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【ボイス:12月6日】遠藤航の声

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開幕14連勝を始め、さまざまな記録を塗り替えた2014年シーズン。
どんなに勝ち続けても選手たちから、
勝利を得たことに対する満足の言葉が語られることはなかった。
なぜならそこには、いつも向き合わなければならない課題があったから。
どん欲に勝利にこだわり、
勝つことへ執着心を燃やすことによって成長を加速させてきた。
リーグ戦が終わった今、
チーム全員で今シーズン求め続けた湘南スタイルの深化を、
攻守に渡って著しい成長を見せた遠藤航選手に振り返ってもらった。

voice_endo002J1で差を感じた攻撃力を磨いて
ミドルシュートも武器に

 降格から学んだのは、より強い勝利へのこだわり。勝ち点3への強い気持ちを形にするために2014年シーズンは、湘南スタイルの継続と深化をテーマに始まった。このテーマは、チームで表現すると同時に選手個々にも求められたもの。その方向性はさまざまあるが、今季の湘南スタイルの深化をもっとも象徴しているのは、ディフェンダーながらチーム内で5本の指に入る7得点を上げている遠藤選手ではないだろうか?

「シーズン前は、10得点5アシストを目標にしていて、最終的に7得点3アシストだったのでもう一息って感じなんですけど。正直、もうちょっと攻撃に絡めたかな、という気持ちも強いので、もう少し取りたかったです。その一息が足りなかったですね(笑)。そうは言っても、チームのことを考えると『今は上がらない方が良いかな』とか、そういう要素もあるし。7得点3アシストは自信になると思います」

 曺貴裁監督が指揮を執るチームでは3シーズン常にディフェンスラインにコンスタントに名を連ねてきた。ポジションは、昨年の秋頃までは3バックの中央でラインを統率する役割を果たすことが多かったが、終盤から今シーズンにかけては3バックの右に移し、まったく異なるタスクに挑んでいる。

「ひとつのポジションにこだわりを持つよりは、いろんなポジションをこなせるプレーヤーになった方が自分としては成長できるのかなと感じていた部分ではあるし、それを曺さんもわかってくれていて、去年センターバックから右で使ってくれるようになったと思う。やっぱり自分でもプレーの幅は広がったと思うし、真ん中に1枚いると思うとボールを奪うために前にも出て行きやすくなった。その分そこの運動量が増えたりして、すごくやりがいを感じてます」

 今季の湘南スタイルは3バックの攻撃参加がもっとも特徴的だ。左サイドの三竿雄斗選手はアシスト数でリーグ1位を誇り、右の遠藤選手はセットプレーのみならず攻撃の流れの中で自らゴールを狙うことがたびたびある。

「最初の頃は、僕が上がったときに三竿くん帰ってくれるかなってちょっと心配しましたけど、今はお互いが前に出て行く良さやタイミングをわかってきたと思います。ボランチの選手も俺と三竿くんが上がるのはわかっていて、その前提でやってくれていると思うし。でも、ボランチの選手もたまには上がりたいだろうし、実際に上がっていくシーンもあるけど、それをやらないと得点の機会やチャンスは作れないと思うから、そこはバランスを取りながらチャレンジして行ける、ギリギリのところを攻めていたと思います」

 特に三竿選手は、ゴールキーパーの秋元陽太選手や丸山選手がボールを持った瞬間から高い位置を取ることが多い。

「僕は、三竿くんが上がったらできるだけ下がるようにしてました。三竿くんが上がり過ぎて『俺が全然上がって行けないじゃん!』っていう試合も何回か……何回も(笑)ありましたけど。でもそこは、ディフェンスラインだけじゃなくてチーム全体として、誰かが出ても誰かがカバーするっていうことはキャンプから意識して臨めたイメージがあるので、そんなに心配はしなかった。たまにマルくん(丸山祐市)が一人で相手も一人みたいなシーンもありましたけど、でもボランチがその前に立っていたりだとか、居るべきところに人は居る。本当に危ないシーンはそんなになかったと思います。
 やっぱり、チャレンジできるって思ったときはチャレンジするべきだと思うし、そうすることで自分がやりがいを感じるのであればチャレンジした方がいいと思う。それは、前に出て行くこととか一生懸命帰ることとか、一つひとつのプレーすべて同じだと思います」

voice_endo007 チャレンジと成功体験とやりがいが良い循環を生んだ遠藤選手の攻撃面での深化。右サイドを駆け上がったペナルティエリア付近から放つミドルシュートはチームの武器のひとつとなった。

