馬入日記

【馬入日記:9月29日】純粋な競争

IMG_4623「いまいち攻撃にエネルギーを使えなかった感じがします」先週末の京都戦を振り返り、岡本拓也選手がとつとつと言葉を紡ぎます。

「前半のうちに点が欲しかったなというのはあります。難しい試合でした。後半はもう少し前から(ボールの出所に)フタができれば良かったですけど、やっぱり蹴られることで間延びした感じがするし、それで前が行けなくなるという悪循環になってしまった。セカンドボールを拾うことができればというのが理想でしたけど、相手のそこに対する圧力もすごかったですし、ゼロで終われたというのは最低限だったと思います」

スコアレスドローに終わった京都戦、苦しみを伴った試合になったものの、しかし岡本選手にとっては8月5日の松本戦以来の出場となりました。約1ヶ月半のブランクで70分間の出場、「しんどかった」と語った試合後には、併せて「もうちょっと頑張れねえか」と自身に悔恨の念も浮かんだそう。それでも確かに踏んだこの1試合の経験が、次戦への助走になったことは間違いありません。

思えば離脱したのは暑さがピークを迎える8月の半ば、それまで多くをフル出場してきただけに悔しさがこみ上げました。

「夏場の最後のきついところで離脱しなければいけなくなって、チームに迷惑をかけてしまうなと思いました。でもその中でもみんなが結果を残してくれた。若干複雑な想いもあったけど、やっぱりチームが勝って良かったし、だからこそ自分は自分で早く怪我を治して、すぐにコンディションを整えられるように気持ちと身体の準備をしようと思っていました」

満を持して迎えた京都戦、早速の先発出場に不安がなかったわけではないながら「やるしかない」と自身を奮いたたせます。果たして遂行した70分間のパフォーマンスは、「当然もうちょっとできれば良かったですけど、そんなにうまくはいかないと思っていたので」満足はいかないまでも、着々と整えてきた心と身体が出しうる全力をぶつけた結果でした。「変ですけど、ちょっとほっとした感じはありました」語る表情に、もう不安の影はありません。

残すところ2ヶ月を切ったシーズンに、改めて日々の馬入に注ぐ想いがたぎります。

「やっぱり純粋な競争をしたいと思うし、本当に良い選手が試合に出るべきで、そういう人間になれるように日頃の準備と練習でのパフォーマンスを大事にしていきたい」

ありきたりな想いですと、いつものようにはにかむ笑顔が戻ります。誰にも定位置がない切磋琢磨の毎日に足を踏み入れ、岡本選手は再び競争の日々を楽しみます。