたいなと、だから戦うベースを含めて自分たちから主体で動き出して、ボールを奪いにいって、パスをしてボールのラインを超えていくというところをここ5試合やっているところです。
【選手コメント】
●永木亮太
やはり勝って優勝したかったし、内容もいいか悪いかといえば悪い試合でした。自分たちらしさを90分間通してなかなか出せなかったので、試合が終わったあともみんなの顔を見るとスッキリしてない顔の選手がたくさんいた。やはりうちのチームは結果だけでなく試合のプロセスや内容も求めているということがあらためて分かりました。
（胴上げについて）曺さんを1年でJ1にまた復帰させたいという思いも自分のなかにあったので、そのために少しでも力になれればという気持ちでチームに残りました。3年間で2回昇格した監督のもとで力になれたことはうれしいです。
サッカーは甘くないスポーツなので、なかなか目標に掲げてもできないことが多くあるし、自分のサッカー人生もずっとそうでしたけど、目標としてきた昇格や優勝ができた。でもまだまだこれから先のサッカー人生が大事だし、もっともっとレベルアップしていかなければいけないと思っているので、来年J1ですが、そこでどれだけ自分もチームもレベルを上げるかがいちばん大事だと思っています。
●秋元陽太
優勝うんぬんより今日のヴェルディ戦のことしか考えていなかったので、松本が勝った時に、今日勝たなければいけないと思っていました。
（優勝について）素直にうれしいです。人生で初めて優勝というこんな大きな経験ができてほんとうにうれしいですし、支えてくれた方々に感謝しなければいけないなと思います。
今日の試合については、取られ方が悪かった部分はありましたが、最後のところでコースを切ったり体を張ったりということはできていました。でもヴェルディさんもハードワークして球際にもガツガツ来ていたことに対して、受けてはいなかったけれど、取られ方が悪くて自分たちのリズムに持って行けなかったのかなと思います。
自分としてはロングボールに対する出る・出ないの判断と、クロスやセットプレーの配置などをしっかり意識してそこで失点しないようにしていました。シーズンのなかでもこういう試合はあると思うので、いちばんは負けなかったこと、最低限勝点1を取れたことはよかったかなと思います。残り試合も1試合でも多く無失点で終わるゲームをつくっていきたいなと思います。
●遠藤航
優勝を自分たちの手で勝ち取る権利があったことは幸運なことだと思いますし、代表では残念な結果でしたが、今回みんなの力で優勝を決めることができてうれしく思います。
（今日で21試合目の無失点だが？）そういう記録も今年は目指していくべきだと思いますし、内容はもちろん今年は結果を大事にやってきているので、結果も含めて僕らは目指してやっていきたいと思っています。誰が出ても大丈夫なように後ろのオーガナイズはみんなが意識しているので、僕が上がったり三竿くんが上がったりしても問題はないですし、今日も奪われたあとの切り替えや後ろに帰るスピードはしっかり出せていたと思う。そういうところは失点の少なさの要因だと思うし、続けていくべきところだと思います。（J1に向けて）僕らのやるべきことは変わらなくて、この湘南スタイルのクオリティをより高めて、J1でも同じ結果を出せるようにしていくだけだと思っています。そのためにも残り6試合、来季に向けて、サポーターの皆さんに来年J1でもやれるなと思ってもらえるようなプレーを個人としてもチームとしてもしっかりやっていきたいと思っています。
●岩尾憲
サッカー人生で優勝したことはないので、そういう瞬間に立ち会い、味わえたことはこれから先も忘れられない出来事ですし、同時に今日できなかったこともあるので、それも忘れずに今後やっていけたらと思います。
（ゲームについては？）立ち上がりのところで少し相手の勢いに押されたところもあって、自分としては大事な試合ですし100％以上出すつもりで入りましたが、もっとやらなければいけないという感じも同時にある。もう一度自分のプレーを見つめ直して、一からやるつもりでやっていかなければいけないと思います。
●丸山祐市
まだゲームを通しての整理ができていませんが、今日に限らず、36試合を通して、いろいろ難しい試合もたくさんあったなかで、チームとして湘南スタイルを続けられたのは、今日ピッチに立っている選手だけでなく、練習中から全員で優勝に向かってやってきた結果だと思いますし、それが優勝という結果になったことは自分としてはとてもうれしいです。
（試合に涙が見られたが？）あのときは正直気持ちの整理ができていなくて、そういう姿を見せてはいけないと思っていましたが、申し訳ないといまは思っています。退場してしまい、個人としては今日は未熟者だったし、全然まだまだな選手だなというのは、分かっていましたがあらためて再確認することができました。もっともっと練習で局面を突き詰めなければいけないと思いました。サポーターもたくさん来てくれて、勝利で優勝を決めたかったので引き分けですこし残念ですが、サポーターが面白いと思ってくれているサッカーを継続してやらなければJ1に行ってもまたすぐ降格という結果になってしまうと思いますし、残り6試合がすごく重要だと思っています。
●藤田征也
入る時は、攻撃の面ではクロスだったりサイドを突破してやり切るということを意識していました。ヴェルディは1試合を通して厳しくきていたし、僕が入った時も運動量が落ちるのかなと思ったんですけど、落ちずに球際も厳しくきていた。でもスペースはできていたので、もう少しボールを触って、もっとクロスまで行く場面を出したかった。もっと増やしていければよかった。
（優勝については？）やっぱり優勝できたというのは、チームのスタイルを信じて常にやり続けてきたことで、こういう結果が今日得られたと思います。それは自信にしていいと思うし今日は喜んでいいと思う。今日のゲーム自体は残念でしたが、これからまだ6試合あるし、来年もあるので、優勝したから終わりなのではなく、もっと上にいけるように全員でまたやっていければと思います。
●三竿雄斗
勝って決めたかったという気持ちが一番強いです。自分自身は、全然自分のプレーができなくて今シーズン一番よくなかったと感じるくらいでした。
相手もすごく戦ってきた中でしたが、ひとつひとつの球際、パスの質、判断の部分など、もっと上げなければいけない。
優勝できたらもう少し喜べるかなと思ったんですけど…でも、まだまだ目指すところは上にあるということだ思います。今のままではJ1では戦えないと思うし、優勝は決まりましたけど、あと6試合あるので一戦一戦大事に戦っていきたいと思います。
●武富孝介
あまり実感はないですが、優勝できてよかったです。
みんなで一戦一戦大事にして、戦いながら成長してきた結果が優勝に繋がったと思います。
（ゲームについては？）今日の試合については、反省点のほうが多いというか、まだまだ改善できる点があるし、堅いディフェンスの中でも崩して得点を奪いたかった。
今日のような試合の入り、前半のプレーではダメだと思うので、残り試合ではもっと球際からハードワークしていくことが必要だと思います。6試合、一戦一戦大事に戦っていきます。