「ミドルシュートもシーズン始めから積極的に打っていたわけではなくて途中からです。アウェイの福岡戦(7月30日開催24節アビスパ福岡戦)で1回ミドルを打って、ちょっと感触が良くて。その後、何回か打ってやっと栃木戦(8月17日開催第27節栃木SC戦)で決められた。そうは言っても、決めたのは1本ですけど。でも、あの辺でボールを持ったらまずシュートを考えられるようになりました」

 何度もチャレンジする中でシュートの精度にも磨きがかかり、状況に応じてラストパスを出したり、サイドへ流れてクロスを上げるなど、試合を重ねるごとに攻撃の選択肢が増えていった。また、ペナルティエリア内に侵入していくこともあり、遠藤選手が前線へ上がっていくシーンには、三竿選手の攻撃参加とはまた違った期待を感じさせる。

「あの距離からシュートがあるっていうのは、相手にそう思わせることも大事だと思うし、そこでディフェンスが寄せてきてくれたら味方を使いやすくなるかもしれないのでチャンスも広がると思う。個人のプレーの幅という面で、ミドルを打てたり、ラストパスを出せたりというところも大事にしたい部分のひとつです」

 最終ラインの選手とは思えないほど、攻撃参加への意欲は高い。

「相手は『なんでこんなに人数が多いんだろう?』って思ったかもしれないし、たぶん嫌だったと思うんです。やっぱり『前に、前に』というのが湘南スタイルだと思うので、そこはブレずにやってきた。自分自身、去年より今年の方が攻撃の関わり方や思い切りは良くなったと思います」

 3バックの右のみならず、試合の途中からのポジションチェンジや途中投入でボランチを任されたこともあった。そういったシーンでも臨機応変に対応したことが印象に残る。

「また攻撃の話になっちゃうんですけど、3バックの右よりまたひとつポジションが前になるということは『より攻撃に行って良い』ということなのでさらに前に絡めるように意識します。まぁ、湘南だからというのもあってボランチはさらに運動量が違うっていうのは感じてますけど、でもそのやりがいはすごく感じてるし、自分の中ではボランチもやれるようにならなくちゃいけないポジションだと思うので、もしボランチで使ってくれる機会が増えればまた成長できるんじゃないかと思います。
 でもボランチは、亮太くん(永木)と俊くん(菊地)、憲くん(岩尾)も居るし、ちょっと無理って感じですけど(笑)」

 成長するために必要なのは経験と考える遠藤選手は、どのポジションに対しても旺盛な好奇心を抱く。だからこそ、いつどんな指示を受けても動じずにピッチに立つ心の準備に怠りはない。

「自分の中で、ボランチでもセンターバックでも、右でも左でも、『いつでもやれるよ』『どこでも大丈夫』っていうのは思っています。
 基本、いろんなポジションをやりたいというか、サッカーが純粋に好きなので、このポジションを自分がやるならどういうプレーができるかなとか、そういうことはたまに考えたりします。勝手なイメージですけど、フォワードだったら? とか、ゴールキーパーだったら? とか。
 サイドハーフもおもしろそうだけど、相当走りますよね。でも攻撃に関わるタイミングとかそういうところはすごく面白味を感じるので、やってみたいとは思います」

 2015年バージョンの湘南スタイルでは、どこのポジションを担うのか? 遠藤選手への期待は尽きない。

voice_endo004A代表へ繋がるU-21の戦い
湘南スタイルも自分のアピールポイントに

 ユース時代からアンダー世代代表に名を連ねてきた遠藤選手。今シーズンもまた、アジア大会へ出場するU-21日本代表に招集され、リーグ戦が佳境に入った頃にチームを離れて韓国へ赴いた。

