ONLY ONE STORY

13 FW ISHIHARA NAOKI

MY STORY

-経験を積み重ね

高校を卒業してベルマーレでプロになった1年目のことは、余裕がなくていっぱいいっぱいだったので、所々しか覚えていないんです。
ただ、開幕戦に途中交代で出場した記憶だけは今も鮮明に残っていて、地に足がついていなくて、頭が真っ白になる感じだったことを覚えています。本当の“勝負”というのはプロに入って初めて経験したので、とにかく夢中でプレーしていました。

1年目は試合に絡めた時と絡めない時を両方経験して、この世界でやっていけるのかという不安と、通用する部分を感じられたこともあったので、不安と自信が半々という気持ちでやってました。

ターニングポイントは3年目に腓骨を折るケガをしたことだと思います。
ケガは良くないことですけど、サッカーから離れたことでいろいろと考えさせられました。プロで戦っていく身体を作ること、そして外から試合を観ることでピッチの中とは違った視点からサッカーを感じることができました。
それが湘南での4年目、5年目、6年目繋がったかなと思います。監督の交代もありましたけど、変わらず試合に使い続けてもらえました。
今振り返っても、ケガが自分の意識や考え方に影響を与えたと思います。

年を重ねるごとに、湘南がだんだんとJ2で順位を上げていきJ1が近づいてきたことを感じていたので、他から話をいただいても、残って勝負していたのですが、いいところまではいけても上がることができませんでした。
湘南でJ1に上がりたいという気持ちが一番でしたが、自分の中でJ1で戦いたいという気持ちが年々強くなっていき、J1へ個人的なチャレンジをすることになりました。

移籍をした大宮では、J1の中でもできるなという手応えを感じることができました。ただ、得点は常に一番、二番を争っていたものの途中出場が多かったんです。途中から出て得点を取っていたので、チームとしては途中から出て流れを変えてほしいという意図だったと思うんですけど、一人の選手としては長い時間出たいという気持ちがありました。

そう考えている時に広島から話があったので、そこでもチャレンジしたいという気持ちがあって行くことになりました。
湘南、大宮では、正直細かい部分は感覚でやっていたところがあったんですけど、広島ではサッカーのレベルや質、動きの部分で全てにおいて足りないことを痛感しました。
森保さんも色々気に掛けてくれてチャンスをくれたんですけど、自分の中の引き出しがなくなってしまった。練習やキャンプで積み上げてきて自分なりにある程度広島の色に染まろうとしましたが、研究された時に自分にはもう武器がないなと。そこでさらに、広島というチームにうまくは入れてないなと気づかされました。

その時、周りに上手な選手が多かったので、とにかく選手たちを見て学びました。この選手だったらどういうポジションを取って、プレーの選択をしているかといったところを。
そういう選手の動きをつぶさに見て、実践して、プラス自分のプレーというのを見せて、自分が必要だと思ってもらえるようにプレーしました。
そうすることで、結果もしっかりついてきますし、日々の練習が試合に出るんだなということを、そこで感じることができました。

MY ASPIRATION 2021

-スタートから

その後、浦和、仙台と移籍をしましたが、常に湘南ベルマーレというクラブは僕の頭の中にありました。カテゴリーが違う時も、同じカテゴリーで対戦する時も、いつも気になっていました。
仙台を出ることになった時、紘司さん(坂本スポーツダイレクター)や眞壁さんと話して、ベルマーレ以外に行こうという選択肢は自分の中にはなかったですね。
戻ってきて、一番は懐かしさを感じました。変わってないというところもありましたし、僕がいない間にクラブとしてすごく大きくなっていることも感じました。

去年は僕も湘南に戻ってきて1年目でしたし、チームとしてもいろいろな矢印を探しながら戦っていた一年だったと思います。その中で、コロナもあってさらに困難な状況になってしまった。なかなか全員が同じ方向を向くことができなかった経験を、今年に活かさなければいけないと思っています。
それは監督もスタッフも選手も、みんな分かっていると思います。

去年を3つに分けると最後のほうはしっかりチームとして戦えているなという実感があります。それを最低限として今年はスタートしたいと思っています。
だんだんと徐々に修正していくのではなくて、プレシーズンの時期から開幕までにしっかりと詰めてスタートをして、いい結果を出していかなければいけないなと思っています。
個人的には、やっぱり得点を取ること。それを勝点3に繋げていきたいです。