ボイス

【ボイス:2016年4月10日】藤田祥史選手

藤田祥史選手VOICE
J1で結果を残すために来た
二桁得点とコンスタントな試合出場を目指して

いつもの年より1週間早く開幕した今シーズン。
リーグ戦を5節まで終えて未だ勝利はないが、
曺貴裁監督の今シーズンに懸ける思いが伝わる
アグレッシブな戦いぶりを選手たちは披露している。
そのチームのなかで頼りになる存在感で攻撃陣を引っ張る藤田祥史選手。
チャレンジ精神旺盛なベテラン選手は、
ペナルティエリア内での駆け引きのうまさで
湘南スタイルの深化の一端を担う。

ベース部分をより突き詰めてこれまでにない深化を目指す

 攻守が一体となった湘南スタイルの、さらなるアップグレードを志す2016シーズンが開幕した。5年目の指揮を執る曺貴裁監督は、開幕前から「昨シーズンとの違いは試合を観ればすぐにわかる」と話していたが、リーグ戦を5節まで戦い終え、勝点3を得ることはできていないものの、攻撃への強い意志を感じるパフォーマンスにその言葉の意味がにじみ出ている。守備から攻撃へ、攻撃から守備へ、一瞬の隙なく転じるのは、すべてがゴールを得るため。相手にボールがあるときには、攻撃に軸足を置く最前線のフォワードの選手もボールを奪いに走り続ける。今シーズン、そのスイッチの役割を一番多く果たしているのが藤田祥史選手。守備に走り、攻撃の起点となり、攻守に渡って惜しみなく動き、チームに貢献している。

「勝ちきれてないけど、広島や川崎みたいに強い相手に対しても、逆に自分らがリードを奪えるくらいだし、最後の最後に追いつかれちゃったって感じなんで。今やっているサッカーをもっと突き詰めて、もっと精度を上げてやれば勝点は取れるんじゃないかなっていうのは思います」

 ここまでの戦いぶりを振り返って感じているのはキャンプから積み重ねてきたものへの信頼。まだまだ足りないものが多いことも肌で感じているが行く道へ不安はない。

「やることはブレてないし、去年よりも突き詰めてやっていて、さらに進化しようとしている曺さんの意欲はすごいと思うし、そういうことが選手のモチベーションにもなっていて、ついて行こうという意欲も高くて、キャンプからいいトレーニングができていたと思います」

 “突き詰めている”のは湘南スタイルのベース。例えば、去年よりも選手同士の距離を近くしてコンパクトさを保ち、攻守の切り替えを一層意識する。守備に回った時に2度3度と追い、前線からのプレスをさらに機能させていく。攻撃面ではボールを持ったらまず前を見る、チャンスには味方を追い越して攻撃に参加していくといったところ。観る側にとっても慣れたパフォーマンスではあるけれど、湘南スタイルを標榜するチームのアイデンティティーを支える部分だ。

「特別な約束事ってそんなにないんです。湘南が目指している、やりたいサッカーをやるために、チームとしてやらなあかんことははっきりしてるから。もちろん守備について最後のところはどうせなあかんといったものはあるけど。でも攻撃面では特になくて、曺さんはどっちか言うたら選手個々の判断を尊重してくれる」

 個々の判断を尊重するなかにも湘南スタイルを深化させていくために磨くべきプレーが何であるかの意思統一や目標はある。

「今年は攻撃回数を増やしたい、特にペナルティエリアの中に入る回数を増やしたいって曺さんが言っている。チャンス自体を増やせばね、点が決まる確率も増えるから。ここまでの試合でも点は取れているし、そういう意味では最後に追いつかれて引き分けた試合は勿体なかったと思うけど、ポジティブに捉えれば(サンフレッチェ)広島に2点取れたし、川崎(フロンターレ)に4点取れたし。もっともっとアイデア出して回数増やせば点も取れると思うんで。そこはもうちょっと突き詰めたいなと思います」

 タイムアップの笛が鳴るまで攻撃の姿勢をとり続ける湘南スタイル。今シーズンもまた新たな深化を志している。

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