「初めて入ったのはU-16の時。その頃はユースに居たけど代表は遠い存在だった。それが国体で優勝して(2009年神奈川県国体選抜に選出)、その後初めて選ばれるようになって、それから代表を意識するようになった。これからオリンピックがあるし、その後はA代表とか、日本を背負って戦う気持ちを持たなきゃいけないと思う。プロである以上やっぱりA代表を目指すべきだと思うし、目指さなきゃいけない。代表への思いは強く持ってます」

 遠藤選手は2016年にリオデジャネイロで開催されるオリンピック出場を目指す世代。この世代の監督として、今年から手倉森誠監督が日本代表コーチと兼任で就任した。また、2018年にロシアで開催されるワールドカップ出場を目指す日本代表もハビエル・アギーレ監督に替わり、代表のスタイルも一新された。アンダー世代の監督とA代表のコーチを兼任する手倉森監督は、A代表のコンセプトをアンダー世代の指導に持ち込み、トレーニングにあたっているという。

「A代表に入るためにやるということも最終的な目標なので。そこについては手倉森さんも、オリンピックに出場してメダル獲得を達成するという目標を掲げると同時に、その先のロシアワールドカップにここから何人メンバー入りするかということは、次のロシアで結果を残すためにも大事なことだと言っている。チームのコンセプトもそうですし、常にA代表を意識しながら僕らに話をしてくれていると思います」

 9月に開催されたアジア大会は、オリンピックに向けて新たなスタートを切ったチームにとって、1月に開催されたAFC U-22選手権オマーン2013に次いで参加した公式の大会となった。そこではアギーレ監督が採用している4-3-3のシステムも試され、遠藤選手はアンカーのポジションで出場した。また、相手や試合の流れに応じて流動的に変更されるシステムの中で、大島僚太選手(川崎フロンターレ)や原川力選手(愛媛FC)など、日頃から所属チームで中盤を担う選手たちとダブルボランチを組むこともあった。

「うれしかったですよ。将来的にはセンターバックで勝負したいというのが自分の中ではプライドとしてあるんですけど、でも今、自分が成長することを考えるとボランチやアンカーもできないといけないと思うので」

 代表では、チームとは違う中盤で起用されると同時に、湘南スタイルとはまったく異なるスタイルにも対応しなければならなかった。

「チームと代表は使い分けないとダメだとすごく思っていたんですけど、アジア大会に行って、自分の良さをより出した方が良いんじゃないかと思った。湘南スタイルをどのタイミングで出すかっていったら、まだどことは言えないんですけど、代表チームのコンセプトをしっかりやりながら、自分の良さを出すというのが一番大事。代表の選手はみんなスタイルもコンセプトも違うチームに居るから、その中で自分の良さをどれだけ出せるか、次に代表に入れたらそういうところを意識したいと思います」

 アジア大会では実際、1次リーグではチームメイトに見過ごされがちだった遠藤選手の縦への動きも決勝トーナメント1回戦、対パレスチナ戦では得点という形で実を結んでいる。最終的な結果は満足いくものではなかったが、試合を重ねるごとに代表チームのコンセプトを吸収し、お互いの良さを理解しあっていくのが伝わる大会だった。

「少ない期間でも成長しなければいけないのが代表の難しいところだし、一番大事なところだと思う。ああやって何回も何回も一緒にプレーすることが大事。短いキャンプでもそこは無駄にしないように、大事にしていこうと思ってます」

