監督・選手コメント

J1リーグ第11節 浦和vs湘南 試合後監督・選手コメント

監督コメント

曺監督 総括
曺監督

お疲れ様でした。
今年はアウェイの戦績がルヴァンカップも含めてあまり良くなく一度も勝っていなかったので、どういうふうにリカバーして臨もうかとスタッフと相談していました。少し出発の時間を早くしたりだとか、初めてデーゲームの試合で朝散歩したりだとか、それが良かったかどうかはわかりませんが、そういうことにトライして1%でも可能性を勝つ可能性を上げて行こうと今日に臨みました。浦和さんがどういう形で、どういうメンバーでくるかが全然わからなかったので、自分たち基準でゲームプランを考え組み立てましたが、ロッカールームで選手を送り出すときに、みんなが自信にみなぎった顔をしていましたし、「チャンレンジしよう」と声をかけることを躊躇うくらい「チャレンジするなんて当たり前だよ」という表情をしていたので、本当に成長したなと思いながらゲームを見ていました。
前半良い形で点を取れて、後半は少し押し込まれる時間が長くなりましたけれど、その時も最終ラインがビクビクすることなくコンパクトさを保っていましたし、浦和さんのスキルの高さで決定的な場面を何回か作られましたけれど、それを身体に当てて、1cmでも2cmでもそこから自分たちのリズムに持っていくという湘南らしさ、泥臭さも出せたと思います。僕がどうこう言ったというよりも彼らのサッカーに対する気持ちだとか、浦和さんに絶対に勝ちたいという気持ちがピッチに出たと思います。本当に良くやったと思います。
(梅崎)司が最後5分ほど黄緑のユニフォームを着てピッチに出ましたけれど、終わったときに「すみません気を遣ってもらって」と本人から言われましたが「そんな余裕あるわけないだろ」と答えました。彼にとっても10年いたクラブから湘南に移ってきて、いま非常に頑張ってやっていますが、湘南のリズムに合わせなければいけないところと自分のプレーを出さなければいけないところ、そこに適応することは湘南に来た選手はすごく時間のかかることです。ただ本当に彼は真摯にサッカーに向かってくれていますし周囲に対する影響力も大きいです。今日は選手たちが勝ったことも嬉しいですけれど、そういう司がサポーターの方々から激励を受けている姿を見て、そういうことも含めて良かったゲームだったと思います。
次また試合がすぐ来ますし、この勝利の余韻はバスに乗って帰ったくらいで忘れて、明日からまた次に向かっていきたいと思います。

曺監督 質疑応答

- 後半立ち上がりから選手の配置を変えていたが、浦和の出方を予想してのものか?

この前のガンバさんと対戦した時もそういう形を試して、前半の形のまま戦う時間と少し立ち位置を変える時間を、主にディフェンス面のところで分けていました。松田天馬も悪くて代えた訳ではなくて、最後の10分、15分をそうする必要があるなと思ってのことでした。ただ戦術がどうこうというよりも、選手がその戦術それぞれの狙いを良く感じ取るようになったと思います。以前は全部説明する必要があったのですが、少し言えばすぐに反応できるようになってきたなと思います。彼らの中でそういうように立ち位置を変えたところもあり、僕が言ってそうしたところもあるのですが、ピッチの中の自立感は増しているかなと思います。相手がロングボールを蹴るのであればこうする、後ろで繋いでいるのであればこうする、逆に自分たちがボールを持ったときにどうしなければいけないかという判断は、J1に初めて昇格したシーズンよりも間違いなく選手の経験値が増えてきたと思います。

- 浦和は長らく背中を追ってきたチームだと思うが、そこから勝利を得た意味をどう感じているか?

ずっと追いかけてきた中で、今日は勝ちましたけれど遠くに見えていた背中が少しだけ近くになったかなというくらいです。まだまだいろんな意味で目標にしなければいけないクラブだと思います。
ただ、僕も一緒にプレーヤーとしてやっていた堀(孝史)さんが今日の試合より前にお辞めになって、悔しい気持ちもあるのだろうなと、堀さんに何を言われた訳でもありませんが僕は思っていました。あれだけコーチと監督でクラブを支えられていた方がクラブを去って、もちろんそういう世界ではありますが、その気持ちは僕にもわかるところがあったので、そういう思いは僕も持って試合をしていました。

- 押し込まれても跳ね返すことのできる選手たちの成長をどう感じているか?

