監督・選手コメント

J1リーグ1stステージ第2節 川崎vs湘南 試合後監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
神奈川ダービーということで、フロンターレさんもホーム開幕でサポーターの方々も今年のフロンターレを占うような雰囲気で応援されていたと思います。我々のサポーターも2000人を超える方々が駆けつけてくれたと聞いていますし、最後まで声を絶やさず応援してもらいました。

今日の試合について‥うーん、何というか、面白い表現が見つかりませんが、得点を取る形が理想的すぎた一方、そんなに甘くはないなとも思っています。
勝点3を取りに行った試合で、最後彼らの個人の力も含めて追いつかれたということを、さっきは選手に「前向きに捉えよう」と言いつつも、会見場まで来る2分15秒くらいで「勝ちたかったなと」という矛盾した想いでいます。
ただ、今年皆さんからいろいろ言われているような「湘南ってどうなっていくんだろう」という声が我々にも入ってくる中で、選手達は本当に勇気を持って戦ったと思います。
皆さんから見たら「何だよこんな下手くそな、もうちょっとちゃんとやれよ」と思われるような所もあったと思いますが、それは監督の指導が悪いんだろうなとも思っています。

ただ、本当にブンデスリーガで見られるような攻守の入れ替わりとか、球際も今日は本当にお互いフェアな戦いでしたし、レフェリーの高山さんからも本当に良いゲームでしたと言ってもらえました。
僕は個人的にはこういうスペクタクルで動きの多い試合は好きなので、そういう意味でフロンターレさんの技術の高さやパスの精度が我々の良さを出してくれたと思います。
我々も足を止めない良さを出せたと思いますし、もし僕が上から見ていたら本当に良い試合だったなと自画自賛していたでしょうが、僕はベンチにいたので、何で勝てなかったのかなと、そういう思いです。

●曺監督 質疑応答
–2年ほど前に「湘南スタイルとは何か?」と曺さんに聞いたら「それは勇気だ」と答えた。今日の4点目の岡本の点などはその湘南スタイルにピタッと当てはまると思うが、それはどうか?

3バックの選手にいつも攻撃に参加しろって言ってるわけじゃないんですけど(笑)
でも、アイツ確かJリーグ初ゴールだったと思います。浦和さんで悔しい思いをしてうちにきたと思うんですけど、その想いがあのゴールに乗り移ったと思うので、指導者としては本当に嬉しく思います。

–前半と後半の見え方は違うと思うが、前半の45分を後半も同じようにやりたいという感じか?

いや、あの失点の仕方はお粗末なので、同じことは逆にしたくないです。
でも、フロンターレさんとは本当に90分プラスアディショナルタイムまで考えて戦わないと、1点リードしていても逆転されることもあるし、逆にリードされていても最初の得点差で推移しないと勝ち目がないなと思っていたので、そういう意味では理想的な展開で、理想的なゴールだった。ただ、自分たちに目を向けるとまだお粗末なプレーが多いし、プロとして恥ずかしいような直さなければいけないようなプレーは相手に比べると格段に多いと思っていますので。ただ、それをネガティブに捉えるのではなくて、我々のチームで次に向かうために、勝点1を取りながら課題をもって来週に向かえるというのはポジティブに考えたいと思います。

–選手交代のタイミングについては?

フロンターレさんは二人の選手を代えられて、勝負にきたなということは分かったのですが、うちは前半全体的にそんなに悪いリズムだと思っていなかったので、慣れたメンバーを使いながら、交代3枚の切り方を考えていました。俊輝(石川)が慣れないサイドをやりましたがいい形で機能してくれていたので、それも含めて、チームとしてのバリエーションは今後に繋がるものだったと思います。

–本当にアグレッシブで攻守の切り替えも早かったのですが、その中で攻から守に切り替わった時の守備で、起点になる相手側が上回ったのか、湘南の立場でいうと課題があったのか?