 アジア大会に出場した選手でも、所属チームに戻れば公式戦への出場機会を未だコンスタントに得ていない選手もいる。

「今回のチームは、基本的には1つ下の年代の代表に僕が早生まれだから入っているので年下の選手が多い。プレーもそうだし、チームを引っぱっていくくらいの気持ちでやらないといけないと思います。経験も、その年代別の代表の中では多いと思うので、その経験をいかにチームに還元できるか。U-19で負けて悔しい思いをしている選手がどういう姿勢で普段練習するかとか、そういうことは大事にしています。
 僕たちの年代の選手は、チームで公式戦に出ている出ていないの経験の差も結構大きいと思う。でも、今回アジア大会で試合に出られて経験を積めたのは一人ひとりにとって良かった。それを次に繋げていくことが一番大事。自分もこうやって試合に出続けてるけど、さらに成長するためにっていうことを常に考えてる。そういう人の集まりが代表チームだと思うから」

 1993年2月生まれの遠藤選手は、’91~’92年生まれの選手で構成される世代別代表と、’93~’94生まれで構成される代表でそれぞれ招集され、2010年と2012年に「AFC U-19選手権」に出場し、いずれも準々決勝での敗退を経験している。アジアで戦う難しさをたぶん誰よりも実感として得ている選手のひとりだ。今回のアジア大会ではまたしても準々決勝で敗れ、その悔しさを噛み締めることとなった。

「今の僕たちの実力はアジアの中で『オリンピックに出られるか?』くらい。だから、『オリンピックでメダルを取る』なんて大きなことを言ってる場合じゃない。間違いなく、オリンピックに出場することに対して相当な危機感を持って臨まないといけない状況。でも、もうアンダー世代も最後なので、ここで活躍すればA代表に入れるチャンスはあるけど、逆にここで活躍して入らないと次に入るチャンスはないくらいの気持ちでいる」

 曺監督は、折に振れ選手たちに常に代表を意識させる指導を行っている。ユース時代から曺監督のもとで育った遠藤選手が素直に高みを目指すのは、その指導の賜物なのかもしれない。

voice_endo005足りなかった力を意識してきたシーズン
一つひとつ取り組んできた課題

 リーグ戦を戦い終えて記録を振り返ると、勝ち点101、得点86、失点25、得失点差はプラス61となっている。この数字から攻撃力に注目が集まるが、42試合で失点25、1試合平均失点が0.59点というのも驚くべき数字だ。

「基本、守備ありきなので、もちろん守備の目標もちゃんと設定しています(笑)。というか、攻撃の目標は守備をちゃんとやった上での目標です。
 毎試合1失点以内に抑えるのが基本で、その中で無失点の試合を18試合、みたいなイメージだったんですけど、無失点試合も20試合を越えたので自分の予想を超えた結果を出せたと思う。それは、僕だけじゃなくてチーム全体として守備意識が高いからできたことです。
 全体の意識や守備に行くスピードも去年より上がったと思うし、フォワードの限定から中盤の選手だったり、一人ひとりのポジションが良かったときは、たぶんパスの出しどころが全部消せていたと思う。そういう感覚が結構あります。ディフェンスの選手までは僕もあまり見ないですけど、そのポジションの把握というのは常に全員でしてますし、ゾーンや受け渡しの中でどういうポジショニングを取るかは常に意識している。自分はそこは間違わないと思っているし、こういう結果はすごく自信になりました」

 そうは言っても、複数失点を喫した試合が6試合ある。特に勝利はしたものの、前後半ともにアディショナルタイムに失点した3月22日開催第4節FC岐阜戦については、いまだに反省が口をつく。

「1失点目は自分のミスだったし、2失点目もランニングに対してついていくのか、ちょっと待ってボールを持ったナザリト選手にアプローチするのか、そのタイミングが難しくて失点しましたけど、そこはやっぱり勝ってもうれしくなかった。複数失点すると、そういう気持ちになりますね」

 決して傲慢になっていたわけではないが、3試合無失点で戦ってきたあとに迎えた第4節での複数失点の経験がリーグをより謙虚な気持ちで戦うきっかけとなったのも事実。こうして勝ちながらも試合ごとに浮き彫りになる課題と向き合い、常に次の試合こそより強くなる、という気持ちをシーズンを通して重ねてきた。その結果がさまざまな記録に繋がったのだろう。