長くこのクラブにいさせてもらっているので、自分の指示が選手に届かずに負けた試合やうまくいかないなという試合は数多くこなしてきました。その中で選手同士のコンビネーションを高めるにはどうしたら良いだろうと去年、今年とすごく考えてやってきました。
自分がやってほしい理想の試合というのはありますが、選手がいま何を感じているかによって戦い方を考えていかなければいけないなか、あの展開では僕はもう少しボールをキープしてサイドに持って行って欲しかったのですが、選手は「ここまでラインを下げなければ守れる」という空気を出していました。本当は後ろの選手を入れてゴール前を固めようかなと思ったんですけれど、それをするとリズムが壊れてしまうから止めたところもあって、やっぱり選手が守れる、点を取れると思ったときはどんな戦術も超えていけると思いますし、どんな指示も無になると思います。疑心暗鬼で戦術に取り組んでもうまくはいきませんし、そこは監督の難しいところではあるんですが、最近はそういうふうに、彼らがどう感じているかを見ようとしています。ただそれが裏目に出ることもありますし、全部が正解ということはないですが、それしか選手を成長させる方法論はないかなと思います。
このきっかけは3-1から追いつかれたマリノス戦です。はっきりしたきっかけとしては。サッカーはユニット、グループでやる必要があると思っていて、Aの選手とBの選手が違うことを考えてプレーしていたらチームになんてなれません。ユニットを作ろうと思えば例えば3人の選手それぞれの個性が出た中でその3人が理解し合うことが大事。良い選手でも出られない選手がいると思いますが、その選手が出ることでBの選手、Cの選手が機能しなくなることもありますし、逆にある選手がいることでボールがうまく流れていくということもある。今の選手たちにただ「速い」とか「強い」とか「シュートがうまい」という要素だけではなくて、周囲の選手と関わり合ってプレーができるということを理解してほしいと思っていた中で、そういうきっかけになる試合があったので、その話はしました。ユニットになれていない、前後左右で話をするだけで大きく変わってくるのに誰かが助けてくれるという状況になっているよ、という話をしました。

- ユニットという面ではどのような手応えの試合になったか?

欲を言えばというか、浦和さん人数をかけて攻撃をする中で、我々の後半のボールの動かし方はもう少し落ち着いてというか、相手コーチに早く入れるように人数をかけていこうとするところでボールロストしてしまうことがあるのでそういうところは反省しなければいけません。ただ時間を使って1-0で逃げ切ろうとしていた試合ではなかったですし、2点目を取ろうとする中で起きていたミスではあったので、そういう意味で勝負に対する臨み方の意識を共有するユニットはそれぞれで持っていたと思います。

オズワルトオリヴェイラ監督 総括

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オズワルトオリヴェイラ監督 質疑応答

- 敗戦は受け入れ難いと思うが、後半の攻撃の姿勢はポジティブな要素ではないか?

少なくとも選手たちのリアクションは見られました。前半とは違った姿になったと思います。ただ前半後半を通じて抱えていた問題は同じでした。形を作ってもそこで点を取ることはできませんでした。力強さやエネルギーが欠けていたかなと思います。

- 両ウイングバックを交代させてから状況が改善されたと思うがどう感じているか?

繰り返し同じ選手がプレーしなければいけないという状況が続くなか、その連戦の中で一番影響を受けるのが両サイドのウイングバックです。長く走ることでエネルギーを消費してしまう。また宇賀神選手は怪我から復帰して間も無く、先日のレイソル戦も札幌戦も90分はプレーできませんでした。今日の試合も90分プレーできないのであればエネルギーをセーブさせる意味でベンチに置いておきました。

- 連敗スタートとなったが短期的にどのような修正が必要だと感じているか?

日本に来て1週間が経ちますがその中で浦和の試合は3試合見ました。そして練習の時間も1週間したなかった中で、私も監督業についてはよくわかっているつもりですが、短期間で水をワインに変えるようなことはできません。時間が必要なことだと思っています。時間の経過とともに選手を見極め、誰が必要な仕事ができるのかがわかってくると思います。

- 終盤マウリシオ選手を前線に上げたが一方で選手はロングボールをあまり前線には入れなかった。どうすべきだったと感じているか?

90分戦ったところで点が取れなければ別のオプションを試さなければいけません。そして今日の試合ではすでに3選手交代してしまっていてFWを増やすことができなかったので、点を取ることに慣れているCBが前に上がって行っていました。マウリシオが上がっていく場面もありましたし、槙野が上がって攻撃参加する時間もありました。そうして別のオプションをトライしていったということです。

- 山田直輝選手が今季リーグ戦で初先発となったが評価は?