どちらもあると思います。川崎さんは技術の高い選手が多いし、アイデアのある選手も多いので。うちが相手を振り切って出ていく時に、最後シュートで終われれば、さっきの拓也(岡本)のゴールのようにいいゴールになりますし。それを取られてしまったら、今度攻め残っている選手が、相手はプラス1になっているのでカウンター返しみたいにされますよね。
そこのところが、指導者として勝っているからいくな、と言うのか、ここは勝点1でいいからいいタイミングでも数的優位を作るな、と言うのは僕は違うと思っています。それは選手の判断でいくならそれを尊重してやりたいと思う。
ただ、ボールを失ったあとに後ろと前の状況がコンパクトになっていて、次に二次攻撃ができるようにならないと、強いチームとは言えない。
我々はゲームをオープンにしたいためにそういうサッカーをしているのではなくて、逆にクローズな状況で推移しながら、オープンになった時に点が取れるチームにならないとこのリーグを残っていけないと思っています。
おっしゃるとおり反省点でありながら、彼らの勇気を削ぐようなやり方をしたくないと思っています。

–その部分での課題とは強さなのかポジショニングなのか?

それは一言で言って、情けないですが経験というものだと思います。要は経験値の高い選手が相手にたくさんいて、失くしてはいけないプレーが少ない。我々はそれが多い。そういうところを、ビデオを見てここが悪かったと解決できるというわけではない。それはレベルの高い相手とやればやるほど違いがある。ただ。それはネガティブな話ではなくて、そういうことを経験していかないと、積み上げがないと思っているので。それは次に向けてやっていきたいと思います。

●風間監督 総括
残念なゲームで終わったということは間違いないですが、やはり普通であれば犯していけないミス、これを犯しすぎたというところ。
それからもう一つは、後半は我々がゲームを完全に支配したというふうに思いますけれども、その攻撃の手を何人かは緩めてしまったというところ。
この2つはこれから本当に個人個人の自覚で変えていかなければならないと思います。
チームとしては力はついてきたというふうに思いますけれども、やっぱりその中でミスというのはチームでするものでなく誰か個人がするものなので、そこのところは厳しく皆が変わっていってほしいなと思います。

●風間監督 質疑応答
–ハーフタイムに「シンプルにサイドを使おう」という指示を出していたがその意図は?

本当は選手が中で気付いてくれればよかったんですけれども、普段であれば中盤の憲剛(中村)と僚太(大島)のところにボールを入れれば相手の足が止まるんですけれども、相手がど真ん中だけ狙っているので外に出すとそのまま行けてしまうんですよね。
だからすごく走れるし、空いているので相手も走らなければならないので。
そこは無理に中央ではなくて、シンプルな判断で、サイドの両脇から入れるのでどんどんそこを使って相手を動かしながら行けという話をしました。
試合後半の立ち上がりはうまくいったと思うんですけれども、途中でなぜか知らないけれど止めてしまったんで。
そこはやはり僕は不満だったので、話をしました。

–ボールロストをした後に厳しく奪い返しにくる湘南に対して、一つ目の外すプレーというはどう意識していたか?

ボールを取られたところというのは一番プレッシャーのきついところなので、できるだけシンプルな判断、早い判断で行こうと。
ただ普段トレーニングの中でもっと早い中でやっているので、それは彼らの中ではそんなに早いとは思っていないはずです。
ただ判断のミス、もしくはちょっと中でひとつためてしまったり、そういったことで失敗していることも多いので、まだまだ伸びるところだと思います。
まだそれほどできているとは思っていないです。

–去年よりパススピードが上がったように感じるが、それは何か意識しているのか?

これだけ続けていることですから自然にパススピードは上がってきています。
あとは目が早くなってきているのは確かですね。
何を見つけるのかと、それが共通になってきたことは非常にいいことだと思いますし、確かなことだと思います。
ただそうなるとまた技術が必要となってくるので、そういうところもそれぞれが高めていく。
選手は本当に良くやってくれているとは思いますけれども、先ほど厳しく言ったところはやはりもったいないところなので、突き詰めていきたいと思っています。

–ボールを失った後の連動した守備が印象的だったが、意識して取り組んでいる成果か?

