馬入日記

【馬入日記:8月22日】「気持ちで上回って」

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ただでは胸の内を明かそうとしないのが、彼の思慮深さを表します。試合を迎えるにあたっての気持ちを聞けば「よくわからないなあ」とおどけてみせる端戸仁選手。しかし気持ちの整理が必要なのは、事実かもしれません。

「気持ちをずっと保っているのは簡単ではない」長らく続いたスタンド観戦に、燻る気持ちがあったことは間違いありません。練習でも思うようにシュートを決められず、悔しさに頭を抱える姿もありました。夏の登録ウインドーを経て激しさを増す競争のなか、端戸選手にとっては前を向く時間より、奥歯を噛み締め耐え忍ぶ時間の方が長かったかもしれません。

迎えた天皇杯4回戦、先発メンバーには端戸仁の名前が。7月11日の3回戦以来、約1ヶ月ぶりの公式戦のピッチになります。「先を見すぎるのは良くないけれど、あとで振り返ったときにこの試合がターニングポイントだったと言えるように」個人的にもきっかけにしたいという想いと、そしてもちろんチームとしての姿勢も忘れません。

「ルヴァンも天皇杯も残っていて、チームとしても試合が多くできる良い状況。これを続けていけるようにしたいし、自分たちは自分たちのやれることを精一杯やりたい。僕らは決してうまいチームではないけれど、気持ちで上回ってなんとかベスト8に行ければと思います」

ふと思い出したように言葉が続きます。「(齊藤)学も出るかもしれないし、もしかしたらマッチアップするかもしれないしね」盟友との再会にも胸を踊らせ、気持ちをぶつける一戦を間も無く迎えます。