今日はあまりうまくいかなかったかなと思います。私が以前日本にいたときから知っている選手ですが、非常に将来有望でスピード、アジリティ、俊敏性がありボールの扱える選手だと思っています。札幌戦、柏戦との試合で興梠選手が前線で孤立している場面があったので、長澤選手を休ませる目的があったのと同時に山田選手が入ることで興梠選手のサポートをしよりアグレッシブにプレーする、そのボリュームを増やすことを狙って彼を起用しました。

選手コメント

MF 6石川 俊輝
石川 俊輝

浦和には勝てていた印象がやっぱりなかったので、そこからアウェイの地で勝てたことはチームとしても大きいですし個人的にも嬉しい勝利です。湘南らしく一体感を持ってまとまってプレーできたことが勝利につながったと思います。ただ自分たちの時間じゃないときにまだまだ慌ててしまうところもありますし、そこに突けこまれてしまうこともあると思うので、そこは我慢すること、そこから自分たちの時間に持っていくことを考えてプレーできるようにしていきたいです。またひとつひとつのプレーの質だったり運動能力、判断の部分はまだまだ浦和の選手に追いつかないところだと思いますし、そいういうところからしっかり向き合って、近づいて追い越していけるように日々練習からこだわってプレーしたいきたいと思います。

DF 13山根 視来
山根 視来

まずこのスタジアムで浦和レッズと試合をやるということをすごく楽しみにしていました。
チームとして今日は前半ボールを動かすこと、ラインを下げないことを遂行していた中で1点を取ることができました。後半はずっとボールを持たれていましたが、湘南本来の姿であるゴール前でしっかり身体を張ることの温度は非常に高かったと思います。欲を言えば奪った後のボールをしっかりと繋げたらもう少し押し込めて相手陣内でボールを握ることもできたのかなと思います。
この前の試合も無失点で終えられて、DFラインは若い3人ですけど中でよく声を掛け合ってやれていると思います。浦和相手に無失点で終えられたのはすごく自信になります。(先制点の場面は)こぼれ球を拾って前に入れようとしたのですが、ちょっと勢いで行き過ぎても、と思って止まったタイミングでミカ(ミキッチ)が良い動き出しをしてくれたのでパスを出せました。(パスが綺麗に通って)自分でもびっくりしました。ミカの特長は右足のクロスだと思いますし、そこを今日はどう活かそうかと考えていたので、ミカにスペースを使ってもらえるようにしていました。

MF 2菊地 俊介
菊地 俊介

僕がチームに加入してからも浦和に勝ったことはなかったですし、チームとしても21年ぶりの勝利だと聞いたので、歴史的な勝利を埼スタで挙げられたというのはチームの自信になると思います。勝点3が取れたことが1番だと思います。
初めてこのスタジアムで戦った選手やJ1の経験も多くない選手がいる中でも、僕らみんなが堂々とプレーしようとする姿勢はあったと思いますし、それは前節ホームでガンバ相手に勝てたことも大きく影響していると思います。連戦の中で連勝できるとチームとして波に乗っていけるところもあると思います。浦和相手に失点をゼロで抑えられてなおかつ勝点3を取れているということはすごくポジティブな要因だと思います。またすぐ試合があるので続けていけるようにしたいです。

GK 1秋元 陽太
秋元 陽太

マリノス戦での4-4など、いろんな試合を乗り越えてその反省を生かした結果がこのガンバ大阪、浦和レッズとの2試合で出たと思うので、これを続けていければと思います。DFラインとは試合中たくさん声を掛け合いながら助けあう意識が強いですし、だからこそ僕も落ち着いてDFライン3人の力になれるように意識してやっていました。個人的に試合に出るようになってからも浦和さんに勝ったのは初めてなので今日の結果は本当に嬉しいです。ただ次からのホーム2連戦が大事なので、すぐ切り替えて次の試合に向けてやっていきたいと思います。いま良いチーム状態で戦えているので、ホームで勝てるよう戦っていきたいです。

MF 41ミキッチ
ミキッチ

非常に今日はよく戦ったと思いますし、全ての選手におめでとうと言いたいです。難しいアウェイでの試合でしたが身体を張るところは張って、戦うところは戦って勝利を摑み取れたと思います。先日ガンバ大阪相手にも良い試合をしましたし、マリノス戦でもしっかり勝点を取れたので、戦い方に結果が付いてきていると思うのでそれを続けていければと思います。長らく浦和に勝てなかったというネガティブな記録は自分たちで破っていくことが大事でしたし、そうすることでチームの成長にもつながっていくと思います。

MF 7梅崎 司
梅崎 司

ピッチに入ってからは絶対に守り切るんだという一心でプレーしました。その瞬間を迎えられた時は純粋に嬉しかったですし、本当にベルマーレの一員なんだなと改めて実感しました。投入されてからは守備のところ、ポジショニングや味方を助けるプレーを意識してピッチには入りました。(試合後浦和のサポーターから声援があったが)込み上げるものがありました。直接挨拶をできていませんでしたし、その中で僕のユニフォームを持ってきてくれている方もたくさんいて「頑張れよ」という言葉もたくさんもらえました。特別な感情がありましたし、移籍した意味をサポーターの方にも見せなければと思いました。