馬入日記

【馬入日記:1月3日】中川選手、2年間を力に2015年は柏へ復帰。

150103-12013年から2年間、ベルマーレに在籍した中川選手。2015シーズンは柏レイソルへ復帰することとなりました。
柏のアカデミーで育ち、高校を卒業してすぐに期限付き移籍で加入しました。

「トップに上がれるか上がれないかという時、レイソルではすぐには無理だと言われて。その時、達磨さん(吉田監督)に“どこのチームに行きたいのか”って聞かれて、なぜか分からないんだけど、その時に“湘南ベルマーレ”って答えたんです。試合を見たことがあったわけじゃないんです。だから本当にどうしてだか分からないけど。そしてちょうど曺さん、大倉さんと達磨さんが以前から親交が深かったこともあって、湘南に入れてもらいました」

中川選手が柏レイソルへ復帰するこのタイミングで、吉田達磨さんが柏のトップチームの監督に就任されます。

「中学3年の時に達磨さんが監督になってから状況が変わりました。僕は身体が強いわけでもないし、強いボールを蹴れるとかスピードが特別速いというわけでもなかったので、勝負どころと言えば、考えるプレーと技術しかなかった。考えてプレーすることを大事にしてくれる監督だったので、中3から試合にも徐々に出られるようになりました」

155cmという身長はJリーガーの中で最小だと言われています。
プロは無理ではないかと言われ続けた中、諦めず、自分にしかないものを磨いて夢を掴みました。プロになってからも、きっと様々な壁に当たったと思いますが、今は小さな身長が逆に自分の強みだと言い切る強さを持っています。

中川選手にとって、湘南での2年間はどんな時間だったでしょうか。

「ずっとパスサッカーをやってきた中で、最初は今までと違うサッカーに馴染めなかった。いろいろな人に相談もしたけど、いまやっているサッカーに没頭するしかないし、やらなければ見えてこないとも言われました。最初は嫌々やっていたところもあったけど、だんだんこの湘南のサッカーの深みが分かってきた。曺さんの考えは、いろいろなものを越えていて、概念を覆そうとしていることをようやく理解できた。今ではJ1のサッカーを越えていると思う。もしかしたら、最初から湘南のサッカーに徹していれば、湘南のサッカーボーイだったのかもしれないなと思う。そのくらい、好きになれました」と。

一番印象に残っていることは?と聞くと…

「自分自身の性格が変わったこと」という答え!

「特に最初の頃は、僕の性格も性格ですごくつんつんしてたし(笑)、迷惑をかけてしまいました。でも、それでもみんなよくしてくれたし、みんなが僕の性格を変えてくれた。親にも“変わった”と言われます。自分のことだけを考えるのではなく周りのことを考えられるようになったと思います」

そんなチームメイトに伝えたいこととは。

「難しくてガキだった中川を温かく迎えてくれて、変えてくれてありがとうと言いたいです。本当にいい戦友だったし、これからもずっと繋がっていたい。辛いことも一緒に乗り越えられたし、みんながいたからやってこれたと思うので、本当にありがとうという気持ちと、それぞれのチームで頑張ろうっていう気持ちです」

2015年はアカデミーから育った柏に戻り、新たなチャレンジとなります。

「もちろんサッカーはまた違うけど、ここで経験したことを考えれば、柏に戻って何か壁があったとしても辛抱できる。我慢じゃなくて、辛抱ができると思う。いいスタートを切ることの大切さも学んだので、まず最初の1か月、1日1日を集中して入りたいと思います。人の考えを覆す、驚かせる、開幕を迎えたいと思います」

湘南で応援してくれたサポーターの皆さんに。

「僕は他のチームは知らないので感覚的に思っているんですけど、湘南のサポーターの皆さんは本当に優しくて…。2年間、よくしてもらった分恩返しできるように、もっともっと成長して、人としても尊敬される選手になりたいと思います。これからも長く応援をしてもらえたらと思います」

そして最後に。

「いま話してて思い出すと、あの高校3年の時、湘南ベルマーレっていう言葉が自分から出てきたのは、インスピレーションだったけど、正しかったんだなぁと思います」と。

様々なことがあった2年間を糧に、さらに大きな選手になることを願うばかりです。
これからも中川選手をよろしくお願いします!