Message50周年メッセージ

岩尾 憲 選手 IWAO KEN 2011年~2014年 湘南ベルマーレ在籍
生年月日:1988年4月18日
出身地:群馬県
ポジション:MF
湘南ベルマーレで40試合出場0得点

まずは、ベルマーレ創立50周年おめでとうございます。
そして、先日のルヴァンカップ優勝おめでとうございます。最後の曺さんの涙に、僕もテレビ越しにもらい泣きしてしまいました。
今は7年間、曺さんが監督をしていて、他の43年間は他の監督さんがチームを率いてきた中で、地域密着の「湘南ベルマーレ」というスタイルを貫き続けたクラブが歩んできた50年目の初優勝は本当にすごいことだと思います。
自分が在籍時に、曺さんがサポーターの皆さんとスタジアムで激しく意見を交わし合ったりする姿も見てきたので、決して順風満帆なことばかりではなかったと思います。優勝後に「選手にお疲れ様って言いたい」とか「サポーターの皆さんに感謝している」と言える曺さんの人としての大きさを感じました。

自分が30歳なので50年という時間に実感が沸きづらいですが、50年という歩んできた歴史があって、そんな伝統のあるクラブでプロキャリアをスタート出来たということ、4年間在籍出来たことは自分にとって大きな財産です。すべてが良いことばかりだけではなかった50年だと思います。ただ勝てればいい、サッカーが出来ればいいということだけではない価値を作ってきたのだと感じます。

僕にとって湘南ベルマーレはプロの扉を開いてくれたクラブです。
当時の強化部長の大倉智さんに言われた言葉は今でも覚えていて、代表歴や選抜歴がなくてエリートではない僕には判断材料があまり無いということで、過去一番、練習生としての期間が長かった選手だったと聞きました。自分という人間をプロサッカー選手としてどのように見出していくかということは難しかったと思うのですが、可能性を感じてベルマーレに入団させてくれたことは、人生の分岐点でしたし、それが湘南ベルマーレというクラブだったことも僕にとってとても大きな財産になりました。
当時のことを思い返すと、夢を叶えたという自分と、これからどうしたらいいのかと迷っている自分がいて、嬉しい反面不安だったというのが正直なところだったことを覚えています。

一番記憶に残っている試合は、2014年6月28日(土)vsギラヴァンツ北九州(J2第20節)ですかね。亮太(永木選手)が怪我で出られずに僕が出場することになって、その時に吉濱遼平も一緒に出場しました。
試合前のアップでサポーターに挨拶したときの光景は今でも鮮明に覚えています。亮太が出られない中で、正直自分自身確固たる自信が持てていなくて、たぶんサポーターの皆さんも不安だったと思いますが、「岩尾頼むぞ!」という期待をすごく感じました。
その試合をたしか2‐0で勝って、吉濱が1点目をアシストしました。別に優勝が決まるとか、昇格が決まるという試合ではなかったのですが、僕のサッカー人生の中ではこの試合は良い意味で記憶に残っています。僕の記憶が正しければこの年、優勝しました。

一番思い出深いエピソードは、トルコ合宿での出来事です。
ベルマーレを離れた今でも曺さんと話すことがあるのですが、毎回のようにこの話をします。そのトルコ合宿で初めての練習試合ですごく怒られて、宿舎に戻ってからも部屋で映像を見ながら、「お前は戦っていない、サッカーをなめている」ってすごく叱られました。
次の日の朝、自分だけ白石分析コーチに呼ばれて、「憲ちゃん、これ見て」とパソコンで見せられたのが「世界は戦っている」というタイトルの映像でした。海外
サッカーの映像で、ファールと言えばファールなんですけど、本当に激しいプレーの動画集で。
「世界ではこうやって戦っているんだぞ。お前はどうなんだ。世界を戦うということは、止めないといけないところでは死ぬ気で、絶対止めるんだよ。お前にその気持ちがあるか?」って言われました。
今までアプローチされたことのない部分だったので、そこから考え方というか、サッカー観、プロとして「勝つ」ということがどういうことなのかを、その時「芯」で受け止められました。それをバシッとぶつけてきてくれたし、このことは一生忘れません。これが今の自分を作っているといっても過言ではないくらいの出来事でした。他にもいっぱいありますけどね。

自分自身4年間湘南ベルマーレに在籍させてもらって、何かをクラブに残せたか、自信をもって「これ」というものはありませんが、今回のルヴァンカップ優勝も含めて湘南ベルマーレに在籍出来たことを誇りに思っています。
そんな魅力あるクラブを支え続けてきたサポーターの皆さんを尊敬していますし、オンリーワンだと思っています。
僕もいちサポーターとして常に気にかけていますし、ほとんどの試合を今でも見ています。これからもサッカーを通してつながっていられたらいいなと思っていますので、お互い頑張りましょう!

【About IWAO KEN】
日本体育大学を卒業後、2011年に湘南ベルマーレに加入した岩尾選手。2014年まで4年間在籍し2015年は水戸ホーリーホックで、2016年からは徳島ヴォルティスでプレーしています。
クレバーで技術に優れたボランチとして活躍中。徳島ではキャプテンを務めリーダーシップを発揮しています。
ベルマーレ時代から統率力や責任感の強さ、そしてサッカーへの情熱がプレーに表れる魅力的な選手。
湘南から、岩尾選手のさらなる活躍を祈りましょう!