「目標は、まずJ1復帰とやっぱり優勝だったので、個人としてもチームとしてもそこを目標に1年間やってきて、それを達成できたのは良かった。開幕からの連勝記録だったり、最速昇格などいろいろな記録を塗り替えることもできたし。
 曺さんがよく言っていたのは、J1で戦う力を、J1の基準でプレーしなければいけないということ。みんなもずっとそこを意識してやってきたから、勝てばすべて良いわけではないし、負けたから全部悪いわけでもないと思っていました。そこをみんなが意識してきたから勝っても『自分たちはもっとできる』と思うことが多かったと思うし、僕個人としても勝っても毎試合毎試合『ここはまだまだこうした方が良い』『もっとこうできたんじゃないか』と課題と向き合いながらプレーしてこれた。そこが結果として記録に繋がったと思う」

voice_endo003 意識してきたのは、J1で戦う力を身につけること。

「やっぱり一番は、去年の悔しい思いがある。それは、降格もそうだけど、毎試合毎試合の中で自分の足りなさとか、チームとしての結果が出なかったその悔しさ。今年はそういう意味でも内容と結果にしっかりとこだわるということを目標にした中で、監督と一緒に自分も結果を求めてやってきた。去年は結果にこだわるということを言葉にしてなかったんですけど、今年はそういうことを言葉にすることによって去年の悔しさを忘れずにプレーできたのかなと思います」

 昨年、J1の舞台で良い試合はできても勝ちきれなかった戦いの中で感じた自分自身の足りない部分や総合力としてのチームの力。今シーズンは、一貫して湘南スタイルの継続と深化をテーマに課題を突き詰め、勝つことにこだわることを曺監督も積極的に言葉にして選手に落とし込み、常に質の高さを求めてきた。

「個人的にも成長はできたと思う。基本的なフィジカルもそうですし、ゴール前の部分は去年差を感じたところだったので、今年はすごくこだわりを持ってやってきた。去年よりも運動量も多くなったし、攻撃に絡む回数、特にゴール前に入っていく回数も増えたし、その精度も意識してきた。
 チームとしても湘南スタイルというところで全員が切り替えの速さや球際で戦うところを毎試合毎試合しっかり出せたからこそ、常に自分たちでボールを持ちながら試合を運べたと思う。逆に、ボールが持てないときでもしっかりブロックを作りながら相手に隙を与えない守備ができた。監督が就任して3年目の今シーズンは、いろいろな面で精度が高くなったかなと思う。チームとしてブレずにずっとやってきて、『継続と深化』という目標は達成できたと、個人的には思ってます」

 遠藤選手は今シーズン、プレー以外にもこだわったことが1つある。それはフィジカルの強化。1年を通して筋力アップに励んできた。

「去年はリハビリもあったので筋トレしかやることがなくて自然にゴツくなったところはあったけど、今年は意識して。シーズンをフルで戦いながら、こんなに筋トレをやったのは初めてです。
 筋トレすると、身体が重くなるとか足が遅くなるとか言う人もいますけど、俺はそういうのは関係ない、ガタイが良くて走れたらより良いという考え方なので、筋トレもしっかりしてガタイも良くした。上半身もそうですけど、下半身もやっぱり大事だと思うから、両方しっかり。下半身を筋トレしたら、むしろ足が速くなったんじゃないかと思うくらい。ジャンプ力とか上がるって言いますし。今年は、試合のコンディションと自分の身体を作るというのをうまくやれたと思う」

 実際に、あたり負けしなくなった実感があるという。

「身長178cmで今体重が75kgなんですけど、78kgくらいはあっても良いと思うから、あと3kg増やしたいですね」

 J1の各チームには、よりレベルの高いフォワードの選手がいる。また、それぞれの選手が持っている特徴も強さもさまざまだ。『自分のすべてを強化して、J1のステージで必ず結果を出す』その決意を持って遠藤選手の深化はさらに加速度を増していく。

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取材・文 小西尚美
協力 森朝美、藤井聡行