攻守一体というものが我々の考え方なので、それだけ相手を押し込まないと前から取りに行けと言っても無理な話なので。
今ではある程度押し込めるようになったので、だから取られたところでボールを奪い返してなるべく長い時間攻めようと、できるだけ相手のコートでサッカーをしようとやっています。
ただもちろんそれだけではないので、2段3段という考え方、前で奪えなければもう一度全員が前に行かせない守備をする、それからまたそれを戻してボールを奪うと。
そういう事もここのところやってきていますので、選手は理解しています。
ただし、間違ってもらっては困るのが守備をしているわけではないので、できるだけ攻めることに対しての対応。
ただまあまだ完全に理解しきっていない、まだ甘さを出してしまうところがありますが、まだシーズンも始まったばかりですので、1年かけてしっかり強くなっていっていければと思います。

–最後にエドゥアルド選手を投入した意図は?

まぁうちの選手にパワープレーをしろと言ってもやらないだろうなと思いながらも出したんですが(笑)。
パワープレーという意図ともう一つは大きな選手を入れることで相手が下がると思ったんですよね。
その前の時間で相手のディフェンスが前に出てきていたので、そういう意味ではそこのところを下げたいなという事で、エドゥアルドがヘディングが強いことはもちろんみんなも知っているでしょうし、我々も強さは知っているので。
それで出したんですけれども、結果的には思った通り誰もクロスを入れなかったので、最終的には1、2と考えた意図の2がすごく効果的だったかなと。

–今日の試合、負けなかったととらえているか、勝てなかったととらえているか?

まだ始まったばかりなのでそれほど慌ててもいませんし、今は選手がどんどん成長していく過程だと思っているので。
そういう意味では負けなかったですけど勝ちたかった、どちらでもないという感じです。

【選手コメント】
●パウリーニョ
守備面での課題はもちろんあるんですけど、フロンターレから4点を取ることができたので攻撃面でチームのよさは発揮できたと思います。
もちろん我々は勝点3を取れそうなところまでいったんですけど、しかしフロンターレという強豪であり、対戦した中で引き分けに終わりましたが、チームの自信になる試合になったと思います。
(J1初ゴールの感想は?)もちろん得点を取ることはいいことだと思いますし、この1点に限らずこれからもまた得点を取れるように頑張っていきたいと思います。
(広島戦に向けて)1週間の間で修正するところをしっかり修正して今日のようなみんなが勇気を出し、果敢な戦いを見せたい。湘南スタイル、曺さんの考えているスタイルを広島に思い切りぶつけて挑みたいと思います。

●高山薫
自分としては、前半から目の前のボールは全部取るくらいの気持ちでやっていました。新潟戦の時より球際で勝てていたとは思います。
ただやっぱり4点取れたのでなんとか勝ちたかったです。自分たちがもっといい判断をして、いい守備をしないといけない。相手もよかったですが最後のところでフリーにしてしまったところもあった。
ああいう展開になったら、もっと自分で判断することも必要だと思うので、最後の集中力という部分でいうと、本当にどのチームもすごく高いと思う。今日は集中力が切れたほうが負けるという展開だったと思うので、あそこでもうひとつ集中するとか、身体がきつくても頑張るとか、さらに気持ちを見せるとか、そういうことが大事なんじゃないかと思います。

●岡本拓也
得点できて嬉しいですが、勝てなかったので悔しさの方が強いです。
得点の場面は勘というか、とりあえず行こうという想いで行きました。
最初に薫君(高山)がキープしている時に右のスペースが空いていたので、そっちに出て行けばチャンスになるかなと思って。
そのままボールが逆サイドに行ったので、そこからは思い切って中に入って行きました。
三竿君が良いクロスを上げてくれるかなぁと思っていたので、走って良かったです。
湘南ではより自分を成長させてたいと思っているし、やることも自分に必要なことだと思って日々練習しています。
航(遠藤選手)のプレーは非常に参考にしていますし、湘南ではどういうプレーしていたのかなとか、自分が湘南でやるイメージも含めて見ていました。
ただそうは言っても自分らしく、自分の良さを今後も出していけるようにしたいと思っています。